タグ:馬具 のエントリー一覧
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馬着に関する10個の疑問
馬の飼養管理 - 2023/03/06馬に馬着(ブランケット)を着せるときには、どんなタイプの馬着を、いつ着せるべきか?を悩む時がありますが、ここでは、馬着に関するよくある疑問について解説した記事を紹介します。参考資料:Alexandra Beckstett, The Horse Managing Editor. Horse Blanketing FAQs. The Horse, Topics, Warmup & Cool Down, Winter Care: Oct7, 2022.注意:下記の記述は、北米で放牧飼いされている乗用の温血種の成馬に関する馬着管理の指針で...
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馬の肢巻きの圧はどれくらい持続する?
馬の飼養管理 - 2022/10/05馬の四肢に巻かれるバンテージについて、皮膚に対する圧迫力がどれくらい持続するのかを検証した研究を紹介します。参考文献:[1] Canada NC, Beard WL, Guyan ME, White BJ. Measurement of distal limb sub-bandage pressure over 96 hours in horses. Equine Vet J. 2017 May;49(3):329-333.[2] Canada NC, Beard WL, Guyan ME, White BJ. Effect of bandaging techniques on sub-bandage pressures in the equine distal limb,...
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馬の鞍傷への対処法
馬の飼養管理 - 2022/09/26鞍(Saddle)は、ヒトが馬に騎乗するときに使用する馬具の一つで、腹帯で馬の背中に固定されることで、騎乗者の体を馬上で安定して支持する場所を提供することに加えて、馬の背中を保護する機能を担っています。もともと馬の骨格は、物を運ぶための進化をしていないため、馬の背中の形状は、ヒトの下半身の形状とは大きく異なります。このため、鞍は人馬の接点をもたらし、騎座での扶助を介したコミュニケーション経路となり、さら...
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馬の拍車キズの対処法
馬の飼養管理 - 2022/09/20ホースマンの皆様から、拍車キズ(Spur marks)への対処法について質問を頂くことがあります。ここでは、馬の拍車キズの病因や予防法などに関する知見を紹介します。英国のハートプリー大学の研究[1]では、馬の拍車キズと騎乗者の拍車タイプについて、ホースマンへの聞き取り調査が行なわれました。その結果、拍車の長さが32mm以上の場合、拍車キズを起こす危険性が有意に高かったことが示唆されており、また、拍車の先端構造が回...
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馬の寝起きを制限する飼養法
馬の飼養管理 - 2022/09/19馬の寝起きを制限することのメリット馬は他の家畜と異なり、起立装置という解剖学的な特異性があるため、長期間に渡って駐立したまま生活できるという動物学的な特徴があります。このため、馬が馬房内で寝起きするのを制限して、駐立させたまま繋留する管理方法が実施可能となり、幾つかのメリットがあります。馬の年齢や体力にもよりますが、通常、一ヶ月程度であれば、馬は寝起きせずに生活することが出来ます。馬の寝起き制限が...
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馬装で不機嫌になる馬
馬の飼養管理 - 2022/09/18馬が馬装されるときに不機嫌になるのは、一般的なことだと思われているかもしれません。しかし、英国の跛行研究者であるスー・ダイソン博士によると、馬の疼痛を上手に管理してあげることで、そのような行動が改善されることも多いと言います。参考資料:Betsy Lynch. Grumpy Horse While Tacking and Mounting? That’s Not Normal. The Horse, Topics, Behavior, Pain Managemen: Jan 29, 2022.Millares-Ramirez EM, Le Jeune SS....
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馬の寝違えの対処法
馬の飼養管理 - 2022/09/13ホースマンの皆様は、寝違えた馬を助け起こした経験が少なからずあると思いますが、ひとつやり方を間違えると、ヒトも馬も深刻なケガをする危険があります。ここでは、馬の寝違えに対する正しい対処法についてまとめてみます。参考資料:Morgan KD. What is Stall Casting? Sports N’ Hobbies: Aug30, 2022.Summer W. Why Horses Cast and Ways to Help. ILoveHorses: Oct16, 2020.Steffanus D. Cast Horses: What To Do. Paulick ...
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りんご味のハミで疝痛治療?
話題 - 2022/09/04りんご味のハミを着けることで、疝痛の治療に役立つという知見が報告されています。馬の疝痛のなかでも、特に小腸疾患で開腹術を行なった後には、術後腸閉塞(POI: Postoperative ileus)という合併症を起こすことが知られています。過去の知見では、馬のPOIの致死率は八割以上に上ることが報告されています[1]。POIの発症馬には、蠕動促進剤や抗炎症剤が投与されますが、難治性の経過を取り、蹄葉炎を続発して予後不良となる症例...
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馬の舌縛りと気道内径の関連性
話題 - 2022/09/02馬の舌縛りについて競走馬や競技馬で行なわれることのある「舌縛り(Tongue tie)」は、包帯や帯革などで舌を下顎に固定する措置のことで、ハミを越して舌を出す癖のある馬に用いられる事があります。また、舌縛りによって、舌骨を介して舌根と繋がっている喉頭軟骨を前方に牽引することが出来るため、運動中に喉頭軟骨の位置を安定化させて、軟口蓋背方変位を発症するのを予防したり、俗にいう“舌を飲み込んでしまう”という動作を...
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ハミが馬の口内に与える影響
馬の飼養管理 - 2022/08/18ハミによる口内病態の調査ハミ(銜)は頭絡の一部として、馬の口内の歯槽間縁(切歯と臼歯の隙間)に設置されており、手綱を介してライダーの細かい扶助を馬に伝える役目を担っています。ヒトが馬に乗ることにおいて、ハミは鐙(アブミ)と並んで、歴史上も重要な発明の一つであると言えます。しかし、ハミは、敏感な口腔粘膜に作用させているため、ムチや拍車以上に、注意して使う必要のある馬具なのかもしれません。近年では、ハ...
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馬の落鉄を減らす5つの対策
馬の飼養管理 - 2022/08/03ホースマンのなかには、自馬が頻繁に落鉄して苦労されている方もいらっしゃるかもしれません。馬の蹄鉄が外れてしまうと、単に不便なだけではなく、落鉄した馬の蹄にダメージを与えてしまうこと、および、落ちた蹄鉄を他の馬が踏んでしまって怪我をすることもあり得ます。このため、落鉄を繰り返す馬に対しては、原因を予測して、可能な予防対策を講じることが大切です。馬の蹄鉄が外れてしまう原因は、①前肢蹄の鉄尾を後肢蹄が踏...
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片足だけワンコを着けてみよう
馬の飼養管理 - 2022/07/29ワンコを馬の片足だけに着けると、意外な効能があるようです。馬の歩様が、左右非対称であることは多いですが、動きの悪いほうに後肢にワンコを取り付けることで、馬にその肢の存在を意識させることになり、踏み込みを向上させられることがあります。そうすると、その肢を動かす筋力が強化され、歩様の対称性を改善させる効果が得られると言われています。また、怪我や故障によって片方の後肢の動きが悪くなった場合には、その肢に...
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馬の肢の冷やし方
馬の飼養管理 - 2022/07/26馬の肢はどうやって冷やすのが一番良いのか?という質問は、多くのホースマンが持たれているようです。馬の運動器疾患には、多種類の組織の損傷が含まれますが(筋肉、骨、関節、腱、靭帯、蹄など)、急性期には冷却療法、慢性期には温熱療法を行なうことが基本となります。このうち冷却療法は、特に損傷発生後の24~72時間では重要であり、罹患部を冷やして血流を減らすことで、痛みや腫れを抑えると同時に、炎症メディエイターの...
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鼻ネジは諸刃の剣
馬の飼養管理 - 2022/07/21馬に対する鼻ネジの使い方や注意点についてシッカリ理解しておきましょう。鼻ネジ(鼻捻棒とも言う)とは、馬の物理的保定に用いられる器具で、通常は、木製の棒の先端に金属チェーン又はロープがループ状に取り付けられており、このループを馬の上唇に巻き付けて締めるように使用します。鼻ネジは、痛みや不快感を伴う獣医療行為を実施するときによく使用され、また、毛刈りや交配などの場面で、馬を安全に制御するために用いられ...
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鞍ズレと跛行の関係
馬の飼養管理 - 2015/08/09馬の鞍ズレ(Saddle slip)と後肢跛行(Hind-limb lameness)の関係が調査されています。英国馬獣医協会の学術集会(British Equine Veterinary Association Congress)における研究報告では、様々な歩様状態にある128頭の馬に、それぞれ二人以上の騎手が乗って、その際の跛行グレードと鞍ズレの度合いが評価されました。その結果、「一貫した鞍ズレ」(Consistent saddle slip)の症状を呈した馬の割合は、後肢跛行の馬では54%に...
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馬に鞭を使うと本当に速く走るのか?
未分類 - 2015/08/08競走馬における鞭の使用とレース成績の関係が調査されています。David Evans, Paul McGreevy. An investigation of racing performance and whip use by jockeys in thoroughbred races. PLoS ONE. 2011;6(1): e15622:1-5.この研究では、GPS(Global positioning system)を用いて、オーストラリアにおける幾つかのサラブレッド平地レースの解析が行われ、レース終盤の三区間(ゴール前の200メートル、200~400メートル、400~600...
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ヘルメットをかぶろう
未分類 - 2015/08/08馬に乗るときにかぶるヘルメットの重要性が、世界的にも再認識されています。2011年の六月十一日は、「国際的にヘルメットの大切さを認識する日」(International Helmet Awareness Day)に定められ、世界中で様々な会議やシンポジウムが開催されました。そして米国でも、Riders4Helmetsというグループが主催する「ヘルメットの安全性に関するシンポジウム」が、七月末にケンタッキーで催されることになっています。もちろんこれま...
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馬場馬術でのロルクアー問題
馬の飼養管理 - 2015/08/08馬場馬術の世界で論議が起こっているロルクアー問題について。“ロルクアー”(Rollkur)とは、馬場馬術(Dressage riding)において頚部の過剰屈曲(Neck hyperflexion)によって、比較的に強度の収縮運動を実施するトレーニング法を指します。この調教テクニックに関しては、数年前から馬への負担が大きく動物虐待に相当するのではないか?という論議(Controversy)がありました。そして、昨年十月にヨーロッパで開催されたある競...