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タグ:疝痛 のエントリー一覧

  • 有棘縫合糸による馬の直腸裂傷の縫合

    話題 - 2024/02/21

    一般的に、馬の直腸裂傷(Rectal tear)は、直腸検査や繁殖関連事故(交配や難産)によって発症し、憩室や蜂窩織炎(直腸の尾側部)、もしくは、感染性腹膜炎を続発することから(直腸の頭側部)、極めて深刻な疾患であることが知られています。直腸裂傷の病態は、粘膜/粘膜下層のみの裂傷(グレード1)、筋層のみの裂傷(グレード2)、奨膜層のみ無傷の裂傷(グレード3)、腸壁全層の裂傷(グレード4)に類別されますが、特に...

  • 馬の開腹術での長期的予後と馬主満足度

    話題 - 2024/02/13

    馬の疝痛治療での開腹術は、侵襲性や合併症の危険も大きく、施術を判断する際には、術後にパフォーマンスを維持できるか否かも、重要な判断要因であると言えます。そこで、下記の研究では、疝痛馬の開腹術後における長期的な予後、および、馬主の満足度を評価するため、米国のワシントン州立大学の獣医病院にて、2014〜2021年にかけて、消化器疾患の治療のために開腹術が実施された馬における、退院後の一年間以上にわたる経過追跡...

  • フリーバーン厩舎では馬の疝痛が少ない?

    馬の飼養管理 - 2024/02/11

    一般的に、馬の飼養形態の一つであるフリーバーン厩舎(Active open barn)では、馬同士の社会的交流や自由運動の機会が得られることから、馬のウェルフェアの向上に繋がる、という考え方があります。一方で、馬主や飼養管理者にとっては、馬同士の交錯や喧騒から怪我のリスクが増える、という懸念もあると言えます。ここでは、フリーバーン厩舎において、疝痛や跛行などの馬の健康問題が起こる頻度や状況を調査した知見を紹介しま...

  • 疝痛の獣医療での地域差:インドネシア

    話題 - 2024/02/04

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、東南アジアのインドネシアにおける、馬の...

  • 馬の下痢症による致死率と蹄葉炎の発症率

    話題 - 2024/01/28

    一般的に、馬の下痢症は、入院治療の主要な要因の一つであり、深刻な脱水や敗血症(SIRS)を起こして斃死したり、蹄葉炎を続発して予後不良を呈する症例も多いと言えます。ただ、実際の診療の場面になると、馬の下痢症の原因となる病原体は、五割以上の症例で特定されないことも報告されています。ここでは、馬の下痢症の病原体による致死率、および、蹄葉炎の発症率を比較した知見を紹介します。下記の研究では、六カ国(米国、英...

  • 馬の経鼻チューブ処置のための教育用模型

    話題 - 2024/01/23

    一般的に、馬は、嘔吐が殆ど出来ない動物であるため、経鼻チューブで胃へとアクセスすることは、馬の消化器疾患の診察において非常に重要になります。しかし、馬の飼養頭数の多い欧米諸国の獣医大学ですら、卒業前の獣医学生が、実馬を使って経鼻チューブ処置の練習をするのは難しいと言われています。何故なら、経鼻チューブを挿入する作業では、鼻腔・食道・胃の粘膜に負担を掛けるだけでなく、稀にではありますが、手技のミスか...

  • 馬の腹水検査における好中球細胞外トラップ

    話題 - 2024/01/20

    腹水検査は、疝痛などの馬の腸管疾患での診断法の一つとして実施されており、罹患臓器のすぐ傍にある体液の性状を評価できる点で、多様な腹腔内病態の有無や重篤度を診断する一助になると言われています。ここでは、腹水検査および滑液検査において、好中球細胞外トラップ(Neutrophil extracellular trap: NET)を視認することで、細菌性の炎症病態を診断する手法を検証した知見を紹介します。下記の研究では、豪州のチャールズ・...

  • オゾン化自己血液療法による馬の抗酸化作用

    話題 - 2024/01/06

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。一方で、近年のヒト医療の論文では、オゾン化自己血液療法(O...

  • セレン投与による馬の抗酸化作用

    話題 - 2023/12/30

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。このうち、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)等の抗酸化酵...

  • 疝痛馬の開腹術後に起こる大腸炎の危険因子

    話題 - 2023/12/27

    一般的に、馬という動物は、開腹術での予後が悪くなりやすいことが知られており、その要因となる術後合併症としては、術創感染、イレウス、内毒素血症、静脈炎、腹膜炎、下痢症、および、大腸炎が挙げられています。また、馬が二次病院で術後入院しているときに起こる大腸炎(Post-operative colitis)は、その発症率が9〜13%に達して[1]、生存率の低下と治療費の高騰に繋がることが知られています。ここでは、疝痛馬の開腹術のあ...

  • 高濃度ビタミンC療法による馬の抗酸化作用

    話題 - 2023/12/23

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。このうち、ビタミンC(アスコルビン酸)は、ROSスカベンジャ...

  • 馬の虚血再灌流障害でのデクスメデトミジン点滴

    話題 - 2023/12/04

    馬の小腸の絞扼性疾患(空腸捻転や有茎性脂肪腫、網嚢孔捕捉など)では、絞扼を整復して虚血していた箇所に血流を回復させると、その再灌流が原因で組織損傷が起こってしまうという現象が知られており、また、その際に流出する炎症性物質によって、他の部位の腸管が通過障害(術後イレウス)を続発したり、全身の多臓器が損傷を受けるという危険性が指摘されています。ここでは、そのような虚血再灌流障害(Ischemia-reperfusion i...

  • 腸間膜憩室ヒモによる馬の疝痛

    話題 - 2023/11/29

    一般的に、腸間膜憩室ヒモ(Mesodiverticular band)は卵黄奇形に分類され、胎生期に腸管と卵黄包を繋いでいる組織が遺残することで発生します。卵黄奇形を分類すると、胎生期腸管の一部が袋状に残ったものをメッケル憩室と呼び、胎生期腸管膜のみが残ってしまうと腸間膜憩室ヒモになります。馬では、このヒモが腸管と干渉して、小腸の捻転・絞扼・捕捉・圧迫などを生じて、疝痛の原因になることが知られています。馬における腸間...

  • 若齢馬の変位疝における手術後の競走成績

    話題 - 2023/11/20

    馬の疝痛治療での開腹術は、侵襲性や合併症の危険も大きく、施術を判断する際には、術後にパフォーマンスを維持できるか否かも、重要な判断要因であると言えます。ここでは、若齢馬の変位疝での開腹術と、その後のセリ価格や競走成績への影響を調査した知見を紹介します。この研究では、米国の二箇所の馬病院において、1998~2016年にかけて、大結腸変位(Large colon displacement)の治療のために開腹術が実施された110頭のサラ...

  • 馬の鼠径ヘルニアでの予後不良の因子

    話題 - 2023/10/18

    後天性の鼠径ヘルニア(Acquired inguinal hernia)は、内鼠径輪から鼠径管に入り込んだ消化管が絞扼を起こす疾患です。馬においては、最も発生率の高い外ヘルニアであることが知られていますが、小腸絞扼が重篤になると、予後不良になることもあり、意外に怖い病気であると言えます。下記の研究では、馬の鼠径ヘルニアにおける、予後を悪化させる因子を解明するため、ベルギーとフランスの二つの獣医大学病院において、2005〜2020...

  • 双方向の有棘縫合糸による馬の開腹術の縫合

    話題 - 2023/10/14

    馬は、他の動物と異なり、開腹術の術創における合併症を起こし易いことが知られており、その発生率は四割に上ることが報告されています。そこで、下記の研究では、縫合糸の緩みによる術創裂開を抑える手法を検証するため、24頭の馬の屠体に正中切開術(25cm長)を施して、それを、双方向の有棘縫合糸(Bidirectional barbed suture)、または、通常の吸収糸で閉鎖した後(単純連続縫合、糸の太さはUSP2/EP5)、腹腔内部に入れた風...

  • 馬の開腹術の縫合における非侵襲性の閉創装置

    話題 - 2023/10/07

    馬は、他の動物と異なり、開腹術の術創における合併症を起こし易いことが知られており、その発生率は四割に上ることが報告されています。そこで、下記の研究では、ジップ皮膚閉鎖システム(ZSCS: Zip skin closure system)という新しい閉創デバイスの有用性が、八頭の実験馬に作成した開腹術の模倣術創を用いて試験されました。参考文献:Klein CE, Engiles JB, Roessner HA, Hopster K, Hurcombe SD. Comparison of the zip skin...

  • エソメプラゾールによる馬の胃潰瘍の治療

    話題 - 2023/10/02

    馬は胃潰瘍を起こし易い動物であることが知られており、近年では、プロトンポンプ抑制剤であるオメプラゾールの投与によって、良好な治療および予防効果が示されています。一方、ヒト医療では、エソメプラゾールという、異性体のプロトンポンプ抑制剤が一般的に用いられており、オメプラゾールに比較して、薬物動態でのAUC(血中濃度-時間曲線下面積)が有意に広いことから、胃酸分泌を抑える効能も、エソメプラゾールのほうが優れ...

  • 馬の開腹術の縫合におけるセルフロック結び

    話題 - 2023/09/30

    一般的に、外科手術における連続縫合では、その開始と終了の箇所を、外科結び(Surgeon's knot)を使って留める方法(S-S法)を用いることが多いですが、近年では、セルフロック結び(Self-locking knot)というタイプの糸の結び方が提唱されてきています。そこで、下記の研究では、馬の開腹術における腹壁(白帯)の閉鎖法として、連続縫合をフォワーダー結び(Forwarder knot)で開始して、アバディーン結び(Aberdeen knot)で...

  • 馬の開腹術の縫合での糸とステープルの違い

    話題 - 2023/09/23

    馬は、他の動物と異なり、開腹術の術創における合併症を起こし易いことが知られており、その発生率は四割以上に上ることが報告されています。そこで、下記の研究では、エルサレム大学の獣医病院にて、2012〜2014年にかけて、開腹術が適応された123頭の疝痛馬に対して、ナイロン製の縫合糸(No.0、連続かがり縫合)または金属製のステープル(6.5x4.7mm)を用いた皮膚縫合が実施され、医療記録の解析が行なわれました。参考文献:Ha...

  • COX-2限定阻害薬によって大腸炎が起こる?

    話題 - 2023/09/11

    これまで、馬の軟部組織の痛みには、フルニキニンメグルミン(バナミン®)が投与されることが多かったですが、近年では、副作用の少ない新しいタイプの薬剤が応用されてきています。一般的に、馬の抗炎症・鎮痛剤としては、COX-1およびCOX-2の両方の炎症介在物質を阻害する薬剤(フルニキニンメグルミン等)が使用されてきましたが、COX-1は胃腸粘膜の新陳代謝にも関わっているため、これを阻害することで、胃潰瘍や大腸炎などの副...

  • 馬の腸捻転における乳酸値の有用性

    話題 - 2023/09/06

    馬の疝痛のなかでも、腸捻転などの絞扼性疾患は、迅速な開腹術による外科的整復を要するため、早期診断が重要となります。この際、虚血性病態において乳酸値が上昇することを鑑みて、これを腸捻転の診断指標として活用されることもあります。そこで、下記の研究では、米国のペンシルバニア大学の獣医病院(ニューボルトンセンター)にて、2016~2019年にかけて、入院時に乳酸値測定(血液と腹水)が行なわれた197頭の症例を、腸捻...

  • 馬の直腸背側膿瘍による疝痛

    話題 - 2023/08/28

    一般的に、疝痛症状を起こす馬の消化器疾患のうち、直腸に発症する病気は比較的に稀であることが知られています。ここでは、ドイツのハノーバー大学獣医病院にて、2019〜2021年に診療を受けた、直腸背側膿瘍を呈した六頭の疝痛馬の症例報告を紹介します。参考文献:Weber LA, Verhaar N, Feige K. Colic due to dorsally located perirectal abscesses: A retrospective case series of six horses. Equine Vet Edu. 13 July 2023....

  • 競走馬のプアパフォーマンスの原因疾患と運動能力指標との関連性

    話題 - 2023/08/21

    競馬のレースにおいて、人気馬が惨敗した時には、その理由がハッキリとは分からない事も多々あります。一般的に、競走馬のプアパフォーマンスの要因としては、運動器系、呼吸器系、心脈管系などの疾患が関与していると言われていますが、それらの複合性については詳細には解明されていません。ここでは、スタンダードブレッドの競走馬におけるプアパフォーマンスについて調査した知見を紹介します。参考文献:Lo Feudo CM, Stucchi...

  • 馬の腺胃部での胃潰瘍と飼料の関係性

    話題 - 2023/08/09

    一般的に、馬は胃潰瘍を起こしやすい動物であり、その潰瘍病変は、扁平上皮に覆われた無腺胃の箇所(噴門側)に好発することが知られています。一方、近年では、幽門側の腺胃部に起こる胃潰瘍も、半数近い競走馬や乗馬競技馬に発症することが判明しており、プアパフォーマンスや疝痛症状に関連することが分かってきています。ここでは、競走馬の腺胃部での胃潰瘍と、飼料の関連性を調査した知見を紹介します。この研究では、フラン...

  • 馬の疝痛:持久戦がもたらす悲劇

    馬の飼養管理 - 2023/08/02

    馬の疝痛に対する開腹術では、早期に手術を決断することが、治療成功率や生存率を高めるのに重要であることが知られています。馬の疝痛治療の第一人者である、フロリダ大学のデイビッド・フリーマン博士は、2022年の全米馬臨床医協会(AAEP)の学会において、疝痛馬に対する「持久戦がもたらす悲劇」(Tragedy of the Waiting Game)について警鐘を鳴らしています。参考資料:Christa Leste-Lassiter, MA. Colic Referral: The Tra...

  • オメプラゾールの投与中止の方針

    話題 - 2023/07/31

    馬は胃潰瘍を起こし易い動物であることが知られており、近年では、プロトンポンプ抑制剤であるオメプラゾールの投与によって、良好な治療および予防効果が示されています。しかし、オメプラゾール投与を中止することで、胃潰瘍が再発することがあり、この際には、リバウンド胃酸過多症(Rebound gastric hyperacidity)の関与が懸念されています。そこで下記の研究では、14頭のサラブレッドを用いて、平地レースの調教を模した運動...

  • 馬の経鼻チューブ処置による副鼻腔炎

    話題 - 2023/07/17

    一般的に馬は、嘔吐が殆ど出来ない動物であるため、経鼻チューブで胃へとアクセスすることは、馬の消化器疾患の診察において非常に重要になります。一方で、馬の獣医師は、経鼻チューブ処置を介して起こり得る合併症についても知っておく必要があります。下記の研究では、米国のカリフォルニア大学デービス校の獣医病院で診察した馬のなかで、経鼻チューブに起因して副鼻腔炎を発症した三頭の症例について報告されています。参考文...

  • 経鼻チューブの太さと胃液逆流の関係性

    話題 - 2023/07/10

    一般的に、馬は、嘔吐が殆どできない動物であるため、重度な胃拡張を起こすと、胃破裂を続発して予後不良になることが知られています。このため、空腸絞扼や近位小腸炎などの症例では、小腸から胃へと逆流してくる消化液を持続的に排出させるため、経鼻チューブを留置する必要があります。しかし、経鼻チューブが留置されていると、胃液が、噴門→食道→喉頭へと逆流して、それを気管内に誤嚥することで、下部気道炎を起こす危険性が...

  • 馬の胃潰瘍にはアルファルファ給餌

    馬の飼養管理 - 2023/07/05

    胃潰瘍の罹患馬に対しては、アルファルファを給餌することにメリットがあると言われています。米国のテキサス農工大学の研究によれば、バミューダ乾草が給餌された馬に比べて、アルファルファ乾草が給餌された馬では、胃潰瘍の重篤度スコアが有意に低かったことが分かりました。参考資料:Clair Thunes, PhD. Alfalfa for Ulcer Prevention in Horses: When fed correctly, alfalfa might help prevent gastric ulcer development....

  • 馬の経鼻チューブ処置による獣医師の安全性

    話題 - 2023/07/03

    馬は嘔吐が殆どできない動物であり、胃拡張から胃破裂を起こすと助からないため、疝痛の診断においては、経鼻チューブを胃袋まで挿入して、胃内容物を排出することが極めて重要です。しかし、多くの馬の獣医師は、この経鼻チューブを、口に咥えながら操作するため、馬の胃内容に含まれる食渣や病原体が、獣医師の口内に入ってしまう危険性があります。ここでは、経鼻チューブの操作に関連した馬の獣医師の健康への弊害、および、操...

  • 馬の開腹術での抗生物質投与の傾向

    話題 - 2023/06/26

    一般的に、馬は細菌感染に弱い動物であることが知られており、疝痛の開腹術においては、術創感染や腹膜炎を抑えるため、術前および術中の抗生物質投与が重要な要素を占めています。ここでは、馬の開腹術での抗生物質投与に関して、米国の内科および外科の専門医資格を持った113名の獣医師に対して、聞き取り調査を行なった知見を紹介します。参考文献:Rockow M, Griffenhagen G, Landolt G, Hendrickson D, Pezzanite L. Current ...

  • 疝痛の獣医療での地域差:ノルウェー

    話題 - 2023/06/24

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、北欧のノルウェーにおける、馬の疝痛の獣...

  • 疝痛で獣医を呼ぶときの判断基準

    話題 - 2023/06/17

    馬の消化器疾患(疝痛)は、ホースマンが獣医師に緊急連絡する理由の第一位となっています。そして、疝痛の原因疾患の中には、早期治療が重要なものも多いことから、ホースマンが、馬が疝痛を起こしているかを見分け、その疝痛がどれほど深刻であるかを正しく判断することが重要となってきます。ここでは、ホースマンが疝痛馬に遭遇したときに、どのような状況で獣医師に連絡するかの判断基準を調査した知見を紹介します。この研究...

  • 高齢馬での便秘疝の予防対策

    馬の飼養管理 - 2023/06/14

    馬の疝痛のなかでも、最も多い原因疾患は便秘疝だと言われており、通常これは、大結腸の食滞を指しています。ここでは、三十歳近い高齢馬に起こった便秘疝に関して、その再発予防のための対策を述べた知見を紹介します。参考資料:Clair Thunes, PhD. Preventing Impaction Colic Recurrence: Our equine nutritionist offers feeding advice to minimize the risk of impaction colic in senior horses. The Horse, Article, Coli...

  • ホースマンが疝痛を判断する指標

    話題 - 2023/06/10

    馬の消化器疾患(疝痛)は、ホースマンが獣医師に緊急連絡する理由の第一位となっています。そして、疝痛の原因疾患の中には、早期治療が重要なものも多いことから、ホースマンが、馬が疝痛を起こしているかを見分け、その疝痛がどれほど深刻であるかを正しく判断することが重要となってきます。ここでは、ホースマンが疝痛症状を判断するときの傾向を調査した知見を紹介します。この研究では、英国のノッティンガム大学のもので、...

  • 馬の疝痛での電話トリアージ

    話題 - 2023/06/05

    馬の疝痛は、消化器疾患による腹痛症状を指しており、現代でも、馬の死亡率の第一位を占めています。そして、腸捻転や腸変位など、生死に関わる重篤な病態では、緊急の開腹術を要することが一般的です。このため、疝痛馬への対応を判断するときには、正確な診断名を確定することよりも、その疝痛が早急な手術を要するのか、それとも、保存療法を選択してジックリ経過を見て構わないのか、という見分けが重要になってきます。一般的...

  • 熱融着を用いた馬の空腸盲腸吻合術

    話題 - 2023/05/29

    一般的に、馬の空腸を盲腸に吻合する治療法は、空腸・回腸・盲腸などが絞扼壊死または機能不全を呈したときに、健常な部位同士を吻合して、空腸または盲腸の異常個所を迂回させる目的で実施されます。この際には、用手縫合または腸管ステープルを用いて、側々で吻合することで、十分に広い開口部を形成する術式が選択されることが多いと言えます(空腸と盲腸では内径が大きく違うため)。ここでは、この空腸盲腸吻合術において、高...

  • 馬の胃潰瘍に対する筋注薬の作用

    話題 - 2023/04/16

    馬は、胃潰瘍を起こし易い動物であることが知られており、その治療や予防のために、胃酸を抑える作用を持つオメプラゾール(プロトンポンプ抑制剤)の投与が行なわれています。通常、オメプラゾールは、毎日の経口投与を要することになりますが、近年の研究では、徐放性に遊離するオメプラゾール製剤が開発され、これを週に一回だけ筋肉内投与することで、経口薬と同等な効能が得られることが分かってきています[1,2]。ここでは、...

  • 疝痛馬を曳き馬するときの注意点

    馬の飼養管理 - 2023/03/27

    一般的に、疝痛とは、消化器の病気によって、馬が腹痛を呈している様子を指します(厳密には症病名ではなく症状名)。もともと、馬という動物は、胃腸の病気に弱いという特徴があり、死因の第一位は疝痛だと言われています。幸いにも、疝痛の約六割は、獣医師の治療を要することなく、ホースマンが正しく対処すれば治癒することが知られており、その際には、曳き馬での常歩運動、マズル装着による絶食などが行なわれます。ホースマ...

  • 馬の食道粘膜反転術

    診療 - 2023/02/21

    一般的に、食道(Esophagus)という組織に対する手術では、重篤な雑菌混入(Severe bacterial contamination)が起きやすく、複数の筋層の機能回復を要するという特徴から、外科的手技の難易度が高いことが知られています。以下は、食道粘膜反転術(Esophageal mucosal inversion)についての概要解説です。馬における食道粘膜反転術は、圧出性食道憩室(Pulsion esophageal diverticula)の外科的整復のために実施されます。頚部...

  • 馬の食道切除術

    診療 - 2023/02/20

    一般的に、食道(Esophagus)という組織に対する手術では、重篤な雑菌混入(Severe bacterial contamination)が起きやすく、複数の筋層の機能回復を要するという特徴から、外科的手技の難易度が高いことが知られています。以下は、食道切除および吻合術(Esophageal resection and anastomosis)についての概要解説です。馬における食道の部分切除術(Partial resection)および吻合術は、難治性の食道狭窄(Refractory esophagea...

  • 馬の食道筋切開術

    診療 - 2023/02/19

    一般的に、食道(Esophagus)という組織に対する手術では、重篤な雑菌混入(Severe bacterial contamination)が起きやすく、複数の筋層の機能回復を要するという特徴から、外科的手技の難易度が高いことが知られています。以下は、食道筋切開術(Esophagomyotomy)についての概要解説です。馬における食道筋切開術は、食道狭窄(Esophageal stricture)における内腔拡張のために実施されます。しかし、食道閉塞に続発する狭窄症は...

  • 馬の食道切開術

    診療 - 2023/02/18

    一般的に、食道(Esophagus)という組織に対する手術では、重篤な雑菌混入(Severe bacterial contamination)が起きやすく、複数の筋層の機能回復を要するという特徴から、外科的手技の難易度が高いことが知られています。以下は、食道切開術(Esophagotomy)についての概要解説です。馬における食道切開術は、難治性の食道閉塞(Refractory esophageal obstruction)の遊離、嚥下した異物の除去(Foreign body removal)、管腔内...

  • 疝痛の獣医療での地域差:ケニア

    話題 - 2023/02/11

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、アフリカのケニアにおける、馬の疝痛の獣...

  • 疝痛の獣医療での地域差:デンマーク

    話題 - 2023/02/10

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、北欧のデンマークにおける、馬の疝痛の獣...

  • 疝痛の獣医療での地域差:イスラエル

    話題 - 2023/02/09

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、中東のイスラエルにおける、馬の疝痛の獣...

  • 疝痛の獣医療での地域差:カナダ

    話題 - 2023/02/08

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、カナダの大西洋側地域における、馬の疝痛...

  • 馬の外科的疝痛におけるPCV値と心拍数

    話題 - 2023/02/07

    馬の疝痛においては、その多くが内科的治療によって回復しますが、開腹術などの外科的治療を要するような重度の症例では、手術適応を早期判断したり、手術が選択肢で無いときには、アグレッシブな保存療法を初期段階で開始することが重要となります。このため、外科的疝痛の診断指標を確立させることが、馬の疝痛を診察する際に有益であると言えます。ここでは、疝痛馬のPCV値と心拍数によって、内科的および外科的疝痛の鑑別と、...

  • 疝痛の開腹術での予後判定指標:スペイン

    話題 - 2023/02/06

    馬の重度疝痛に対する開腹術では、予後不良となるケースも少なくなく、費用も高額になり易いことから、予後を的確に推測する指標が有用となります。ここでは、疝痛馬の開腹術における予後判定の指標を調査した知見を紹介します。この研究では、2006〜2011年にかけて、スペインの二箇所の獣医大学病院において、疝痛の外科治療のために実施された566頭の開腹術における医療記録の回顧的解析、および、オッズ比(OR)の算出による予後...

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Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
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性別: 男性
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住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
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