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タグ:獣医療 のエントリー一覧

  • 馬の安楽殺処置でのストレス反応の評価

    話題 - 2024/04/06

    英語で安楽殺を意味するEuthanasiaは、ギリシャ語の「良い死(Good death)」に由来し、痛みや不安なく永眠することを指します[1]。馬の安楽殺においても、動物の利益と福祉に鑑みて、最も迅速かつ苦痛の少ない方法で安楽殺を実施することは、獣医師の責務であると提唱されています[2]。ここでは、馬の安楽殺におけるストレス反応を検証した知見を紹介します。参考文献:Gehlen H, Loschelder J, Merle R, Walther M. Evaluation of ...

  • 治療が嫌いな馬には「正の強化」

    馬の飼養管理 - 2024/01/07

    ヒトの医者に比べて、馬の獣医は大変な仕事だとも言えます。何故なら、ストレスを感じた「患者」(馬)から、噛みつく、頭部を振り回す、蹴りが飛んでくる、などの攻撃を受けるため、深刻な怪我の危険に曝されることになるからです。歴史的には、獣医師、その助手、および、馬の取り扱いの担当者は、診療を安全に進めるため、諸々の保定方法(ロープ、チェーンリード、鼻捻棒など)を使って馬を制御することに頼ってきました。しか...

  • 馬の経鼻チューブ処置による獣医師の安全性

    話題 - 2023/07/03

    馬は嘔吐が殆どできない動物であり、胃拡張から胃破裂を起こすと助からないため、疝痛の診断においては、経鼻チューブを胃袋まで挿入して、胃内容物を排出することが極めて重要です。しかし、多くの馬の獣医師は、この経鼻チューブを、口に咥えながら操作するため、馬の胃内容に含まれる食渣や病原体が、獣医師の口内に入ってしまう危険性があります。ここでは、経鼻チューブの操作に関連した馬の獣医師の健康への弊害、および、操...

  • 疝痛で獣医を呼ぶときの判断基準

    話題 - 2023/06/17

    馬の消化器疾患(疝痛)は、ホースマンが獣医師に緊急連絡する理由の第一位となっています。そして、疝痛の原因疾患の中には、早期治療が重要なものも多いことから、ホースマンが、馬が疝痛を起こしているかを見分け、その疝痛がどれほど深刻であるかを正しく判断することが重要となってきます。ここでは、ホースマンが疝痛馬に遭遇したときに、どのような状況で獣医師に連絡するかの判断基準を調査した知見を紹介します。この研究...

  • ホースマンが疝痛を判断する指標

    話題 - 2023/06/10

    馬の消化器疾患(疝痛)は、ホースマンが獣医師に緊急連絡する理由の第一位となっています。そして、疝痛の原因疾患の中には、早期治療が重要なものも多いことから、ホースマンが、馬が疝痛を起こしているかを見分け、その疝痛がどれほど深刻であるかを正しく判断することが重要となってきます。ここでは、ホースマンが疝痛症状を判断するときの傾向を調査した知見を紹介します。この研究では、英国のノッティンガム大学のもので、...

  • 馬の疝痛での電話トリアージ

    話題 - 2023/06/05

    馬の疝痛は、消化器疾患による腹痛症状を指しており、現代でも、馬の死亡率の第一位を占めています。そして、腸捻転や腸変位など、生死に関わる重篤な病態では、緊急の開腹術を要することが一般的です。このため、疝痛馬への対応を判断するときには、正確な診断名を確定することよりも、その疝痛が早急な手術を要するのか、それとも、保存療法を選択してジックリ経過を見て構わないのか、という見分けが重要になってきます。一般的...

  • 気性の難しい馬を獣医はどう御するか?

    話題 - 2022/12/24

    馬の獣医師の仕事では、馬に対して不快感や軽度の痛みを伴う作業をすることも多いことから、気性の難しい暴れ馬をどのように制御していくかは、業務上傷害を最小限にするためにも大切です。ここでは、気性の難しい馬の御する手法や業務上傷害の状況などを調査した知見を紹介します。この研究では、英国の168人の馬獣医師に対して、気性の難しい馬の取り扱いや業務上傷害等に関する聞き取り調査が行なわれました。参考文献:Pearson...

  • 抗生物質による馬の下痢症

    話題 - 2022/10/01

    馬の抗生物質に起因する下痢症の実態が調査されています。参考文献:Barr BS, Waldridge BM, Morresey PR, Reed SM, Clark C, Belgrave R, Donecker JM, Weigel DJ. Antimicrobial-associated diarrhoea in three equine referral practices. Equine Vet J. 2013 Mar;45(2):154-8.この研究では、米国の三つの州の馬の紹介診療施設における、5,251頭の馬症例の医療記録が解析され、抗生物質の投与に起因する下痢症を発症したのは32...

  • 頚動脈への注射事故を防ぐには

    話題 - 2022/09/05

    馬の頚動脈への注射事故について馬に対して薬剤を静脈内投与するときには、頚静脈が使われることが一般的ですが、この際には、誤って頚動脈に注射してしまうリスクがあります。馬の頚動脈は、気管の背側および頚静脈のすぐ裏側を走行して、注射針を穿刺する位置や深さを間違えると、針先が動脈内に達してしまう事が起こりえます。馬の頚動脈に薬剤を注入してしまうと、脳神経組織に高濃度の薬剤が作用して、馬が昏睡してしまうこと...

  • 馬の開腹術での術前予測は当たる?

    話題 - 2022/08/18

    馬の疝痛に対して開腹術をするか否かの判断は、獣医師にとってもホースマンにとっても悩みどころだと言えます。一般的に、馬は他の家畜と比べて、消化器疾患での死亡率が高く、治療費も高額になり易いという特徴があります。また、開腹術が選択肢にあった場合でも、術前に確定診断が下せないため、手術適応かの判断が難しいというケースも多く見られます。このため、診断名ではなく、疝痛馬の臨床症状や検査所見から、開腹術後の予...

  • 馬を天国に送るという獣医師の責務

    診療 - 2022/08/13

    馬を天国に送るということは、獣医師にとってもホースマンにとっても辛い瞬間です。しかし、正しく安楽殺を実施することで、馬の福祉とウェルフェアに貢献できる一面もあります。昨今の日本でも、馬の安楽殺について関心が持たれる事象もありました。ここでは、馬の安楽殺に関する海外の知見をご紹介いたします。注意事項:本記事は、動物の安楽殺に関する内容を含みます。ご不快に感じられる記述もあるかもしれませんので、ご心配...

  • 馬のオンライン診療のための写真や動画の取り方

    未分類 - 2022/08/08

    馬のオンライン診療について馬が跛行や外傷をして、獣医師に電話をする場合、昔は、言葉で説明するだけでしたが、近年では、画像や動画が簡単に送れるようになってきました。また、ここ数年のコロナ禍で、ヒトのオンライン診療が普及するなか、馬の獣医療でもオンライン診療をする割合が増えたと言われています。そんな中、機械にうとかったホースマンも、スマホの使い方を覚えて、写真や動画を介して獣医師の診断や治療の指示を受...

  • ヘンダーソン去勢の利点と欠点

    診療 - 2022/07/24

    ヘンダーソン去勢にも利点と欠点がありますので、その両方を理解しておきましょう。馬の去勢の方法には、大きく分けて挫滅法と捻転法の2種類があり、古典的には、挫滅法が一般的に実施されてきました(結紮法を併用する場合もあり)。一方、近年では、成牛の去勢で多く実施されてきたヘンダーソン式の捻転法が、器具を少し改良(組織把持する部分の幅を長めにした器具)することで、馬の去勢にも応用されるようになっています。こ...

  • 馬のネブライザー治療の実践

    診療 - 2022/07/22

    馬の呼吸器疾患に応用されているネブライザー治療について復習しましょう。ネブライザー治療とは、医学用語では吸入療法(Inhalation therapy)と呼ばれ、噴霧した薬剤を呼吸に併せて吸い込ませることで、上部及び下部気道組織に直接的にクスリを作用させる治療法です。適応症例としては、競走馬に見られる炎症性気道疾患(IAD)や運動誘発性肺出血(EIPH)のほか、高齢馬のアレルギー疾患である回帰性気道閉塞(RAO)や、鼻腔や咽...

  • 鼻ネジは諸刃の剣

    馬の飼養管理 - 2022/07/21

    馬に対する鼻ネジの使い方や注意点についてシッカリ理解しておきましょう。鼻ネジ(鼻捻棒とも言う)とは、馬の物理的保定に用いられる器具で、通常は、木製の棒の先端に金属チェーン又はロープがループ状に取り付けられており、このループを馬の上唇に巻き付けて締めるように使用します。鼻ネジは、痛みや不快感を伴う獣医療行為を実施するときによく使用され、また、毛刈りや交配などの場面で、馬を安全に制御するために用いられ...

  • 効き目が丸一日も続く局所麻酔薬

    話題 - 2022/07/20

    効き目が24時間も続く局所麻酔薬が、馬の遠位肢に応用されています。通常、局所麻酔薬を馬の神経周囲浸潤麻酔として使った場合、感覚神経の刺激伝導を一時的に遮断して、30分~1時間のあいだ、注射箇所より遠位側の痛覚を取り除くことが出来ます。馬の遠位肢に対しても、跛行検査での診断麻酔として用いられ、疼痛の発生箇所をピンポイントで特定したり、全身麻酔下での骨折手術に併用することで、手術中および麻酔覚醒中の疼痛を...

  • 本間先生の言葉

    未分類 - 2015/08/13

    私の大好きな手塚治虫さんの漫画・ブラックジャックの一場面では、患者を助けられなかったブラックジャックを、天国にいる恩師の本間先生が、「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね」と慰めるシーンがあります。漫画家だけでなく、医学博士でもあった手塚治虫さんの作品の中には、このメッセージが随所に読み取れ、ブラックジャックの最終回・『人生という名のSL』の中にも、夢の中に現れた...

  • 馬の疝痛用語

    診療 - 2015/08/13

    研修医をしていた頃、緊急医療の当番では、患馬の初診を済ませた後、担当の先生方に電話連絡しなくてはなりません。あるとき来院馬の疝痛検査を一通り終えて、馬内科の先生に電話を掛けて、患馬の病状について、「おそらく軽度の痙攣疝(Spasmodic colic)もしくは風気疝(Gas colic)なので、予後は良好であると予測される」という旨を伝えたところ、「そんな用語を使わず、キチンと獣医学的な診断名を用いないと駄目だ!」と叱責...

  • 手洗いの思い出

    未分類 - 2015/08/13

    馬の手術のため手洗いをする時には、渡米当時のことが思い出されます。「手洗い」が私を救ってくれたあの日のことを。アメリカの獣医大学病院で研修を始めて、ほんの二ヶ月目だった私は、馬の内科の診療チームに所属していました。ネイティブの英語を聞き取るのがやっとの状態だった私は、自分の意思を伝えるのにも四苦八苦するという毎日でした。そんなある日、ウォブラー症候群で来院してきた馬の外科手術が行われることになりま...

  • 賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

    未分類 - 2015/08/13

    文献を読むことの大切さを再認識させてくれた言葉です。『賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ』というのは、ドイツの政治家ビスマルクの言葉で、「愚者は自分の成功や失敗からしか学べないのに対し、賢者は他人の成功や失敗からも学べる」という意味で、多くの先人や同業者の体験に積極的に耳を傾けることの重要性を述べた名言だと思います。獣医学分野においても、豊富な臨床経験を積み重ねることは確かに大切ですが、一人の獣医...

  • 馬獣医師によるレース前検査

    未分類 - 2015/08/09

    馬獣医師による競走馬のレース前検査の有用性が論議されています。ケンタッキー州競馬委員会(Kentucky Horse Racing Commission)の馬獣医理事(Equine Medical Director)であるメリー・スコレイ獣医師は、10月16日に開催された「競走馬の福祉と安全に関するサミット」において、レース前獣医検査(Pre-race veterinary examination)の有用性についての講演を行いました。そして、レース前の馬を獣医師が監査(Inspection)して...

  • 衝撃波療法への規定強化の動き

    未分類 - 2015/08/09

    衝撃波療法への規定強化の動きについて。国際競馬規定の評議委員協会(Association of Racing Commissioners International Rules Committeee)では、衝撃波療法(ショックウェーブ治療:Shockwave therapy)に対する新しい規定案(Model rule)が審議されました。この問題は、騎手組合(Jockeys’ Guild)から提起されており、その背景には、衝撃波療法を受けた馬が致死的怪我(Breakdown injury)を発症して、人馬転などの大事故...

  • 世界から見た日本の大動物臨床教育

    未分類 - 2015/08/08

    日本の獣医大学における大動物臨床の教育は、まだまだ発展の余地が多いようです。2011年の日本獣医師会雑誌では、帯広畜産大学の先生方によって行われた、ヨーロッパの三つの獣医大学への視察内容が報告されています。ドイツ、スイス、オランダという、遠路の国々まで足を運ばれて、大学病院の視察や現地の獣医師たちとの対話に多くの時間と労力を費やして、貴重な知見をもたらして頂いた先生方には、感謝の気持ちで一杯です。そし...

  • 馬の跛行グレードの改正

    診療 - 2015/08/08

    馬の跛行グレードが改正されました。跛行(Lameness)は、馬の健康問題の八割以上を占めることが知られており、跛行検査(Lameness examination)は馬獣医師の仕事の中でも、最も頻繁かつ重要なものであると言えます。また、三科目競技の獣医検査においても、跛行の有無およびその重篤度の判定は、大切な判断要素に挙げられます。跛行検査の際に使用されるグレード法としては、全米馬臨床医協会(American Association of Equine P...

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プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: アラフィフ
住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
叩けよ、さらば開かれん!

質問、御意見、記事の要望等は下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

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