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カテゴリ:話題のエントリー一覧

  • 有棘縫合糸による馬の直腸裂傷の縫合

    話題 - 2024/02/21

    一般的に、馬の直腸裂傷(Rectal tear)は、直腸検査や繁殖関連事故(交配や難産)によって発症し、憩室や蜂窩織炎(直腸の尾側部)、もしくは、感染性腹膜炎を続発することから(直腸の頭側部)、極めて深刻な疾患であることが知られています。直腸裂傷の病態は、粘膜/粘膜下層のみの裂傷(グレード1)、筋層のみの裂傷(グレード2)、奨膜層のみ無傷の裂傷(グレード3)、腸壁全層の裂傷(グレード4)に類別されますが、特に...

  • 馬の息労におけるデジタル聴診装置

    話題 - 2024/02/20

    高齢馬においては、ヒトの喘息に類似した呼吸器病が起こることがあり、これを、回帰性気道閉塞(いわゆる息労:Recurrent airway obstruction)と呼んでいます。一般的に、馬の息労を検査する際には、胸部の聴診による異常肺音(笛声音、捻髪音、ラッセル音、粗造呼吸音)の聴取が行なわれます。しかし、ヒトの耳による聴診で診断を下すには限界があり、その要因として、異常肺音が常に出ている訳ではないこと、異常肺音の種類分け...

  • 馬の背部痛に対する高強度レーザー治療

    話題 - 2024/02/17

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断が難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています。ここでは、レーザー治療による馬の背部痛への効能について、基礎的なデータを示した知見を紹介します。下記の研究では、高強度レーザー療法(High Intensity Laser Therapy: HILT)による馬の背部痛への治療効果を検証するため、背部痛の臨床症状を呈...

  • 子馬のロドコッカス肺炎での高度免疫血漿の効能

    話題 - 2024/02/14

    子馬に発症するロドコッカス肺炎(Rhodococcal pneumonia)は、ロドコッカス菌(Rhodococcus equi)によって起こる深刻な呼吸器感染症であり、土壌病として特定牧場で多発することが多く、将来的な馬の競走/競技能力の低下にも繋がることから、その予防対策が重要な疾患であると言えます。そのためには、初乳の適切な摂取によって移行免疫を獲得させることが第一ですが、ロドコッカス菌の免疫原になりうるリポ蛋白質(VapA)に対す...

  • 馬の開腹術での長期的予後と馬主満足度

    話題 - 2024/02/13

    馬の疝痛治療での開腹術は、侵襲性や合併症の危険も大きく、施術を判断する際には、術後にパフォーマンスを維持できるか否かも、重要な判断要因であると言えます。そこで、下記の研究では、疝痛馬の開腹術後における長期的な予後、および、馬主の満足度を評価するため、米国のワシントン州立大学の獣医病院にて、2014〜2021年にかけて、消化器疾患の治療のために開腹術が実施された馬における、退院後の一年間以上にわたる経過追跡...

  • 馬の背部痛での診断法と治療法の現状

    話題 - 2024/02/10

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断が難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています(棘突起衝突等の一部の疾患を除き)。ここでは、馬の背部痛における診断法や治療法の現状を調査した知見を紹介します。下記の研究は、2022年に米国で実施された調査研究であり、全米馬獣医師協会、および、全米獣医スポーツ医学リハビリ協会の会員(97...

  • 馬の股関節炎

    話題 - 2024/02/07

    馬の股関節炎(股関節の変性関節疾患:Coxofemoral joint osteoarthritis)は、稀に見られる後肢跛行の原因疾患です。ここでは、ドイツのハノーバー大学の獣医病院において、2002~2023年にかけて、股関節炎を呈した24頭の馬に関する症例集積研究を紹介します。参考文献:Sauer FJ, Hellige M, Beineke A, Geburek F. Osteoarthritis of the coxofemoral joint in 24 horses: Evaluation of radiography, ultrasonography, intra-a...

  • 馬の滑膜侵襲における通常X線検査の有用性

    話題 - 2024/02/06

    一般的に、馬が四肢に外傷を負ったときに、滑膜組織(関節、腱鞘、滑液嚢など)に侵襲が及んでしまうと、難治性の細菌性滑膜炎を続発して、予後不良になる危険性が高いことが知られています。このため、特に関節や腱鞘に近い箇所に切り傷を負った馬においては、その外傷が滑膜侵襲を伴っているか否かを、初診の段階で確定診断しておくのが極めて重要となります。たとえ、見た目が小さなキズでも、それが深部に及んで、関節腔や腱鞘...

  • 疝痛の獣医療での地域差:インドネシア

    話題 - 2024/02/04

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、東南アジアのインドネシアにおける、馬の...

  • 健常馬での腰椎病変の発生状況

    話題 - 2024/02/03

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断を実施するのが難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています(棘突起衝突等の一部の疾患を除き)。ここでは、馬の腰椎における、骨組織病変の多様性を調査した知見を紹介します。下記の研究では、イタリアのペルージャ大学の獣医病院にて、40頭の健常馬の屠体を用いて(腰臀部に異常の無かった馬)、...

  • 野外走行の総合馬における不整脈

    話題 - 2024/01/31

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、総合馬術での野外走行(Cross-country phase of eve...

  • 馬の長期的なキャスト装着における合併症

    話題 - 2024/01/30

    馬のキャスト固定は、外固定法の一つで、骨折の保存療法のほか、肢軸異常の矯正や重度皮膚欠損を治療する目的で、比較的頻繁に実施されますが、合併症も一定確率で起こり得ることが知られています。ここでは、長期的なキャスト装着によって、馬の運動器に生じる生理学的影響について評価した知見を紹介します。下記の論文は、米国のコロラド州立大学の馬整形外科研究センターでの研究で、八頭の健常馬を用いて、八週間にわたるキャ...

  • 馬の下痢症による致死率と蹄葉炎の発症率

    話題 - 2024/01/28

    一般的に、馬の下痢症は、入院治療の主要な要因の一つであり、深刻な脱水や敗血症(SIRS)を起こして斃死したり、蹄葉炎を続発して予後不良を呈する症例も多いと言えます。ただ、実際の診療の場面になると、馬の下痢症の原因となる病原体は、五割以上の症例で特定されないことも報告されています。ここでは、馬の下痢症の病原体による致死率、および、蹄葉炎の発症率を比較した知見を紹介します。下記の研究では、六カ国(米国、英...

  • 馬の輸送におけるホースマンの怪我

    話題 - 2024/01/27

    馬という動物にとって、馬運車での輸送はストレスの多い行為であるため、怯えたり興奮することで、人馬の事故や怪我に繋がる可能性もあります。ここでは、馬の輸送におけるホースマンの怪我について調査した知見を紹介します。下記の研究では、ニュージーランドのマッセ―大学の獣医病院において、一頭以上の馬を所有するホースマン(1,067人)に対して聞き取り調査が行なわれ、馬の輸送に関連したヒトの怪我の発生状況の調査、およ...

  • 若齢馬の後膝の骨軟骨症と将来の競走能力

    話題 - 2024/01/24

    若齢馬の病気を診療するときには、成馬になったときのパフォーマンスへの影響も考慮する必要があります。一般的に、馬での後膝の骨軟骨症(Stifle osteochondrosis)では、内顆のボーンシスト、および、外側/内側滑車の離断性骨軟骨炎(OCD)の病態を取りますが、この二つでは、治療法や予後に差異があります。ここでは、若齢馬の大腿膝蓋関節のOCDにおける病態把握と、将来の競走能力への影響を評価した知見を紹介します。下記の...

  • 馬の経鼻チューブ処置のための教育用模型

    話題 - 2024/01/23

    一般的に、馬は、嘔吐が殆ど出来ない動物であるため、経鼻チューブで胃へとアクセスすることは、馬の消化器疾患の診察において非常に重要になります。しかし、馬の飼養頭数の多い欧米諸国の獣医大学ですら、卒業前の獣医学生が、実馬を使って経鼻チューブ処置の練習をするのは難しいと言われています。何故なら、経鼻チューブを挿入する作業では、鼻腔・食道・胃の粘膜に負担を掛けるだけでなく、稀にではありますが、手技のミスか...

  • 馬の腹水検査における好中球細胞外トラップ

    話題 - 2024/01/20

    腹水検査は、疝痛などの馬の腸管疾患での診断法の一つとして実施されており、罹患臓器のすぐ傍にある体液の性状を評価できる点で、多様な腹腔内病態の有無や重篤度を診断する一助になると言われています。ここでは、腹水検査および滑液検査において、好中球細胞外トラップ(Neutrophil extracellular trap: NET)を視認することで、細菌性の炎症病態を診断する手法を検証した知見を紹介します。下記の研究では、豪州のチャールズ・...

  • 馬のヘルペス脳炎に対するヤヌスキナーゼ阻害薬

    話題 - 2024/01/17

    一般的に、馬ヘルペスウイルス(Equine herpesvirus: EHV)は、馬鼻肺炎の原因ウイルスで、呼吸器症状や流産を起こします。また、一型ウイルス(EHV-1)では、馬ヘルペス脳炎(Equine herpesvirus myeloencephalopathy)と呼ばれる、致死率の高い神経症状を呈することがあり、近年では、この疾患が欧州諸国でエピデミックを起こしたことで、馬の獣医療における重要性が高まってきました。通常、ヘルペスウイルスが中枢神経に感染・...

  • 馬の角膜潰瘍に対する大腿筋膜移植術

    話題 - 2024/01/16

    競走馬に好発する潰瘍性角膜炎(Ulcerative keratitis)は、眼疾患全体の約半数を占めており、重篤になった場合には視力障害の原因となり、長期的な休養と治療が必要になってきます。また、日本国内の競馬では、失明馬の出走が制限されているため、経済的な側面から見ても、角膜潰瘍を適切に治療して視力を維持することが重要であると言えます[1]。一般的に、点眼療法に不応性を示した潰瘍性角膜炎に対しては、潰瘍が深刻な深さに...

  • 子馬のロドコッカス肺炎に対する遺伝子ワクチン

    話題 - 2024/01/13

    子馬に発症するロドコッカス肺炎(Rhodococcal pneumonia)は、ロドコッカス菌(Rhodococcus equi)によって起こる深刻な呼吸器感染症であり、土壌病として特定牧場で多発することが多く、将来的な馬の競走/競技能力の低下にも繋がることから[1,2]、その予防対策が重要な疾患であると言えます。そのためには、初乳の適切な摂取によって移行免疫を獲得させることが第一ですが、ロドコッカス菌の免疫原になりうるリポ蛋白質(VapA)...

  • 馬の角膜潰瘍に対する多血小板血漿療法

    話題 - 2024/01/09

    競走馬に好発する潰瘍性角膜炎(Ulcerative keratitis)は、眼疾患全体の約半数を占めており、重篤になった場合には視力障害の原因となり、長期的な休養と治療が必要になってきます。また、日本国内の競馬では、失明馬の出走が制限されているため、経済的な側面から見ても、角膜潰瘍を適切に治療して視力を維持することが重要であると言えます[1]。一方、近年のヒト医療では、広義の再生医療の一つとして、症例馬自身の血液から血...

  • オゾン化自己血液療法による馬の抗酸化作用

    話題 - 2024/01/06

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。一方で、近年のヒト医療の論文では、オゾン化自己血液療法(O...

  • 馬の切腱術における最小侵襲性手法

    話題 - 2024/01/03

    馬の蹄葉炎の外科的治療では、深屈腱の切断術(切腱術)が行なわれますが、一般的には、全身麻酔を避けて、立位でのフィールド手術として実施されます。このため、下記の研究では、フィールド手術としての侵襲性を抑えるために、エコー誘導を介した最小侵襲性の術式が検証されています。参考文献:Lalanne C, Bonilla AG. Minimally invasive ultrasound-assisted cutting thread tenotomy of the deep digital flexor tendon in h...

  • 馬の角膜潰瘍に対する自家血漿療法

    話題 - 2024/01/02

    競走馬に好発する潰瘍性角膜炎(Ulcerative keratitis)は、眼疾患全体の約半数を占めており、重篤になった場合には視力障害の原因となり、長期的な休養と治療が必要になってきます。また、日本国内の競馬では、失明馬の出走が制限されているため、経済的な側面から見ても、角膜潰瘍を適切に治療して視力を維持することが重要であると言えます[1]。一般的に、潰瘍性角膜炎の進行には、コラゲナーゼによって角膜実質が溶解すること...

  • セレン投与による馬の抗酸化作用

    話題 - 2023/12/30

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。このうち、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)等の抗酸化酵...

  • 疝痛馬の開腹術後に起こる大腸炎の危険因子

    話題 - 2023/12/27

    一般的に、馬という動物は、開腹術での予後が悪くなりやすいことが知られており、その要因となる術後合併症としては、術創感染、イレウス、内毒素血症、静脈炎、腹膜炎、下痢症、および、大腸炎が挙げられています。また、馬が二次病院で術後入院しているときに起こる大腸炎(Post-operative colitis)は、その発症率が9〜13%に達して[1]、生存率の低下と治療費の高騰に繋がることが知られています。ここでは、疝痛馬の開腹術のあ...

  • 乗用馬の腱鞘炎に対する腱鞘鏡手術

    話題 - 2023/12/26

    一般的に、非感染性の腱鞘炎(Non-septic tenosynovitis)は、腱鞘と呼ばれる、腱組織を包んでいる袋状の滑膜組織に、細菌感染を伴わない炎症を生じる病態を指し、馬の球節〜繋ぎの後面にある指屈筋腱鞘(Digital flexor tendon sheath)に好発することが知られています。この疾患では、腱鞘壁そのものの損傷のほか、深屈腱炎、屈腱袖の裂傷、輪状靭帯炎、および、浅屈腱炎を伴うことが多く、このうち、前者2つにおいては、乗用馬...

  • 高濃度ビタミンC療法による馬の抗酸化作用

    話題 - 2023/12/23

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。このうち、ビタミンC(アスコルビン酸)は、ROSスカベンジャ...

  • 馬の浅屈腱炎における弾性率測定

    話題 - 2023/12/19

    一般的に、競走馬に好発する浅屈腱炎(Superficial digital flexor tendinitis)は、腱組織の微細損傷が蓄積することで、重篤な腱線維の断裂に至ることで発症すると考えられています。しかし、馬の腱疾患の診断に汎用される超音波検査では、どうしても屈腱炎の病態が過小評価されるため、初期の病変を早期発見するには感度が十分ではないケースがあることが知られています。このため、今回は、音響放射力インパルスによる弾性率測...

  • 馬の子宮内膜炎に対するオゾン療法

    話題 - 2023/12/16

    一般的に、オゾンガスは、3つの酸素原子からなる同素体で、腐食性の高い有毒な気体ですが、その酸化作用によって、細胞膜の糖蛋白や糖脂質を標的とすることで、食品の殺菌目的に使用されています[1]。また、獣医療の領域では、牛の乳房炎における殺菌処置として応用されているほか[2]、オゾンが細菌のバイオフィルムを撹乱することから[3]、馬の子宮内膜炎での治療効果があるという報告もあります[4]。そこで、下記の研究では、ド...

  • ヒトの糖尿病薬による馬のクッシング病の治療

    話題 - 2023/12/13

    一般的に、馬のクッシング病(正式名:下垂体中葉機能不全[PPID])に対する内科的療法としては、過剰分泌されたACTHの作用を緩和させる薬剤と、高インスリン血症(Hyperinsulinemia)を制御する薬剤の二種類が適応されます。このうち、前者にはペルゴリド(ドパミン作動薬)やシプロヘプタジン(セロトニン拮抗薬)が含まれ、後者にはメトフォルミン(糖尿病薬)やピオグリタゾン(血糖降下薬)が含まれますが、後者に関しては、馬...

  • 競走馬の浅屈腱炎におけるエコー検査での予後判定

    話題 - 2023/12/11

    競走馬に発症する浅屈腱炎(Superficial digital flexor tendinitis)は、治癒に長期間の休養を要すること、および、騎乗復帰後の再発率が高いことから、経済的損失の大きい疾患であると言えます。このため、浅屈腱炎が発症した時点で、レース復帰できるか否かを正確に予測することで、治療か転用かの判断を下すことが重要になってきます。そこで、下記の研究では、2003〜2014年にかけて、前肢の浅屈腱炎を発症した香港の競走馬469...

  • イーロス(EOTRH)の有病率と病因論

    話題 - 2023/12/09

    近年、馬の獣医学で提唱されている歯科疾患として、ウマ破歯細胞性歯再吸収及びセメント質肥大症(EOTRH: Equine odontoclastic tooth resorption and hypercementosis)という病気があります。臨床的に認識されてから、まだ二十年程度の疾患であるため、未解明な要素もありますが、ここでは、EOTRHの有病率と既往歴から病因の解明を試みた知見を紹介します。下記の研究では、ドイツで飼養されている154頭のアイスランド種の馬(15...

  • 馬の舟状骨の嚢胞に対するドリル掻爬術

    話題 - 2023/12/06

    馬の舟状骨症候群(Navicular syndrome:ナビキュラー病)は、乗用馬の前肢に好発し、慢性進行性の蹄踵疼痛を起こす疾患です。この症候群は、舟状骨そのものに退行性変化を起こす場合だけでなく、舟状骨の周囲にある軟部組織(舟嚢、深屈腱、舟状骨繋靭帯、不対靭帯)の炎症や変性を起こす場合が含まれます。ここでは、舟状骨症候群のなかでも、舟状骨に嚢胞様病変を生じた際の治療法として、ドリル穿孔による嚢胞組織の掻爬術を応...

  • 馬の虚血再灌流障害でのデクスメデトミジン点滴

    話題 - 2023/12/04

    馬の小腸の絞扼性疾患(空腸捻転や有茎性脂肪腫、網嚢孔捕捉など)では、絞扼を整復して虚血していた箇所に血流を回復させると、その再灌流が原因で組織損傷が起こってしまうという現象が知られており、また、その際に流出する炎症性物質によって、他の部位の腸管が通過障害(術後イレウス)を続発したり、全身の多臓器が損傷を受けるという危険性が指摘されています。ここでは、そのような虚血再灌流障害(Ischemia-reperfusion i...

  • イーロス(EOTRH)のX線診断

    話題 - 2023/12/02

    近年、馬の獣医学で提唱されている歯科疾患として、ウマ破歯細胞性歯再吸収及びセメント質肥大症(EOTRH: Equine odontoclastic tooth resorption and hypercementosis)という病気があります。臨床的に認識されてから、まだ二十年程度の疾患であるため、未解明な要素もありますが、ここでは、EOTRHのX線診断に関する知見を紹介します。なお、EOTRHという病名の略号は、英語圏では「イーロス[“E-roth”]」と発音されているようです...

  • 腸間膜憩室ヒモによる馬の疝痛

    話題 - 2023/11/29

    一般的に、腸間膜憩室ヒモ(Mesodiverticular band)は卵黄奇形に分類され、胎生期に腸管と卵黄包を繋いでいる組織が遺残することで発生します。卵黄奇形を分類すると、胎生期腸管の一部が袋状に残ったものをメッケル憩室と呼び、胎生期腸管膜のみが残ってしまうと腸間膜憩室ヒモになります。馬では、このヒモが腸管と干渉して、小腸の捻転・絞扼・捕捉・圧迫などを生じて、疝痛の原因になることが知られています。馬における腸間...

  • 乗用馬の球節炎におけるPET検査

    話題 - 2023/11/27

    近年、ヒトや小動物の医療では、PET検査(陽電子放射断層撮影)による諸疾患の早期診断が行なわれています。PET検査は、放射能を含む薬剤を投与して、その薬剤が取り込まれた箇所を、CTやMRIなどで描出する検査手法です。当初は、癌細胞がブドウ糖を多く取り込む性質を利用して、18F-フルオロデオキシグルコース(放射能を出すブドウ糖)を投与することで、悪性腫瘍を早期診断するのに用いられてきました。一方で、運動器のPET検査...

  • イーロス(EOTRH)の概要と治療方針

    話題 - 2023/11/25

    近年、馬の獣医学で提唱されている歯科疾患として、ウマ破歯細胞性歯再吸収およびセメント質肥大症(EOTRH: Equine odontoclastic tooth resorption and hypercementosis)という病気があります。臨床的に認識されてから、まだ二十年程度の疾患であるため、未解明な要素もありますが、馬の歯科疾患としては、最も痛みが強いものの一つだとも言われています。ここでは、EOTRHの概要や治療方針などを解説した総説的論文を紹介します...

  • 若齢馬の変位疝における手術後の競走成績

    話題 - 2023/11/20

    馬の疝痛治療での開腹術は、侵襲性や合併症の危険も大きく、施術を判断する際には、術後にパフォーマンスを維持できるか否かも、重要な判断要因であると言えます。ここでは、若齢馬の変位疝での開腹術と、その後のセリ価格や競走成績への影響を調査した知見を紹介します。この研究では、米国の二箇所の馬病院において、1998~2016年にかけて、大結腸変位(Large colon displacement)の治療のために開腹術が実施された110頭のサラ...

  • 立位で整復された骨折馬の競走成績

    話題 - 2023/11/18

    一般的に、競走馬に起こる骨折の中でも、基節骨の矢状骨折や、管骨の内顆/外顆の縦骨折では、不完全骨折(亀裂骨折)で骨片変位が無ければ、立位での骨折整復(螺子固定術)が可能であることが知られています。この場合、鎮静と局所麻酔での内固定と、キャスト装着による外固定が併用され、麻酔覚醒時の事故リスクが無いという利点があります。そこで、下記の研究では、骨折馬の立位手術での治療効果を検証するため、英国の馬病院...

  • 馬の腱靭帯疾患に対する乳化吸引療法

    話題 - 2023/11/15

    馬の屈腱炎や靭帯炎は、競走馬や乗用馬に頻発する運動器疾患で、治癒までに長期間の休養を要することに加えて、再発率が高いことから、経済的な損失の大きい疾患であると言えます。その要因としては、屈腱炎や靭帯炎においては、腱や靭帯の線維が微細断裂した箇所に、肉芽組織が浸潤して瘢痕形成を起こすことから、それが妨げとなって、腱/靭帯線維が再生するのに長期間を要したり、瘢痕組織が混在する腱/靭帯は、健常な腱/靭帯よ...

  • 馬の球節固定術ではテンションバンドは不要?

    話題 - 2023/11/13

    馬に対する球節固定術は、懸垂装置の破損によって球節の掌側支持機能が失われた場合や(繋靭帯や種子骨靭帯の断裂)、球節の重篤な関節疾患などによって疼痛管理が困難な場合(球節の変性関節疾患)に適応されます。このうち、前者では、球節の懸垂装置の機能を回復させる外科的措置(テンションバンドワイヤーの設置)が必要になるのに対して、後者では、その必要性が低いというのが、これまでの術式選択の指針とされてきました。...

  • 馬の昆虫刺咬性過敏症:オクラシチニブ投与

    話題 - 2023/11/11

    馬の病気のなかでも、皮膚病は、目に付きやすい事もあり、ホースマンからの相談が多いものの一つです。このうち、馬のアレルギー性皮膚炎は、体躯や四肢に発疹や脱毛、掻痒感による自傷を起こして、ホースマンを悩ませる病気ですが、その原因として多いのが、吸血昆虫などの唾液成分がアレルゲンとなって発症する、昆虫刺咬性過敏症(IBH: Insect bite hypersensitivity)であると言われています。近年では、犬のアレルギー性皮膚...

  • 他家の幹細胞による屈腱炎の治療(リニューテンド®)

    話題 - 2023/11/08

    近年の獣医学では、運動器疾患に対する再生医療の臨床応用が進んでおり、間葉系幹細胞の局所投与を介して、組織の再生過程を促進する療法が試みられています。ここでは、馬の浅屈腱炎(Superficial digital flexor tendinitis)および繋靭帯損傷(Suspensory ligament injury)に対して、他家の幹細胞の病巣内注射による治療を行なった知見を紹介します。下記の研究では、ベルギーの四箇所の馬病院にて、浅屈腱炎または繋靭帯炎の...

  • 他家の幹細胞による関節炎の治療(アーティセル®)

    話題 - 2023/11/06

    近年の獣医学では、運動器疾患に対する再生医療の臨床応用が進んでおり、間葉系幹細胞の局所投与を介して、組織の再生過程を促進する療法が試みられています。ここでは、乗用馬の後肢に好発する飛節内腫(Bone spavin)に対して、他家の幹細胞の関節内注射による治療を行なった知見を紹介します。下記の研究では、英国の一箇所の馬病院にて、飛節内腫の診断が下された167頭の症例馬を用いて、他家の間葉系幹細胞(Allogenic mesenc...

  • 馬の昆虫刺咬性過敏症:インターロイキン5ワクチン

    話題 - 2023/11/04

    馬の病気のなかでも、皮膚病は、目に付きやすい事もあり、ホースマンからの相談が多いものの一つです。このうち、馬のアレルギー性皮膚炎は、体躯や四肢に発疹や脱毛、掻痒感による自傷を起こして、ホースマンを悩ませる病気ですが、その原因として多いのが、吸血昆虫などの唾液成分がアレルゲンとなって発症する、昆虫刺咬性過敏症(IBH: Insect bite hypersensitivity)であると言われています。ここでは、インターロイキン5活性...

  • 乗用馬の肋骨骨折とプアパフォーマンスの関連性

    話題 - 2023/11/01

    乗馬の競技において、期待を裏切るプアパフォーマンス(突然の飛越反抗など)を示した時には、その理由がハッキリとは分からない事も多々あります。一般的に、馬のプアパフォーマンスの要因としては、運動器系、呼吸器系、心脈管系などの疾患が関与していると言われていますが、その他のマイナーな病気が要因となることも考えられます。ここでは、乗用馬のプアパフォーマンスにおいて、肋骨骨折(Rib fracture)の関与を検証した知...

  • 競走馬の心房細動とプアパフォーマンスの関連性

    話題 - 2023/10/30

    一般的に、馬のプアパフォーマンスでは、運動器系および呼吸器系に次いで、心脈管系の疾患が、三番目に多い原因であることが知られていますが、その発生による影響や、他病態との相互作用については不明な点が多いと言えます。ここでは、競走馬のプアパフォーマンスと心房細動(Atrial fibrillation)の関連性を調査した知見を紹介します。この研究では、香港と豪州での2009〜2021年の平地レースにおいて、プアパフォーマンスと競...

  • 馬の昆虫刺咬性過敏症:抗原免疫療法

    話題 - 2023/10/28

    馬の病気のなかでも、皮膚病は、目に付きやすい事もあり、ホースマンからの相談が多いものの一つです。このうち、馬のアレルギー性皮膚炎は、体躯や四肢に発疹や脱毛、掻痒感による自傷を起こして、ホースマンを悩ませる病気ですが、その原因として多いのが、吸血昆虫などの唾液成分がアレルゲンとなって発症する、昆虫刺咬性過敏症(IBH: Insect bite hypersensitivity)であると言われています。ここでは、サシバエ抗原を用いた...

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Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
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職業: 獣医師・獣医学博士
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