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タグ:疾病予防 のエントリー一覧

  • βグルカンによる馬の内毒素血症の予防

    話題 - 2024/04/17

    現代でも、馬の死因の第一は疝痛であることが知られており、馬という動物が、消化器疾患において予後不良となる要因の一つとして、エンドトキシン(内毒素)への感受性が高く、内毒素血症(Endotoxemia)に起因して、重篤な全身性炎症反応症候群(SIRS:いわゆる敗血症)を続発しやすいことが挙げられます。このため、馬の重度疝痛を治療する際には、内毒素による全身病態を予防することが重要になってきます。一方、細菌や真菌の...

  • 馬の飼養管理方針と眼科病との関連性

    話題 - 2024/04/10

    馬の眼科病のなかには、角膜潰瘍や角膜実質膿瘍(Corneal ulceration and abscess)など、疼痛が強く、難治性の疾患も多いことから、未然に予防措置を講じることが重要となってきます。ここでは、馬の飼養管理方針と眼科病との関連性を調査した知見を紹介します。下記の研究では、米国のカリフォルニア州北部にて、馬飼養管理者に対する聞き取り調査が行なわれ、446頭の馬における飼養管理法と、発症していた眼科病のデータが解析...

  • 馬の条虫における駆虫剤抵抗性の前兆

    話題 - 2024/03/30

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています。ここでは、馬の条虫(主にAnoplocephala perfoliata)において、駆虫剤への抵抗性が起こり始めているという知見を紹介します。参考文献:Nielsen MK. Apparent trea...

  • 駆虫剤への抵抗性に関する馬の飼養管理者の認識

    話題 - 2024/03/23

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています。ここでは、豪州のサラブレッドの飼養管理者に対して、馬の寄生虫疾患や駆虫法、および、駆虫剤への抵抗性などに関して、聞き取り調査および回答の解析を行なった知...

  • 若齢な競走馬での鼻出血の病態と影響

    話題 - 2024/03/19

    競走馬の鼻出血は、その多くが肺からの出血で起こり、運動中に血圧が上がることと、呼吸増加で肺胞の内圧が下がることが相まって出血に至ることから、運動誘発性肺出血(EIPH: Exercise-induced pulmonary hemorrhage)という病名で呼ばれます。馬がEIPHを起こすと、肺組織の線維化および換気機能低下を続発するのみならず、長期間の出走停止となるため、医学的にも経済的にもダメージの大きい疾患であると言えます。ここでは、若...

  • スウェーデンでの馬の選択的駆虫法

    話題 - 2024/03/16

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています[1]。ここでは、先進的な馬の駆虫方針が実践されているスウェーデンにおいて、馬の円虫に対する駆虫剤の抵抗性を調査した知見を紹介します。参考文献:Alm YH, Osterm...

  • 馬の円虫における複数ラクトン系駆虫剤への抵抗性

    話題 - 2024/03/09

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています[1]。ここでは、英国での調査において、複数のラクトン系駆虫剤に抵抗性を示す馬の円虫が確認された、という知見を紹介します。参考文献:Bull KE, Allen KJ, Hodgkin...

  • 馬の寄生虫での駆虫剤抵抗性の発生状況

    話題 - 2024/03/03

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています[1]。ここでは、馬の寄生虫(特に円虫や回虫)における駆虫剤への抵抗性に関して、世界的な発生状況を解説した知見を紹介します。参考文献:Nielsen MK. Anthelmintic...

  • デキサメサゾンを打った馬での予防接種の効能

    馬の飼養管理 - 2024/02/18

    一般的に、馬に対するデキサメサゾン(コルチコステロイド)の投与は、抗炎症作用および免疫抑制作用を要する疾患に適応されており、これには、息労(回帰性気道閉塞)、アレルギー性皮膚炎、炎症性腸疾患、リンパ肉腫等が含まれます。一方、ヒト医療では、米国のCDCより、インフルエンザや新型コロナの予防接種の前後には、免疫抑制剤の投与に留意することが提唱されています[1]。馬においても、デキサメサゾンの単回投与により、...

  • 子馬のロドコッカス肺炎に対する遺伝子ワクチン

    話題 - 2024/01/13

    子馬に発症するロドコッカス肺炎(Rhodococcal pneumonia)は、ロドコッカス菌(Rhodococcus equi)によって起こる深刻な呼吸器感染症であり、土壌病として特定牧場で多発することが多く、将来的な馬の競走/競技能力の低下にも繋がることから[1,2]、その予防対策が重要な疾患であると言えます。そのためには、初乳の適切な摂取によって移行免疫を獲得させることが第一ですが、ロドコッカス菌の免疫原になりうるリポ蛋白質(VapA)...

  • オゾン化自己血液療法による馬の抗酸化作用

    話題 - 2024/01/06

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。一方で、近年のヒト医療の論文では、オゾン化自己血液療法(O...

  • ヒトの糖尿病薬による馬のクッシング病の治療

    話題 - 2023/12/13

    一般的に、馬のクッシング病(正式名:下垂体中葉機能不全[PPID])に対する内科的療法としては、過剰分泌されたACTHの作用を緩和させる薬剤と、高インスリン血症(Hyperinsulinemia)を制御する薬剤の二種類が適応されます。このうち、前者にはペルゴリド(ドパミン作動薬)やシプロヘプタジン(セロトニン拮抗薬)が含まれ、後者にはメトフォルミン(糖尿病薬)やピオグリタゾン(血糖降下薬)が含まれますが、後者に関しては、馬...

  • イーロス(EOTRH)の有病率と病因論

    話題 - 2023/12/09

    近年、馬の獣医学で提唱されている歯科疾患として、ウマ破歯細胞性歯再吸収及びセメント質肥大症(EOTRH: Equine odontoclastic tooth resorption and hypercementosis)という病気があります。臨床的に認識されてから、まだ二十年程度の疾患であるため、未解明な要素もありますが、ここでは、EOTRHの有病率と既往歴から病因の解明を試みた知見を紹介します。下記の研究では、ドイツで飼養されている154頭のアイスランド種の馬(15...

  • 馬の昆虫刺咬性過敏症:インターロイキン5ワクチン

    話題 - 2023/11/04

    馬の病気のなかでも、皮膚病は、目に付きやすい事もあり、ホースマンからの相談が多いものの一つです。このうち、馬のアレルギー性皮膚炎は、体躯や四肢に発疹や脱毛、掻痒感による自傷を起こして、ホースマンを悩ませる病気ですが、その原因として多いのが、吸血昆虫などの唾液成分がアレルゲンとなって発症する、昆虫刺咬性過敏症(IBH: Insect bite hypersensitivity)であると言われています。ここでは、インターロイキン5活性...

  • 馬の昆虫刺咬性過敏症:抗原免疫療法

    話題 - 2023/10/28

    馬の病気のなかでも、皮膚病は、目に付きやすい事もあり、ホースマンからの相談が多いものの一つです。このうち、馬のアレルギー性皮膚炎は、体躯や四肢に発疹や脱毛、掻痒感による自傷を起こして、ホースマンを悩ませる病気ですが、その原因として多いのが、吸血昆虫などの唾液成分がアレルゲンとなって発症する、昆虫刺咬性過敏症(IBH: Insect bite hypersensitivity)であると言われています。ここでは、サシバエ抗原を用いた...

  • 馬の昆虫刺咬性過敏症:精油スプレー療法

    話題 - 2023/10/21

    馬の病気のなかでも、皮膚病は、目に付きやすい事もあり、ホースマンからの相談が多いものの一つです。このうち、馬のアレルギー性皮膚炎は、体躯や四肢に発疹や脱毛、掻痒感による自傷を起こして、ホースマンを悩ませる病気ですが、その原因として多いのが、吸血昆虫などの唾液成分がアレルゲンとなって発症する、昆虫刺咬性過敏症(IBH: Insect bite hypersensitivity)であると言われています。ここでは、精油スプレー(Essenti...

  • 馬の“ヘルペス禍”では濡れオガで感染拡大する?

    話題 - 2023/10/16

    ご存じのように、ヒト社会が“コロナ禍”に見舞われてから三年以上が経ち、ワクチンの普及に伴って、ようやく事態の沈静化に向かいつつあります。一方、欧州のウマ社会における“ヘルペス禍”は、二年半が経った現在も、未だにエピデミック(地域的大流行)が完全には終息していません。通常、馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)は、肺炎・流産・神経症状などを起こし、日本では馬鼻肺炎の病原体として繁殖地でのワクチン接種が実施され...

  • 馬の蹄を固くする4つのコツ

    馬の飼養管理 - 2023/10/04

    ホースマンの中には、愛馬が頻繁に裂蹄してしまい、跛行することを繰り返してしまうので、蹄を固くする方法が無いか?という疑問を持たれている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、馬の蹄を固くする4つのコツを解説した知見を紹介します。参考資料:Katie Navarra. 4 Horse Hoof Hardening Tips. The Horse, Topics, Hoof Care, Hoof Cracks, Hoof Problems, Horse Care, Lameness: April 29th, 2020. コツ1:飼養環境を...

  • 馬での鼻道壁補強テープによる体温調節

    話題 - 2023/09/09

    一般的に、競走馬に発症する上部気道の閉塞性疾患では、咽喉頭の陰圧が上昇するため、鼻孔が小さかったり鼻道の天井部分の軟部組織が虚弱な個体では、鼻道壁の虚脱を起こしてしまい、通気を妨げるというリスクがあります。このため、近年では、鼻孔の上部の背側部にテープを貼り付けて、鼻道壁を補強することで、通気機能を維持する方法が試みられることもあります。ただ、その効能には、相反する多様なデータがあり、不確定な要素...

  • 馬の腺胃部での胃潰瘍と飼料の関係性

    話題 - 2023/08/09

    一般的に、馬は胃潰瘍を起こしやすい動物であり、その潰瘍病変は、扁平上皮に覆われた無腺胃の箇所(噴門側)に好発することが知られています。一方、近年では、幽門側の腺胃部に起こる胃潰瘍も、半数近い競走馬や乗馬競技馬に発症することが判明しており、プアパフォーマンスや疝痛症状に関連することが分かってきています。ここでは、競走馬の腺胃部での胃潰瘍と、飼料の関連性を調査した知見を紹介します。この研究では、フラン...

  • 立ち腫れする馬への対策

    馬の飼養管理 - 2023/07/26

    ホースマンの中には、肢が腫れることを心配している方も多いのかもしれません。下肢の受動的な液体貯留は(所謂、立ち腫れ)、舎飼いの馬では比較的頻繁に見られますが、幸いにも、健康上の深刻な問題にならない場合も多いと言えます。ここでは、馬の立ち腫れについて総括した知見を紹介します。参考資料:Anna O’Brien, DVM. What to Know About Stocking Up. Horse Illustrated, Article, Horse Care, Horse Health: April 1st, ...

  • ブランマッシュの利点と欠点

    馬の飼養管理 - 2023/07/19

    ホースマンの中には、温かいブランマッシュを準備して、愛馬に与えるのを楽しみにしている方もいらっしゃるかもしれません。また、競技会に参加して疲れていたり、体調を崩した馬に対しても、お粥状に調理したブランマッシュが給餌されることもあります。ここでは、ブランマッシュを馬に給餌することの利点と欠点を解説した知見を紹介します。参考資料:Clair Thunes, PhD. Risks Associated With Feeding Horses Traditional Bran...

  • 馬の胃潰瘍にはアルファルファ給餌

    馬の飼養管理 - 2023/07/05

    胃潰瘍の罹患馬に対しては、アルファルファを給餌することにメリットがあると言われています。米国のテキサス農工大学の研究によれば、バミューダ乾草が給餌された馬に比べて、アルファルファ乾草が給餌された馬では、胃潰瘍の重篤度スコアが有意に低かったことが分かりました。参考資料:Clair Thunes, PhD. Alfalfa for Ulcer Prevention in Horses: When fed correctly, alfalfa might help prevent gastric ulcer development....

  • 高齢馬での便秘疝の予防対策

    馬の飼養管理 - 2023/06/14

    馬の疝痛のなかでも、最も多い原因疾患は便秘疝だと言われており、通常これは、大結腸の食滞を指しています。ここでは、三十歳近い高齢馬に起こった便秘疝に関して、その再発予防のための対策を述べた知見を紹介します。参考資料:Clair Thunes, PhD. Preventing Impaction Colic Recurrence: Our equine nutritionist offers feeding advice to minimize the risk of impaction colic in senior horses. The Horse, Article, Coli...

  • 健康な肢でも運動後に水冷すべきか?

    馬の飼養管理 - 2023/06/02

    乗用馬の騎乗後には、冷水を掛けたり、氷冷ブーツの装着などで肢を冷やす措置がよく行なわれています。しかし、怪我や故障をした肢を、治療する目的で冷やす以外にも、問題の起きていない健康な肢でも冷やすべきか?というのは自然な疑問だと言えます。ここでは、運動後の水冷が、怪我や故障の予防になるのかを解説した知見を紹介します。参考資料:Matt Leshaw, DVM. Can Cold Therapy Safeguard Sport Horses From Injury? Shoul...

  • ニュージーランドの競走馬での突然死の危険因子

    話題 - 2023/05/31

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、ニュージーランドのサラブレッド競走馬における、平...

  • 馬着の金具には注意しよう

    馬の飼養管理 - 2023/04/30

    馬着は、気温の変動や害虫、物理的な侵襲などから、愛馬の体を守ってくれますが、それが正しく機能するよう、常に注意を払うことも大切です。ここでは、馬着を小まめにチェックすることの重要性を解説した知見を紹介します。参考資料:Stephanie L. Church, Editorial Director. Be Sure To Check (and Fix) This Common Horse Blanket Issue. Commentary, Farm and Barn, Horse Care, Seasonal Care, Tack, Equipment & Products,...

  • 調馬索による馬の関節への影響

    馬の飼養管理 - 2023/04/24

    馬の調馬索運動(ロンジング)は、様々な馬術競技のトレーナーや馬主によって行なわれる一般的な運動方法であり、若齢馬を鞍付けする際に使用されたり、競技馬の調教を進めるために使われたりする事があります。しかし、近年の研究では、調馬索でもたらされる効果を考慮することが重要であるという警鐘が鳴らされており、調馬索の実施者は、馬が回転運動するときの生物力学を理解し、関節組織の健康と、馬の競技キャリアを長期的に...

  • 高齢馬の春の安全管理6選

    馬の飼養管理 - 2023/04/10

    春の兆しが跳んでいる(Spring has sprung)という季節ですが、高齢馬が健康で幸せな一年を送るためには、春はとても大事なシーズンだと言えます。ここでは、そのような高齢馬における春季の安全管理(Spring Safeguards)に関して、重要な事項6選を解説した記事を紹介します。参考資料:University of Kentucky College of Agriculture, Food, and Environment. Six Simple Spring Safeguards for Senior Horses: Ensure your se...

  • 光学屈折計を用いた母馬の初乳の品質検査

    話題 - 2023/04/01

    一般的に、生まれたての新生子馬は、病原体への抵抗力が低いため、出産直後に母馬が分泌する初乳に含まれている移行免疫抗体を摂取することで、感染への防御能を獲得することが知られています。しかし、母馬の体調や予防接種の状態によっては、初乳に含有される免疫グロブリンG(IgG)の量が不足していて、子馬の感染症を引き起こす素因になってしまいます。このため、初乳中のIgG濃度を測定して、移行免疫抗体の指標とすることで...

  • 馬に着用させる機器で運動中の不整脈を検知

    話題 - 2023/03/25

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。近年の研究では、致死的な不整脈の発現が、運動中または運動直...

  • 北米の競走馬に起こった突然死での危険因子

    話題 - 2023/03/18

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、北米の競走馬に起こった突然死における危険因子を解...

  • 競走馬の致死的心不全での危険因子

    話題 - 2023/03/11

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、サラブレッド競走馬の突然死の中でも、突発的な心不...

  • 英国の競走馬での突然死の危険因子

    話題 - 2023/03/05

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、サラブレッド競走馬における突然死の危険因子を調査...

  • 冬でも馬に飲水させる7つの対策

    馬の飼養管理 - 2023/02/22

    冬場に、馬が十分に飲水してくれるか否かは、ホースマンにとっては、大きな心配事の一つなのかもしれません。ここでは、冬でも馬に自発的に飲水させる方策を解説した記事を紹介します。参考資料:Janice L. Holland, PhD. How to Keep Your Horse Hydrated During the Winter. The Horse, Topics, Horse Care, Nutrition: Dec24, 2022.馬が冬の寒さを乗り切るためには、暖かい馬着を着せたり、風雨を避ける小屋を放牧地に整備する...

  • 馬の虚血再灌流障害でのポストコンディショニング

    話題 - 2023/01/20

    馬の小腸の絞扼性疾患(空腸捻転や有茎性脂肪腫、網嚢孔捕捉など)では、絞扼を整復して虚血していた箇所に血流を回復させると、その再灌流が原因で組織損傷が起こってしまうという現象が知られており、また、その際に流出する炎症性物質によって、他の部位の腸管が通過障害(術後イレウス)を続発したり、全身の多臓器が損傷を受けるという危険性が指摘されています。ここでは、そのような虚血再灌流障害(Ischemia-reperfusion i...

  • 高齢馬の健康管理と好発疾患

    話題 - 2022/12/21

    近年、馬の寿命が延びて、高齢馬の飼養頭数が増えるに連れて、高齢期における病気の治療や健康管理が重要になってきています。ここでは、高齢馬での健康管理の現状を調査した知見を紹介します。この研究では、英国の20箇所の馬病院の登録馬から無作為に抽出された高齢馬(15歳以上)の馬主や管理者に対して、手紙にて自馬の健康管理や病気に関する聞き取り調査が実施されました。参考文献:Ireland JL, Clegg PD, McGowan CM, McKa...

  • 馬の胃潰瘍サプリは毎日あげても大丈夫?

    馬の飼養管理 - 2022/10/01

    馬は胃潰瘍を起こし易い動物であることが知られており、その要因としては、一日中コンスタントに胃酸が分泌されること、および、胃袋の上半分を占める扁平上皮部がpH変化に弱い構造であること、などが挙げられています。また、レースや長距離輸送など、ストレスの多い馬ほど、胃潰瘍を発症しやすいことも知られています。一般的に、自然な環境で生活している馬では、一日の3/4以上の時間を、青草を食むことに費やすため、唾液や粗...

  • 馬の鞍傷への対処法

    馬の飼養管理 - 2022/09/26

    鞍(Saddle)は、ヒトが馬に騎乗するときに使用する馬具の一つで、腹帯で馬の背中に固定されることで、騎乗者の体を馬上で安定して支持する場所を提供することに加えて、馬の背中を保護する機能を担っています。もともと馬の骨格は、物を運ぶための進化をしていないため、馬の背中の形状は、ヒトの下半身の形状とは大きく異なります。このため、鞍は人馬の接点をもたらし、騎座での扶助を介したコミュニケーション経路となり、さら...

  • 馬の拍車キズの対処法

    馬の飼養管理 - 2022/09/20

    ホースマンの皆様から、拍車キズ(Spur marks)への対処法について質問を頂くことがあります。ここでは、馬の拍車キズの病因や予防法などに関する知見を紹介します。英国のハートプリー大学の研究[1]では、馬の拍車キズと騎乗者の拍車タイプについて、ホースマンへの聞き取り調査が行なわれました。その結果、拍車の長さが32mm以上の場合、拍車キズを起こす危険性が有意に高かったことが示唆されており、また、拍車の先端構造が回...

  • 馬のメラノーマは予防接種で防げるのか?

    話題 - 2022/09/19

    馬のメラノーマ(別名:黒色腫)は、最も多く見られる皮膚の腫瘍の一つで、15歳以上の芦毛馬における有望率は八割にのぼると言われています。幸いにも、悪性の病態を示すものは少ないものの、肛門やノドの周りにできると、排便障害や呼吸困難を呈することもあります。ここでは、馬のメラノーマの予防接種に関する現状を紹介します。参考資料:Nancy S Loving. Equine Melanoma Vaccines. The Horse, Topics: jan19, 2018.New Treat...

  • 運動と飼料の管理で馬のコズミ予防を

    馬の飼養管理 - 2022/09/15

    ホースマンの中には、コズミをよく起こす馬の管理に苦労されている方もいらっしゃるようです。コズミとは、競走や競技のあとの数時間で、筋炎による痛みなどで強直性の歩様を示している症状を指すことが一般的です。馬のコズミは、単なる筋肉痛によるものが殆どですが、重度や頻発する場合には、強度運動によって骨格筋が融解する病気を起こしているケースもあり、これを労作性の横紋筋融解症と呼んでいます。ここでは、この横紋筋...

  • 手術手袋は二重に着けよう

    話題 - 2022/09/14

    近年のヒトの医療では、外科医が手術手袋を二重に装着することはスタンダードとなっており、その理由は、手術手袋の穿孔が意外に頻繁に起こっているエビデンスが示されてきたからです。馬の手術では、ヒトの手術と異なって、患者の血液に触れることでエイズやB型肝炎などが伝搬するリスクは無いものの、一方で、馬はヒトよりも感染に弱いため、外科医の手指に存在する細菌を術創に移してしまわないように(いくら手指をスクラブし...

  • オス馬のシースの洗浄

    馬の飼養管理 - 2022/09/12

    オス馬のシースの解剖学ホースマンにとって、洗体やブラシ掛けなどの手入れは、楽しい仕事だと思いますが、シース(陰茎鞘)の洗浄となると、少し躊躇してしまうのかもしれません。しかし、オス馬のシースを定期的に洗浄することは、陰部の痛みや不快感を抑えるだけでなく、下部尿路の感染予防にもつながる非常に重要な作業になります。オス馬のシースは、馬の外陰部の構造物を指し、外鞘、包皮、陰茎の3つから成っています。通常...

  • 秋の疝痛を防ぐ7つの対策

    馬の飼養管理 - 2022/09/11

    馬における秋の疝痛馬の疝痛のなかでも、便秘疝などの一部の病気は、晩夏から初冬にかけて増加する傾向にあることが知られています。それには、数多くの因子が関与しており、①気温低下に伴って馬の飲水欲が下がること、②馬の食欲が増して早食いをしやすくなること、③牧場等では給餌内容が生草から乾草に変わっていく時期であること、などが含まれます。ここでは、これらの諸要因を踏まえて、秋季に馬が疝痛を発症するのを未然に防...

  • 競走馬は故障前に歩幅が狭くなる?

    話題 - 2022/09/08

    一般的に、競走馬の故障(運動器疾患)は、突発的に発生するのではなく、骨や腱、関節などへの微細損傷が蓄積することによって発症に至ることが知られています。つまり、強度運動による組織損傷の度合いが、組織修復の度合いを上回ってしまうと、故障を起こし易い肢の状態になると考えられています。このため、そのような微細損傷が蓄積している状態を未然に検知して、故障の前兆として認識することが出来れば、レース前の運動強度...

  • 馬の喉詰まりを予防する10個の対策

    馬の飼養管理 - 2022/09/06

    ホースマンの中には、頻繁に喉詰まりを起こす馬に苦労されている方もいらっしゃるのかもしれません。喉詰まりとは、食道梗塞のことを指し、食道に飼料が詰まって通過障害を起こす病気です。また、喉詰まりが悪化すると、誤嚥性肺炎を続発して命に関わることもあるので、シッカリとした予防対策を取ることが大切です。喉詰まりは高齢馬に好発することが知られており、15歳以上の馬では、食道梗塞を起こすリスクが3.1倍も高いことが...

  • りんご味のハミで疝痛治療?

    話題 - 2022/09/04

    りんご味のハミを着けることで、疝痛の治療に役立つという知見が報告されています。馬の疝痛のなかでも、特に小腸疾患で開腹術を行なった後には、術後腸閉塞(POI: Postoperative ileus)という合併症を起こすことが知られています。過去の知見では、馬のPOIの致死率は八割以上に上ることが報告されています[1]。POIの発症馬には、蠕動促進剤や抗炎症剤が投与されますが、難治性の経過を取り、蹄葉炎を続発して予後不良となる症例...

  • 馬の舌縛りと気道内径の関連性

    話題 - 2022/09/02

    馬の舌縛りについて競走馬や競技馬で行なわれることのある「舌縛り(Tongue tie)」は、包帯や帯革などで舌を下顎に固定する措置のことで、ハミを越して舌を出す癖のある馬に用いられる事があります。また、舌縛りによって、舌骨を介して舌根と繋がっている喉頭軟骨を前方に牽引することが出来るため、運動中に喉頭軟骨の位置を安定化させて、軟口蓋背方変位を発症するのを予防したり、俗にいう“舌を飲み込んでしまう”という動作を...

  • つまずく馬は要注意

    馬の飼養管理 - 2022/09/01

    ホースマンの中には、自馬が頻繁につまづく事を心配されている方もいらっしゃるようです。つまずきは、トレーニングの妨げになったり、パフォーマンス低下になる以外にも、人馬転のリスクが増えることで、ヒトと馬の両方の健康と福祉に有害と言えます。ここでは、つまずく馬における発生要因や対策について紹介します。参考資料:Rachel Gottlieb, DVM. Why Does My Horse Stumble After Jumping? The Horse, Topics, Arthritis & ...

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プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: アラフィフ
住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
叩けよ、さらば開かれん!

質問、御意見、記事の要望等は下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

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