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タグ:疾病予防 のエントリー一覧

  • 馬の胃潰瘍サプリは毎日あげても大丈夫?

    馬の飼養管理 - 2022/10/01

    馬は胃潰瘍を起こし易い動物であることが知られており、その要因としては、一日中コンスタントに胃酸が分泌されること、および、胃袋の上半分を占める扁平上皮部がpH変化に弱い構造であること、などが挙げられています。また、レースや長距離輸送など、ストレスの多い馬ほど、胃潰瘍を発症しやすいことも知られています。一般的に、自然な環境で生活している馬では、一日の3/4以上の時間を、青草を食むことに費やすため、唾液や粗...

  • 馬の鞍傷への対処法

    馬の飼養管理 - 2022/09/26

    鞍(Saddle)は、ヒトが馬に騎乗するときに使用する馬具の一つで、腹帯で馬の背中に固定されることで、騎乗者の体を馬上で安定して支持する場所を提供することに加えて、馬の背中を保護する機能を担っています。もともと馬の骨格は、物を運ぶための進化をしていないため、馬の背中の形状は、ヒトの下半身の形状とは大きく異なります。このため、鞍は人馬の接点をもたらし、騎座での扶助を介したコミュニケーション経路となり、さら...

  • 馬の拍車キズの対処法

    馬の飼養管理 - 2022/09/20

    ホースマンの皆様から、拍車キズ(Spur marks)への対処法について質問を頂くことがあります。ここでは、馬の拍車キズの病因や予防法などに関する知見を紹介します。英国のハートプリー大学の研究[1]では、馬の拍車キズと騎乗者の拍車タイプについて、ホースマンへの聞き取り調査が行なわれました。その結果、拍車の長さが32mm以上の場合、拍車キズを起こす危険性が有意に高かったことが示唆されており、また、拍車の先端構造が回...

  • 馬のメラノーマは予防接種で防げるのか?

    話題 - 2022/09/19

    馬のメラノーマ(別名:黒色腫)は、最も多く見られる皮膚の腫瘍の一つで、15歳以上の芦毛馬における有望率は八割にのぼると言われています。幸いにも、悪性の病態を示すものは少ないものの、肛門やノドの周りにできると、排便障害や呼吸困難を呈することもあります。ここでは、馬のメラノーマの予防接種に関する現状を紹介します。参考資料:Nancy S Loving. Equine Melanoma Vaccines. The Horse, Topics: jan19, 2018.New Treat...

  • 運動と飼料の管理で馬のコズミ予防を

    馬の飼養管理 - 2022/09/15

    ホースマンの中には、コズミをよく起こす馬の管理に苦労されている方もいらっしゃるようです。コズミとは、競走や競技のあとの数時間で、筋炎による痛みなどで強直性の歩様を示している症状を指すことが一般的です。馬のコズミは、単なる筋肉痛によるものが殆どですが、重度や頻発する場合には、強度運動によって骨格筋が融解する病気を起こしているケースもあり、これを労作性の横紋筋融解症と呼んでいます。ここでは、この横紋筋...

  • 手術手袋は二重に着けよう

    話題 - 2022/09/14

    近年のヒトの医療では、外科医が手術手袋を二重に装着することはスタンダードとなっており、その理由は、手術手袋の穿孔が意外に頻繁に起こっているエビデンスが示されてきたからです。馬の手術では、ヒトの手術と異なって、患者の血液に触れることでエイズやB型肝炎などが伝搬するリスクは無いものの、一方で、馬はヒトよりも感染に弱いため、外科医の手指に存在する細菌を術創に移してしまわないように(いくら手指をスクラブし...

  • オス馬のシースの洗浄

    馬の飼養管理 - 2022/09/12

    オス馬のシースの解剖学ホースマンにとって、洗体やブラシ掛けなどの手入れは、楽しい仕事だと思いますが、シース(陰茎鞘)の洗浄となると、少し躊躇してしまうのかもしれません。しかし、オス馬のシースを定期的に洗浄することは、陰部の痛みや不快感を抑えるだけでなく、下部尿路の感染予防にもつながる非常に重要な作業になります。オス馬のシースは、馬の外陰部の構造物を指し、外鞘、包皮、陰茎の3つから成っています。通常...

  • 秋の疝痛を防ぐ7つの対策

    馬の飼養管理 - 2022/09/11

    馬における秋の疝痛馬の疝痛のなかでも、便秘疝などの一部の病気は、晩夏から初冬にかけて増加する傾向にあることが知られています。それには、数多くの因子が関与しており、①気温低下に伴って馬の飲水欲が下がること、②馬の食欲が増して早食いをしやすくなること、③牧場等では給餌内容が生草から乾草に変わっていく時期であること、などが含まれます。ここでは、これらの諸要因を踏まえて、秋季に馬が疝痛を発症するのを未然に防...

  • 競走馬は故障前に歩幅が狭くなる?

    話題 - 2022/09/08

    一般的に、競走馬の故障(運動器疾患)は、突発的に発生するのではなく、骨や腱、関節などへの微細損傷が蓄積することによって発症に至ることが知られています。つまり、強度運動による組織損傷の度合いが、組織修復の度合いを上回ってしまうと、故障を起こし易い肢の状態になると考えられています。このため、そのような微細損傷が蓄積している状態を未然に検知して、故障の前兆として認識することが出来れば、レース前の運動強度...

  • 馬の喉詰まりを予防する10個の対策

    馬の飼養管理 - 2022/09/06

    ホースマンの中には、頻繁に喉詰まりを起こす馬に苦労されている方もいらっしゃるのかもしれません。喉詰まりとは、食道梗塞のことを指し、食道に飼料が詰まって通過障害を起こす病気です。また、喉詰まりが悪化すると、誤嚥性肺炎を続発して命に関わることもあるので、シッカリとした予防対策を取ることが大切です。喉詰まりは高齢馬に好発することが知られており、15歳以上の馬では、食道梗塞を起こすリスクが3.1倍も高いことが...

  • りんご味のハミで疝痛治療?

    話題 - 2022/09/04

    りんご味のハミを着けることで、疝痛の治療に役立つという知見が報告されています。馬の疝痛のなかでも、特に小腸疾患で開腹術を行なった後には、術後腸閉塞(POI: Postoperative ileus)という合併症を起こすことが知られています。過去の知見では、馬のPOIの致死率は八割以上に上ることが報告されています[1]。POIの発症馬には、蠕動促進剤や抗炎症剤が投与されますが、難治性の経過を取り、蹄葉炎を続発して予後不良となる症例...

  • 馬の舌縛りと気道内径の関連性

    話題 - 2022/09/02

    馬の舌縛りについて競走馬や競技馬で行なわれることのある「舌縛り(Tongue tie)」は、包帯や帯革などで舌を下顎に固定する措置のことで、ハミを越して舌を出す癖のある馬に用いられる事があります。また、舌縛りによって、舌骨を介して舌根と繋がっている喉頭軟骨を前方に牽引することが出来るため、運動中に喉頭軟骨の位置を安定化させて、軟口蓋背方変位を発症するのを予防したり、俗にいう“舌を飲み込んでしまう”という動作を...

  • つまずく馬は要注意

    馬の飼養管理 - 2022/09/01

    ホースマンの中には、自馬が頻繁につまづく事を心配されている方もいらっしゃるようです。つまずきは、トレーニングの妨げになったり、パフォーマンス低下になる以外にも、人馬転のリスクが増えることで、ヒトと馬の両方の健康と福祉に有害と言えます。ここでは、つまずく馬における発生要因や対策について紹介します。参考資料:Rachel Gottlieb, DVM. Why Does My Horse Stumble After Jumping? The Horse, Topics, Arthritis & ...

  • 馬の輸送前には電解質補給を

    馬の飼養管理 - 2022/09/01

    馬の発汗と電解質損失馬は発汗によって多量の電解質を損失することが知られており、輸送中に汗をたくさんかくことで、筋肉の活動に必要な電解質を使い切ってしまう危険もあります。幸いにも、輸送する時には、前もって電解質サプリメントを補給しておくことで、枯渇するリスクを減らせるという知見が示されています。カナダのオンタリオ大学の研究では、約8リットル(2ガロン)の低張性電解質液を馬に摂取させることで、筋細胞への...

  • 馬の腎脾間隙は閉鎖すべきか?

    話題 - 2022/08/29

    馬の腎脾間隙を外科的に閉鎖して、結腸が捕捉されるのを予防することについて、現時点での知見の総括です。馬の結腸左背方変位は、結腸が脾臓と左側腹壁のあいだを背側方向へ変位する病気のことを指し、左側結腸が脾臓と腎臓(左腎)の隙間において、腎脾間靭帯の上に引っ掛かってしまった状態を腎脾間捕捉と呼んでいます(下図A)。結腸左背方変位が発症するメカニズムは不明ですが、腹側結腸の蠕動不全とガス貯留から、脾臓と左...

  • 馬の網嚢孔は閉鎖すべきか?

    話題 - 2022/08/29

    馬の網嚢孔を外科的に閉鎖して、小腸絞扼を予防することについて、現時点での知見の総括です。そもそも、網嚢孔とは、腹腔の天井部分(背側)にスリット状に空いた隙間のことを指しており、右背側腹腔から網嚢への連絡孔となっています。網嚢孔の背側境界は、肝臓尾状突起(Caudate process of liver)や尾側大静脈(Caudal vena cava)から成り、腹側境界は、肝十二指腸靭帯(Hepatoduodenal ligament)・門脈(Portal vein)・膵...

  • 放牧は腱や靭帯を強くする?

    馬の飼養管理 - 2022/08/25

    馬の腱靭帯疾患について馬の下肢における腱靭帯疾患は、跛行の原因として重要であり、休養理由の13~18%、引退原因の33%を占めるという調査結果もあります。しかし、馬を放牧させる時間を増やすというシンプルな飼養管理の工夫によって、このような腱靭帯の病気を減らせるという研究結果が示されています。参考資料:Alexandra Beckstett, The Horse Managing Editor. Turnout Time Can Reduce Horses’ Risk of Soft Tissue Injury...

  • 乾草を先に与えて疝痛予防

    馬の飼養管理 - 2022/08/22

    ホースマンの中には、自馬が頻繁に疝痛を起こすことにお悩みの方もいらっしゃるようです。馬の疝痛とは、消化器疾患によって疼痛反応を示している状態を指す用語で(症状名であり診断名ではない)、現在でも、馬の死亡原因の第一位は疝痛だとも言われます。軽度疝痛を繰り返す馬においては、胃潰瘍や寄生虫感染など、潜在的要因を持つケースもありますが、消化管の蠕動機能の低下が起きていて(加齢、疲労、季節性、子馬のときの寄...

  • ハンター競走馬の鼻出血の危険因子

    話題 - 2022/08/20

    馬の鼻出血について競走馬の鼻出血は、その多くが肺からの出血で起こり、運動中に血圧が上がることと、呼吸増加で肺胞の内圧が下がることが相まって出血に至ることから、運動誘発性肺出血(EIPH: Exercise-induced pulmonary hemorrhage)という病名で呼ばれます。競走馬におけるEIPHの発症率は、51~75%と様々です[1-4]。馬がEIPHを起こすと、肺組織の線維化および換気機能低下を続発するのみならず、長期間の出走停止となるため...

  • 馬の鎮痛剤は毎日飲ませても安全?

    馬の飼養管理 - 2022/08/19

    ホースマンのなかには、馬に鎮痛剤を毎日飲ませ続けても大丈夫なのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるようです。一般的に、馬の健康問題の八割は運動器疾患であり、そのうち、関節炎が占める割合が最も多いと言われています(飛節内腫、ナビキュラー病、リングボーン、膝関節炎、球節炎など)。このため、15歳以上の乗馬の競技馬において、慢性的な関節痛による跛行やプアパフォーマンスを呈する個体も多く、そのような関節...

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プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: 40代
住所: 茨城県
職業: 獣医師・獣医学博士
叩けよ、さらば開かれん!

取り上げて欲しいトピックがあれば下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

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