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タグ:事件/事故 のエントリー一覧

  • フリーバーン厩舎では馬の疝痛が少ない?

    馬の飼養管理 - 2024/02/11

    一般的に、馬の飼養形態の一つであるフリーバーン厩舎(Active open barn)では、馬同士の社会的交流や自由運動の機会が得られることから、馬のウェルフェアの向上に繋がる、という考え方があります。一方で、馬主や飼養管理者にとっては、馬同士の交錯や喧騒から怪我のリスクが増える、という懸念もあると言えます。ここでは、フリーバーン厩舎において、疝痛や跛行などの馬の健康問題が起こる頻度や状況を調査した知見を紹介しま...

  • 馬の滑膜侵襲における通常X線検査の有用性

    話題 - 2024/02/06

    一般的に、馬が四肢に外傷を負ったときに、滑膜組織(関節、腱鞘、滑液嚢など)に侵襲が及んでしまうと、難治性の細菌性滑膜炎を続発して、予後不良になる危険性が高いことが知られています。このため、特に関節や腱鞘に近い箇所に切り傷を負った馬においては、その外傷が滑膜侵襲を伴っているか否かを、初診の段階で確定診断しておくのが極めて重要となります。たとえ、見た目が小さなキズでも、それが深部に及んで、関節腔や腱鞘...

  • 野外走行の総合馬における不整脈

    話題 - 2024/01/31

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、総合馬術での野外走行(Cross-country phase of eve...

  • 馬の輸送におけるホースマンの怪我

    話題 - 2024/01/27

    馬という動物にとって、馬運車での輸送はストレスの多い行為であるため、怯えたり興奮することで、人馬の事故や怪我に繋がる可能性もあります。ここでは、馬の輸送におけるホースマンの怪我について調査した知見を紹介します。下記の研究では、ニュージーランドのマッセ―大学の獣医病院において、一頭以上の馬を所有するホースマン(1,067人)に対して聞き取り調査が行なわれ、馬の輸送に関連したヒトの怪我の発生状況の調査、およ...

  • 子馬が怪我しやすい放牧のやり方

    馬の飼養管理 - 2023/12/31

    秋季から冬季に入ると、乳離れも完了して、子馬を放牧飼養している牧場が多いかもしれません。ただ、子馬の放牧のやり方によっては、怪我や運動器の疾患を誘発してしまう危険性があります。そこで、下記の研究では、子馬の放牧方針と怪我の関係性を検証するため、英国の六箇所の繁殖牧場において、子馬の誕生から退厩までの飼養管理記録と、その間の怪我や故障の発生状況が調査されて、ハザード比(HR)の算出による危険因子の評価...

  • 乗馬での怪我とヘルメット着用の関連性

    話題 - 2023/09/04

    乗馬スポーツでは、落馬などの事故によるライダーの怪我を防ぐため、ヘルメットの着用は非常に重要であると言えます。このため、乗馬でのライダーの怪我において、ヘルメット着用と怪我の発生率や重篤度の関連性を解明するため、様々な調査が行なわれています。下記の研究では、米国のモンタナ州のある救急病院にて、2011~2020年にかけて、乗馬関連の怪我で搬送された患者の医療記録が解析されました。参考文献:Carter BT, Richa...

  • カナダでの馬の流産の発生状況

    話題 - 2023/07/29

    馬の流産は、繁殖及び生産の産業において、非常に大きな経済的損失を生み出すと同時に、母馬の健康と福祉にも多大な悪影響を及ぼします。ここでは、カナダにおける馬の流産の発生要因を調査した知見を紹介します。参考文献:Ricard RM, St-Jean G, Duizer G, Atwal H, Wobeser BK. A 13-year retrospective study of equine abortions in Canada. Can Vet J. 2022 Jul;63(7):715-721. この研究では、カナダの複数の獣医大学病院に...

  • 馬の外傷にバンテージを巻くべきか?

    馬の飼養管理 - 2023/06/12

    ホースマンにとって、馬が外傷を負ったときに、バンテージを巻くかどうかは迷いどころかもしれません(特にキズが浅い場合には)。ここでは、馬の外傷にバンテージを巻くべきかについて解説した知見を紹介します。参考資料:Christa Leste-Lasserre, MA. Managing Horse Wounds: To Bandage or Not to Bandage? The Horse, Article, Horse Care, Injuries & Wounds, Lameness, Lower Limb, Wound Management: Mar 23rd, 2023. 参考...

  • ニュージーランドの競走馬での突然死の危険因子

    話題 - 2023/05/31

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、ニュージーランドのサラブレッド競走馬における、平...

  • 馬の麻酔後肺水腫の危険因子

    話題 - 2023/05/13

    一般的に、馬という動物は、全身麻酔による合併症を起こし易く、獣医師が取り扱う動物種のなかでも、最も麻酔を掛けるのが難しい動物の一つだと言われています。ここでは、そのような合併症の中で、発生率こそ低いものの、致死率が高いと言われている、麻酔後の肺水腫(Post-anesthetic pulmonary edema)に関する知見を紹介します。参考文献:Shnaiderman-Torban A, Steinman A, Ahmad WA, Kushnir Y, Sutton GA, Epstein A, Kelm...

  • 馬着の金具には注意しよう

    馬の飼養管理 - 2023/04/30

    馬着は、気温の変動や害虫、物理的な侵襲などから、愛馬の体を守ってくれますが、それが正しく機能するよう、常に注意を払うことも大切です。ここでは、馬着を小まめにチェックすることの重要性を解説した知見を紹介します。参考資料:Stephanie L. Church, Editorial Director. Be Sure To Check (and Fix) This Common Horse Blanket Issue. Commentary, Farm and Barn, Horse Care, Seasonal Care, Tack, Equipment & Products,...

  • 馬に着用させる機器で運動中の不整脈を検知

    話題 - 2023/03/25

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。近年の研究では、致死的な不整脈の発現が、運動中または運動直...

  • 北米の競走馬に起こった突然死での危険因子

    話題 - 2023/03/18

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、北米の競走馬に起こった突然死における危険因子を解...

  • 競走馬の致死的心不全での危険因子

    話題 - 2023/03/11

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、サラブレッド競走馬の突然死の中でも、突発的な心不...

  • 英国の競走馬での突然死の危険因子

    話題 - 2023/03/05

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、サラブレッド競走馬における突然死の危険因子を調査...

  • 突然死した競走馬の剖検に関する国際的調査

    話題 - 2023/02/26

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、馬の突然死における剖検所見を、多国間で収集および...

  • 馬に関連した頭部骨折の傾向(ドイツ)

    話題 - 2023/01/06

    ホースマンが馬に蹴られる事故が起きた際に、頭部への外傷は重症化する危険性が高いことから、特に予防対策が重要であると言えます。一般的に、馬に関連した怪我のうち、頭部骨折は19~54%を占めることが報告されています[1,2]。ここでは、馬に関連した怪我の中でも、頭部骨折の病態や発生状況、予後に関わる因子などを評価した知見を紹介します。この研究では、ドイツのハノーバー医科大学において、2000~2015年にかけて、馬に関...

  • 児童における馬に関わる怪我(豪州)

    話題 - 2023/01/06

    大変残念なことに、オーストラリアでは、児童におけるスポーツ関連死のうち、実に1/4が乗馬関連の怪我であると言われており、その予防対策が重要になっています。ここでは、オーストラリアでの児童医療施設の医療記録から、馬に関連した怪我を抽出して、その発生状況や発生原因、予防に関係する要因を調査した知見を紹介します。参考文献:Wolyncewicz GEL, Palmer CS, Jowett HE, Hutson JM, King SK, Teague WJ. Horse-related i...

  • ホースマンの怪我の発生状況(米国)

    話題 - 2023/01/05

    ホースマンの怪我は、馬に乗っている時と馬を曳いている時で、どちらが多いのかが調査されています。この研究では、米国のケンタッキー大学病院の外傷科において、2003~2007年にかけて、馬に関連した外傷を負った284人の患者における、医療記録の回顧的解析が行なわれました。参考文献:Carmichael SP 2nd, Davenport DL, Kearney PA, Bernard AC. On and off the horse: mechanisms and patterns of injury in mounted and unmou...

  • 気性の難しい馬を獣医はどう御するか?

    話題 - 2022/12/24

    馬の獣医師の仕事では、馬に対して不快感や軽度の痛みを伴う作業をすることも多いことから、気性の難しい暴れ馬をどのように制御していくかは、業務上傷害を最小限にするためにも大切です。ここでは、気性の難しい馬の御する手法や業務上傷害の状況などを調査した知見を紹介します。この研究では、英国の168人の馬獣医師に対して、気性の難しい馬の取り扱いや業務上傷害等に関する聞き取り調査が行なわれました。参考文献:Pearson...

  • 馬が蹴ったときの蹄鉄の有無の差

    話題 - 2022/12/24

    蹴りグセのある気性の難しい馬では、後肢で蹴ったときのダメージを少しでも軽減するため、後肢の蹄をハダシにすることもありますが、本当にそれは効果があるのでしょうか?ここでは、蹄鉄の有無によって、馬が蹴ったときの破壊力が変化するのかを実験した知見を紹介します。この研究では、34頭の馬の屠体頭部(眼窩部)に対して、角質素材(ハダシの蹄を再現)または鋼鉄素材のインパクター(蹄鉄を着けた蹄を再現)を7~10m/秒の...

  • 馬同士の喧嘩を防ぐには

    話題 - 2022/12/23

    一般的に馬は、他の家畜(牛/豚/羊など)よりも筋力が強いため、多頭での放牧時に喧騒が起こると、咬傷や蹴傷による外傷を生じる可能性が高いと言えます。ここでは、馬群内での喧嘩による外傷の発症率や、それに関わる危険因子を調査した知見を紹介します。この研究では、スイス国内の馬牧場に対して聞き取り調査が行なわれ、計2,912頭の飼養馬における、馬同士の喧嘩(咬傷や蹴傷)を含む健康問題の年間発生状況(獣医師の往診を...

  • 立位での馬の去勢における合併症

    話題 - 2022/10/23

    馬の去勢手術では、全身麻酔薬を投与して倒馬にて施術する場合と、鎮静と局所麻酔を投与して立位にて施術する場合があり、立位去勢では麻酔覚醒の事故を防げるという利点があります。ここでは、馬の去勢の術式による合併症発生の違いを評価した知見を紹介します。この研究では、英国の馬病院と往診獣医療において、2002~2004年にかけて、倒馬去勢をした121頭の馬と、立位去勢をした96頭における、医療記録の回顧的が行なわれまし...

  • 馬の去勢での合併症を防ぐには

    話題 - 2022/10/23

    馬の去勢手術は、最も頻繁に実施されるフィールド手術の一つであり、比較的に簡易な診療行為であると認識されがちですが、去勢後の合併症は一定の確率で起こることから、海外では、獣医療訴訟となる案件も多いことが知られています。ここでは、馬の去勢における術後合併症の発生状況、および、発症に関わる危険因子を調査した知見を紹介します。この研究では、2015~2017年において、英国の馬獣医師53人が施術した495頭の去勢にお...

  • 馬の去勢での合併症の発生状況

    話題 - 2022/10/22

    去勢手術は、馬において最も多く実施される外科的処置であり、リスクの少ない手術ではあるものの、合併症も一定確率で発生することが知られています。ここでは、馬の去勢における術後合併症の発生状況や、その発症素因に関する知見を紹介します。この研究では、1998~2008年にかけて、去勢手術が実施された324頭の馬属動物(ラバ10頭とロバ3頭を含む)における医療記録の回顧的解析が行なわれました。参考文献:Kilcoyne I, Watson...

  • 外傷の滑膜侵襲での造影検査

    話題 - 2022/10/20

    一般的に、馬が四肢に外傷を負ったときに、滑膜組織(関節、腱鞘、滑液嚢など)に侵襲が及んでしまうと、難治性の細菌性滑膜炎を続発して、予後不良になる危険性が高いことが知られています。このため、特に関節や腱鞘に近い箇所に切り傷を負った馬においては、その外傷が滑膜侵襲を伴っているか否かを、初診の段階で確定診断しておくのが極めて重要となります。たとえ、見た目が小さなキズでも、それが深部に及んで、関節腔や腱鞘...

  • 競走馬の故障と落馬との関連性

    話題 - 2022/10/13

    一般的に、競走馬がレース中に重篤な故障を発生した場合、乗っている騎手にも危険が及ぶと推測されます。ここでは、競走馬の致死的故障(安楽殺となるような重度骨折や心臓疾患による突然死など)の発生が、騎手の落馬や怪我にどの程度影響しているのかを調査した研究を紹介します。この研究では、米国のカリフォルニア州の競馬場において、2007~2012年に起こった競走馬の致死的故障、および、騎手の落馬や怪我のデータが収集され...

  • 馬の骨折と蹴傷の関連性

    馬の飼養管理 - 2022/10/13

    馬の骨折が発症する原因は、馬の用途によって多様ですが、全般的な馬の骨折の発症要因を解明しようとする試みも成されています。下記の研究では、スイスの二箇所の獣医大学病院において、1990~2014年にかけて、骨折の診断や治療のために来院した1,144頭の馬における、医療記録の解析が行なわれました。参考文献:Donati B, Furst AE, Hassig M, Jackson MA. Epidemiology of fractures: The role of kick injuries in equine frac...

  • 馬の大腿骨骨折のエコー検査

    話題 - 2022/10/04

    大腿骨骨折は、馬の長骨骨折のうち16.5%を占めることが知られており、大型機器を使用しなければX線画像での確定診断が難しいことが知られています(特に近位部の骨折において)。ここでは、エコー検査を用いた馬の大腿骨骨折の診断についての知見を紹介します。参考文献:Jones SA, Whitcomb MB, Vaughan B, Goorchenko G, Busch R, Kilcoyne I, Spriet M. Ultrasonographic diagnosis of femoral fractures in large animals. J A...

  • 馬における破骨細胞抑制剤の安全性

    話題 - 2022/09/30

    近年、馬に対して頻繁に用いられるようになってきた薬剤として、破骨細胞の抑制剤であるビスホスホネート(Bisphosphonates)があります。ここでは、このビスホスホネートの安全性に関する知見を紹介します。参考文献:Vergara-Hernandez FB, Nielsen BD, Colbath AC. Is the Use of Bisphosphonates Putting Horses at Risk? An Osteoclast Perspective. Animals (Basel). 2022 Jul 3;12(13):1722.破骨細胞とは、単球系の前駆細胞...

  • 馬の麻酔覚醒の手法

    診療 - 2022/09/14

    馬の麻酔覚醒の手法について総括です。あくまで概要解説ですので、詳細は成書や論文をご確認ください。馬は、獣医師が取り扱う家畜のなかでも、麻酔を掛けるのが最も難しい動物であることが知られており、その大きな要因の一つが、麻酔覚醒の難しさにあります。過去の知見を見ると、馬の全身麻酔では、覚醒時の事故率が1~2%に上ると言われており、犬のそれより数十倍も高いことが知られております。このため、麻酔下から安全に馬...

  • 馬の寝違えの対処法

    馬の飼養管理 - 2022/09/13

    ホースマンの皆様は、寝違えた馬を助け起こした経験が少なからずあると思いますが、ひとつやり方を間違えると、ヒトも馬も深刻なケガをする危険があります。ここでは、馬の寝違えに対する正しい対処法についてまとめてみます。参考資料:Morgan KD. What is Stall Casting? Sports N’ Hobbies: Aug30, 2022.Summer W. Why Horses Cast and Ways to Help. ILoveHorses: Oct16, 2020.Steffanus D. Cast Horses: What To Do. Paulick ...

  • 競走馬は故障前に歩幅が狭くなる?

    話題 - 2022/09/08

    一般的に、競走馬の故障(運動器疾患)は、突発的に発生するのではなく、骨や腱、関節などへの微細損傷が蓄積することによって発症に至ることが知られています。つまり、強度運動による組織損傷の度合いが、組織修復の度合いを上回ってしまうと、故障を起こし易い肢の状態になると考えられています。このため、そのような微細損傷が蓄積している状態を未然に検知して、故障の前兆として認識することが出来れば、レース前の運動強度...

  • 頚動脈への注射事故を防ぐには

    話題 - 2022/09/05

    馬の頚動脈への注射事故について馬に対して薬剤を静脈内投与するときには、頚静脈が使われることが一般的ですが、この際には、誤って頚動脈に注射してしまうリスクがあります。馬の頚動脈は、気管の背側および頚静脈のすぐ裏側を走行して、注射針を穿刺する位置や深さを間違えると、針先が動脈内に達してしまう事が起こりえます。馬の頚動脈に薬剤を注入してしまうと、脳神経組織に高濃度の薬剤が作用して、馬が昏睡してしまうこと...

  • 釘を踏んでも抜かないで!

    馬の飼養管理 - 2022/08/22

    馬を裏掘りしようと肢を上げさせたとき、もし、蹄底に釘が刺さっているのを見つけたら、どう対処するのが正しいでしょうか?正解は、「釘を抜かずに獣医師を呼ぶ」です。ホースマンの直感としては、速やかに釘を抜去して、消毒処置などを施したくなると思います。しかし、一番大切なことは、釘の先端がどこまで深く刺さっていて、蹄内部のどの構造物に達しているかを見極めることになります。何故なら、釘の刺さり方によっては、か...

  • 馬を天国に送るという獣医師の責務

    診療 - 2022/08/13

    馬を天国に送るということは、獣医師にとってもホースマンにとっても辛い瞬間です。しかし、正しく安楽殺を実施することで、馬の福祉とウェルフェアに貢献できる一面もあります。昨今の日本でも、馬の安楽殺について関心が持たれる事象もありました。ここでは、馬の安楽殺に関する海外の知見をご紹介いたします。注意事項:本記事は、動物の安楽殺に関する内容を含みます。ご不快に感じられる記述もあるかもしれませんので、ご心配...

  • 馬の感電死:5つの予防対策

    馬の飼養管理 - 2022/08/10

    馬の感電死について馬はヒト以上に「感電死」(Electrocution)に気をつけた方が良いと言われています。十年程前の晩冬の或る日、英国のニューベリー競馬場で一つの事件が起きました。この日に出走予定だった2頭の競走馬が、レース前のパドックで曳かれていた時、急に地面に崩れ落ちて突然死しました。2頭の馬がほぼ同時に亡くなった事から、心臓麻痺や中毒とは考えられず、現場検証の結果、付近の電気回線から漏電が発生してお...

  • 馬の骨折における応急処置

    診療 - 2022/08/05

    骨折の応急処置(Fracture first aid)について骨折の発症が疑われた症例においては、外固定(External coaptation)によって体重支持(Body weight support)と骨折安定化(Fracture stabilization)を施し、周囲軟部組織の損傷(Damage in surrounding soft tissue)、血液供給破損(Blood supply disruption)、骨折端の破片化(Fracture end fragmentation)などを予防することが重要です。また、レントゲン検査や馬運車への積...

  • 馬の開放骨折における抗生物質治療

    診療 - 2022/08/05

    開放骨折の治療法について馬の遠位肢は周囲を囲む筋肉が限られている領域が多いため、重篤な骨折症例では皮膚穿孔(Skin penetration)から開放骨折(Open fracture)を起こし、骨折病巣の細菌感染(Bacterial infection)を引きこす事も多いため、内固定法(Internal fixation)などの外科的療法に併行して、感染部位へ高濃度の抗生物質を作用させる治療法が実施されています。抗生物質を含有させたポリメタクリル酸メチル(Antim...

  • 厩舎火災で馬を避難させる5つのコツ

    馬の飼養管理 - 2022/08/02

    厩舎の火災では多くの馬達が命を落としています。人間と民家と異なり、厩舎にはオガや乾草など燃えやすいものが多く、また、人間の就寝場所と少し離れていると、どうしても火災を発見するのが遅れがちになります。厩舎に火災が発生した場合には、多くの馬が馬房を出るのを拒否して焼け死んでしまうことが知られています。また、火災による馬の直接の死因は火傷ではなく、煙の吸引による窒息死であると考えられており、騒然とする火...

  • 野外障害における落馬リスクの解析

    話題 - 2022/08/01

    野外障害での落馬の危険性について科学的解析が行なわれており、ライダーの安全に配慮したコースデザインをする上で有用だと思われます。総合馬術の野外走行では、飛越する障害が固定されており、もしライダーが落馬して激突すれば、怪我の危険性が高くなる可能性があります。また、飛び込み水壕や乾壕などの馬が躊躇しやすい障害物では、落馬の確率が高まるかもしれません。そう考えると、野外障害の特性が、ライダーの落馬にどう...

  • 馬獣医師によるレース前検査

    未分類 - 2015/08/09

    馬獣医師による競走馬のレース前検査の有用性が論議されています。ケンタッキー州競馬委員会(Kentucky Horse Racing Commission)の馬獣医理事(Equine Medical Director)であるメリー・スコレイ獣医師は、10月16日に開催された「競走馬の福祉と安全に関するサミット」において、レース前獣医検査(Pre-race veterinary examination)の有用性についての講演を行いました。そして、レース前の馬を獣医師が監査(Inspection)して...

  • 競馬施設での人身事故

    未分類 - 2015/08/09

    英国の競馬施設での人身事故について調査報告されています。Filby M, Jackson C, Turner M. Only falls and horses: accidents and injuries in racehorse training. Occup Med (Lond). 2012 Jul; 62(5): 343-349.調査対象となったのは、英国における256箇所の競走馬の牧場または調教施設で、このうち一年間の調査機関中(2008年)に、人身事故が起こったのは49%(126/256施設)で、一つの施設当たり平均5.3回の事故が報告されてい...

  • 競走馬の事故情報の公表

    未分類 - 2015/08/09

    米国のニューヨーク州は、競走馬事故における検索可能なデータベースを公表しました。このオンラインでのデータベースでは、十箇所以上もあるニューヨーク州の競馬場で起こったサラブレッド競走馬の事故を、レース中だけでなく厩舎内での事故まで、全て検索できるようになっています。検索項目は、それぞれの年度ごとに、「全ての事故」および「死亡事故」に分かれており、事故に遭った馬、調教師、騎手の実名だけでなく、事故の起...

  • ヘルメットをかぶろう

    未分類 - 2015/08/08

    馬に乗るときにかぶるヘルメットの重要性が、世界的にも再認識されています。2011年の六月十一日は、「国際的にヘルメットの大切さを認識する日」(International Helmet Awareness Day)に定められ、世界中で様々な会議やシンポジウムが開催されました。そして米国でも、Riders4Helmetsというグループが主催する「ヘルメットの安全性に関するシンポジウム」が、七月末にケンタッキーで催されることになっています。もちろんこれま...

  • 銃創

    未分類 - 2015/08/07

    日本よりも米国の馬獣医のほうが多く目にする疾患としては、EPMや西ナイル熱などがありますが、銃創(Gunshot wound)もその一つではないかと思います。銃社会のアメリカでは、ハンティング期間中に猟銃で誤って銃撃されてしまう馬をはじめ、発砲事件に巻き込まれてしまう警察馬や、イタズラ半分に放牧中の馬を撃つという残酷な事件もあります。特に散弾銃などの銃創では、術中の透視装置(Intra-operative fluoroscopy)やレント...

  • ポロ競技馬に発生した中毒死

    未分類 - 2015/08/07

    ビタミン剤に起因すると思われる中毒症によって、21頭もの馬の命が失われるという悲しい事件が起きました。2009年にフロリダ州で開催されたポロ競技のチャンピオンシップにおいて、ベネズエラポロチームの所属馬たちは、競技場に輸送された直後、運動失調、痙攣、発汗、呼吸困難などの重篤な中毒症状を示し、次々と地面に倒れ込みました。駆けつけた十数名の獣医師たちの懸命の治療にも関わらず、馬たちは一頭また一頭と息を引き取...

  • まず馬ありき

    未分類 - 2015/08/07

    全米馬臨床医協会(American Association of Equine Practitioners: AAEP)は、2008年のケンタッキーダービーにおけるEight Bellesのような事故を防ぐことを目標として、米国における競走馬の健康を守るためのガイドラインを発表しました。『競走馬の安全と福祉のための獣医学的提言』(Veterinary Recommendations for the Safety and Welfare of the Racehorse)この提言には、以下のような重要事項が含まれています。 (1)レ...

  • 火事を知らせたミュール

    未分類 - 2015/08/07

    アメリカ南部のテネシー州では、火事場から飼主を救ったミュールが話題になっています(The Horse Newsletter, January 6th, 2009, Article #13392)。テネシー州のとある田舎町に住むジョレーンさんは、お父さんから受け継いだミュールの“Lou”を飼っていました。新年の晩に郊外の自宅で眠っていたジョレーンさんは、深夜Louの叫び声で起こされます。間一髪で外に飛び出したジョレーンさんは、自宅が炎に包まれ崩れていくのを見て...

  • 致死的骨折の予防

    話題 - 2015/08/07

    2006年のBarbaroや、2008年のEight Bellesのように、致死的骨折(Catastrophic fracture)によって安楽死(Euthanasia)となる競走馬をいかに減らしていくか、という論議がアメリカでは盛んになっています(The Horse Magazine, June 17 2008, Article #12022)。疫学的研究(Epidemiologic research)の結果によれば、性別、年齢、跛行用治療薬の投与などが潜在的な危険因子(Potential risk factors)として挙げられていますが、...

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プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: アラフィフ
住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
叩けよ、さらば開かれん!

質問、御意見、記事の要望等は下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

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