fc2ブログ

 ・馬に着用させる機器で運動中の不整脈を検知 ・北米の競走馬に起こった突然死での危険因子 ・競走馬の致死的心不全での危険因子 ・英国の競走馬での突然死の危険因子 ・突然死した競走馬の剖検に関する国際的調査 ・疝痛の獣医療での地域差:ケニア ・疝痛の獣医療での地域差:デンマーク ・疝痛の獣医療での地域差:イスラエル ・疝痛の獣医療での地域差:カナダ ・馬の外科的疝痛におけるPCV値と心拍数 ・疝痛の開腹術での予後判定指標:スペイン ・エコー誘導による馬の下歯槽神経ブロック ・馬の抜歯後に起こる菌血症 ・馬の臼歯の抜歯治療での長期合併症 ・馬の虚血再灌流障害でのポストコンディショニング ・馬の虚血再灌流でのリドカイン投与 ・馬の虚血再灌流障害における空腸の虚弱性 ・サク癖する馬は疝痛になり易い? ・馬はサク癖を見て真似をする? ・馬のサク癖では空気を飲んでいない? ・馬の腹水採取のためのエコー検査 ・腹水検査での馬の肝疾患の診断 ・腹水検査での産後牝馬の診断 ・調馬索での馬の診断麻酔の判定 ・調馬索と直線での馬の歩様対称性の変化 ・調馬索での馬の歩様検査の正確性 ・馬の喉頭片麻痺での外科的治療法の比較 ・馬の喉頭片麻痺に対する披裂角切除術 ・馬の声帯切除術による経喉頭抵抗の緩和 ・馬に関連した頭部骨折の傾向(ドイツ) ・児童における馬に関わる怪我(豪州) ・ホースマンの怪我の発生状況(米国) ・エンデュランス競技の直後に起こる疝痛 ・疝痛の手術後での平地レースへの復帰率 ・疝痛の手術後での乗馬競技への復帰率 ・馬のキャスト褥瘡のサーモグラフィ検査 ・馬のキャスト固定での蹄葉炎 ・馬のキャスト固定での合併症 ・馬の腰萎での剖検と発症素因 ・姿勢動揺による馬の腰萎の診断 ・歩様解析による馬の腰萎の診断 ・目隠しが馬の腰萎症状に及ぼす影響 ・馬の衝撃波治療での創傷治癒向上 ・馬の衝撃波治療とPRP治療の併用 ・馬の衝撃波治療での鎮痛作用 ・馬の滑膜感染の関節鏡での予後指標 ・蹄骨の裏側の骨片での関節鏡 ・馬の蹄関節での関節鏡の長期的予後 ・馬の脛骨の顆間隆起骨折での関節鏡 ・馬の後膝での関節鏡の長期的予後 ▼もっと見る

RSS

カテゴリ:話題のエントリー一覧

  • 馬に着用させる機器で運動中の不整脈を検知

    話題 - 2023/03/25

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。近年の研究では、致死的な不整脈の発現が、運動中または運動直...

  • 北米の競走馬に起こった突然死での危険因子

    話題 - 2023/03/18

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、北米の競走馬に起こった突然死における危険因子を解...

  • 競走馬の致死的心不全での危険因子

    話題 - 2023/03/11

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、サラブレッド競走馬の突然死の中でも、突発的な心不...

  • 英国の競走馬での突然死の危険因子

    話題 - 2023/03/05

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、サラブレッド競走馬における突然死の危険因子を調査...

  • 突然死した競走馬の剖検に関する国際的調査

    話題 - 2023/02/26

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、馬の突然死における剖検所見を、多国間で収集および...

  • 疝痛の獣医療での地域差:ケニア

    話題 - 2023/02/11

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、アフリカのケニアにおける、馬の疝痛の獣...

  • 疝痛の獣医療での地域差:デンマーク

    話題 - 2023/02/10

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、北欧のデンマークにおける、馬の疝痛の獣...

  • 疝痛の獣医療での地域差:イスラエル

    話題 - 2023/02/09

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、中東のイスラエルにおける、馬の疝痛の獣...

  • 疝痛の獣医療での地域差:カナダ

    話題 - 2023/02/08

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、カナダの大西洋側地域における、馬の疝痛...

  • 馬の外科的疝痛におけるPCV値と心拍数

    話題 - 2023/02/07

    馬の疝痛においては、その多くが内科的治療によって回復しますが、開腹術などの外科的治療を要するような重度の症例では、手術適応を早期判断したり、手術が選択肢で無いときには、アグレッシブな保存療法を初期段階で開始することが重要となります。このため、外科的疝痛の診断指標を確立させることが、馬の疝痛を診察する際に有益であると言えます。ここでは、疝痛馬のPCV値と心拍数によって、内科的および外科的疝痛の鑑別と、...

  • 疝痛の開腹術での予後判定指標:スペイン

    話題 - 2023/02/06

    馬の重度疝痛に対する開腹術では、予後不良となるケースも少なくなく、費用も高額になり易いことから、予後を的確に推測する指標が有用となります。ここでは、疝痛馬の開腹術における予後判定の指標を調査した知見を紹介します。この研究では、2006〜2011年にかけて、スペインの二箇所の獣医大学病院において、疝痛の外科治療のために実施された566頭の開腹術における医療記録の回顧的解析、および、オッズ比(OR)の算出による予後...

  • エコー誘導による馬の下歯槽神経ブロック

    話題 - 2023/01/24

    馬の歯科疾患では、保存療法に難治性を呈した症例においては、罹患歯の抜歯が根治療法として選択される場合もあります。ここでは、下顎臼歯の抜歯のために実施される下歯槽神経ブロックの手法について比較検討した知見を紹介します。参考文献:Lloyd-Edwards RA, Ferrao-van Sommeren A, Hermans H, Tersmette AA, Veraa S, van Loon JPAM. Comparison of blind, ultrasound- and neurostimulator-guided methods of percutaneous ...

  • 馬の抜歯後に起こる菌血症

    話題 - 2023/01/23

    馬の歯科疾患では、保存療法に難治性を呈した症例においては、罹患歯の抜歯が根治療法として選択される場合もあります。ここでは、馬の抜歯治療をした後に起こる菌血症に関する知見を紹介します。参考文献:Kern I, Bartmann CP, Verspohl J, Rohde J, Bienert-Zeit A. Bacteraemia before, during and after tooth extraction in horses in the absence of antimicrobial administration. Equine Vet J. 2017 Mar;49(2):178-182....

  • 馬の臼歯の抜歯治療での長期合併症

    話題 - 2023/01/22

    馬の歯科疾患では、保存療法に難治性を呈した症例においては、罹患歯の抜歯が根治療法として選択される場合もあります。ここでは、馬の臼歯の抜歯治療における、長期的な合併症の発生状況を調査した知見を紹介します。この研究では、英国のエジンバラ大学の獣医病院において、2004~2018年にかけて、臼歯の抜歯治療が実施された428頭の症例馬における、医療記録の回顧的解析、および、長期的な合併症に関する聞き取り調査が行なわ...

  • 馬の虚血再灌流障害でのポストコンディショニング

    話題 - 2023/01/20

    馬の小腸の絞扼性疾患(空腸捻転や有茎性脂肪腫、網嚢孔捕捉など)では、絞扼を整復して虚血していた箇所に血流を回復させると、その再灌流が原因で組織損傷が起こってしまうという現象が知られており、また、その際に流出する炎症性物質によって、他の部位の腸管が通過障害(術後イレウス)を続発したり、全身の多臓器が損傷を受けるという危険性が指摘されています。ここでは、そのような虚血再灌流障害(Ischemia-reperfusion i...

  • 馬の虚血再灌流でのリドカイン投与

    話題 - 2023/01/19

    馬の小腸の絞扼性疾患(空腸捻転や有茎性脂肪腫、網嚢孔捕捉など)では、絞扼を整復して虚血していた箇所に血流を回復させると、その再灌流が原因で組織損傷が起こってしまうという現象が知られており、また、その際に流出する炎症性物質によって、他の部位の腸管が通過障害(術後イレウス)を続発したり、全身の多臓器が損傷を受けるという危険性が指摘されています。ここでは、そのような虚血再灌流障害(Ischemia-reperfusion i...

  • 馬の虚血再灌流障害における空腸の虚弱性

    話題 - 2023/01/18

    馬の小腸の絞扼性疾患(空腸捻転や有茎性脂肪腫、網嚢孔捕捉など)では、絞扼を整復して虚血していた箇所に血流を回復させると、その再灌流が原因で組織損傷が起こってしまうという現象が知られており、また、その際に流出する炎症性物質によって、他の部位の腸管が通過障害(術後イレウス)を続発したり、全身の多臓器が損傷を受けるという危険性が指摘されています。ここでは、そのような虚血再灌流障害(Ischemia-reperfusion i...

  • サク癖する馬は疝痛になり易い?

    話題 - 2023/01/16

    サク癖は、馬用語で「グイッポ」とも呼ばれ、固定された物体を前歯で咥えて、それを支点にして頭頚部を屈曲させながら空気を飲み込むような動作を指します。ここでは、サク癖をする馬としない馬で、疝痛の発生状況の違いを比較した知見を紹介します。この研究では、米国のUCデービスの獣医大学病院にて、2006~2008年に診察を受けた227頭の疝痛馬および347頭の対照馬において、馬主への聞き取り調査および疝痛病態に関する医療記録...

  • 馬はサク癖を見て真似をする?

    話題 - 2023/01/15

    サク癖は、馬用語で「グイッポ」とも呼ばれ、固定された物体を前歯で咥えて、それを支点にして頭頚部を屈曲させながら空気を飲み込むような動作を指します。ここでは、馬がサク癖を始める要因について調査した知見を紹介します。この研究では、米国のコーネル大学の調査で、401名の馬主に対して聞き取り調査が行なわれ、計3,574頭の飼養馬におけるサク癖の発生状況の調査、および、オッズ比(OR)の算出による危険因子の解析が行な...

  • 馬のサク癖では空気を飲んでいない?

    話題 - 2023/01/14

    サク癖は、馬用語で「グイッポ」とも呼ばれ、固定された物体を前歯で咥えて、それを支点にして頭頚部を屈曲させながら空気を飲み込むような動作を指します。ここでは、馬のサク癖における「空気を飲み込む」という動作の真偽を調査した知見を紹介します。この研究では、サク癖行動をしたいる馬の頭頚部を、X線透視装置および内視鏡で撮影することで、咽頭から食道近位部における空気の移動状況が解析されました。参考文献:McGreev...

  • 馬の腹水採取のためのエコー検査

    話題 - 2023/01/12

    腹水検査は、疝痛などの馬の腸管疾患での診断法の一つとして実施されており、罹患臓器のすぐ傍にある体液の性状を評価できる点で、多様な腹腔内病態の有無や重篤度を診断する一助になると言われています。ここでは、腹水採取のための腹部エコー検査所見について調査した知見を紹介します。この研究では、イタリアのペルージャ大学の獣医病院において、腹部エコー検査の実施と腹水検査が試みられた109頭の症例馬における医療記録の...

  • 腹水検査での馬の肝疾患の診断

    話題 - 2023/01/12

    腹水検査は、疝痛などの馬の腸管疾患での診断法の一つとして実施されており、罹患臓器のすぐ傍にある体液の性状を評価できる点で、多様な腹腔内病態の有無や重篤度を診断する一助になると言われています。ここでは、成馬の肝疾患における腹水検査の所見と、胃腸疾患との鑑別能について調査した知見を紹介します。この研究では、スペインのバルセロナ大学の獣医病院において、2010~2014年にかけて、疝痛または肝疾患の疑いで診察を...

  • 腹水検査での産後牝馬の診断

    話題 - 2023/01/11

    腹水検査は、疝痛などの馬の腸管疾患での診断法の一つとして実施されており、罹患臓器のすぐ傍にある体液の性状を評価できる点で、多様な腹腔内病態の有無や重篤度を診断する一助になると言われています。ここでは、出産後の牝馬における腹水検査の所見について調査した知見を紹介します。この研究では、英国とオーストラリアの二箇所の馬病院において、出産後の救急医療診察を受けた110頭の牝馬における腹水検査の所見と、医療記...

  • 調馬索での馬の診断麻酔の判定

    話題 - 2023/01/10

    一般的に、馬の歩様検査では、跛行が軽度で評価が困難な場合には、調馬索運動で歩様異常を明瞭化させることがあります。しかし、回転運動では、頭部や骨盤の上下動に左右差が生じるだけでなく、内側または外側への馬体の傾斜という新たな要素が加わるため、歩様評価を複雑にしてしまう懸念があります。この問題を検証するため、下記の研究では、後肢跛行を呈した13頭の症例馬を用いて、診断麻酔の実施前と実施後における仙骨部の動...

  • 調馬索と直線での馬の歩様対称性の変化

    話題 - 2023/01/10

    一般的に、馬の歩様検査では、軽度な跛行ほど評価が難しいことが知られており、被験馬に調馬索運動をさせることで、跛行症状を明瞭化させる手法が用いられています。しかし、回転運動における馬体動作の非対称性が、歩様評価の正確性を下げてしまう懸念もあります。この問題を検証するため、下記の研究では、201頭の健常馬を用いて、直線運動および調馬索運動における頭頂部/仙骨部の動きを加速度センサーで計測して、直線と左右の...

  • 調馬索での馬の歩様検査の正確性

    話題 - 2023/01/09

    一般的に、馬の歩様検査では、軽度な跛行ほど評価が難しいことが知られており、評価者同士で跛行の有無を合意できる確率は、跛行グレードが1.5以上では93%なのに対して、1.5未満では62%に過ぎないことが報告されています[1]。このため、被験馬に調馬索運動をさせることで、跛行症状を明瞭化させる手法が頻繁に用いられていますが、回転運動における馬体動作の非対称性が評価の正確性を下げてしまう懸念もあります。この問題を検証...

  • 馬の喉頭片麻痺での外科的治療法の比較

    話題 - 2023/01/08

    一般的に、馬の喉頭片麻痺に対する外科的治療では、治療成功率は60~80%と多様であることが知られており[1,2]、内視鏡で観察される披裂軟骨の外転や声門の断面積などで、治療効果が推測されてきました[3,4]。しかし、近年の研究では、喉頭から気管開口部までの構造を三次元的に解析することで、通気のメカニズムを評価できるようになってきました[5]。そこで、下記の研究では、馬の屠体から採取した喉頭軟骨(10個)を用いて、喉頭...

  • 馬の喉頭片麻痺に対する披裂角切除術

    話題 - 2023/01/08

    一般的に、馬の喉頭片麻痺に対する外科的治療では、喉頭形成術(タイバック手術)に声嚢声帯切除術を併用する術式が選択肢の一つとされていますが、長期経過を評価した研究では、八割近い症例において、披裂軟骨炎や軟部組織虚脱などの異常所見が認められています[1,2]。このため、喉頭形成術が失敗した場合には、披裂軟骨を部分切除または亜全切除する術式が提唱されており、インプラントを使わないメリットと(感染リスクが低い...

  • 馬の声帯切除術による経喉頭抵抗の緩和

    話題 - 2023/01/07

    一般的に、馬の喉頭片麻痺において、運動中に披裂軟骨の部分的外転(RakestrawグレードB)を維持する機能が残っていれば、喉頭形成術(タイバック手術)は必須ではないと考えられています。しかし、その場合でも、運動中に片側の声帯虚脱を起こす症例が散見され、22%の症例では披裂軟骨と声帯の虚脱が併発し、5%の症例では声帯虚脱だけ起こることが報告されています[1]。このような症例に対しては、喉頭形成術よりも侵襲性が低い声...

  • 馬に関連した頭部骨折の傾向(ドイツ)

    話題 - 2023/01/06

    ホースマンが馬に蹴られる事故が起きた際に、頭部への外傷は重症化する危険性が高いことから、特に予防対策が重要であると言えます。一般的に、馬に関連した怪我のうち、頭部骨折は19~54%を占めることが報告されています[1,2]。ここでは、馬に関連した怪我の中でも、頭部骨折の病態や発生状況、予後に関わる因子などを評価した知見を紹介します。この研究では、ドイツのハノーバー医科大学において、2000~2015年にかけて、馬に関...

  • 児童における馬に関わる怪我(豪州)

    話題 - 2023/01/06

    大変残念なことに、オーストラリアでは、児童におけるスポーツ関連死のうち、実に1/4が乗馬関連の怪我であると言われており、その予防対策が重要になっています。ここでは、オーストラリアでの児童医療施設の医療記録から、馬に関連した怪我を抽出して、その発生状況や発生原因、予防に関係する要因を調査した知見を紹介します。参考文献:Wolyncewicz GEL, Palmer CS, Jowett HE, Hutson JM, King SK, Teague WJ. Horse-related i...

  • ホースマンの怪我の発生状況(米国)

    話題 - 2023/01/05

    ホースマンの怪我は、馬に乗っている時と馬を曳いている時で、どちらが多いのかが調査されています。この研究では、米国のケンタッキー大学病院の外傷科において、2003~2007年にかけて、馬に関連した外傷を負った284人の患者における、医療記録の回顧的解析が行なわれました。参考文献:Carmichael SP 2nd, Davenport DL, Kearney PA, Bernard AC. On and off the horse: mechanisms and patterns of injury in mounted and unmou...

  • エンデュランス競技の直後に起こる疝痛

    話題 - 2023/01/04

    エンデュランスの競技馬では、競技を棄権する理由の一つとして疝痛が挙げられており、発症率も高いことが報告されています[1]。ここでは、エンデュランスの競技馬における疝痛の傾向を調査した知見を紹介します。この研究では、米国のカリフォルニア州の二箇所の馬病院において、2000~2010年にかけて、エンデュランス競技のあとの48時間以内に疝痛を発症した36頭の馬における、医療記録の回顧的解析が行なわれました。参考文献:F...

  • 疝痛の手術後での平地レースへの復帰率

    話題 - 2023/01/04

    馬の疝痛治療での開腹術は、侵襲性や合併症の危険も大きく、施術を判断する際には、術後にパフォーマンスを維持できるか否かも、重要な判断要因であると言えます。ここでは、競走馬における疝痛手術と、その後のレース復帰率や競走成績を調査した知見を紹介します。この研究では、米国のカリフォルニア州の馬病院において、1996~2010年にかけて、疝痛治療のために開腹術が実施された85頭のサラブレッド競走馬における、医療記録の...

  • 疝痛の手術後での乗馬競技への復帰率

    話題 - 2023/01/03

    馬の疝痛治療での開腹術は、侵襲性や合併症の危険も大きく、施術を判断する際には、術後にパフォーマンスを維持できるか否かも、重要な判断要因であると言えます。ここでは、疝痛の手術と、その後の乗馬競技への復帰率を調査した知見を紹介します。この研究では、デンマークのコペンハーゲン大学の大動物病院において、2005~2010年にかけて、疝痛の治療のために開腹術が実施された88頭の症例馬における、医療記録の回顧的解析、長...

  • 馬のキャスト褥瘡のサーモグラフィ検査

    話題 - 2023/01/02

    馬のキャスト固定は、外固定法の一つで、骨折の保存療法のほか、肢軸異常の矯正や重度皮膚欠損を治療する目的で、比較的頻繁に実施されますが、合併症も一定確率で起こり得ることが知られています。ここでは、馬の四肢への半肢/全肢キャストによる合併症の発生状況、および、サーモグラフィ検査の有用性を調査した知見を紹介します。この研究では、ベルギーのゲント大学の大動物病院において、2005~2007年にかけて、キャスト固定...

  • 馬のキャスト固定での蹄葉炎

    話題 - 2023/01/02

    馬のキャスト固定は、外固定法の一つで、骨折の保存療法のほか、肢軸異常の矯正や重度皮膚欠損を治療する目的で、比較的頻繁に実施されますが、合併症も一定確率で起こり得ることが知られています。ここでは、馬の四肢に用いられる半肢/全肢キャストおよびピンキャストにおける、負重性蹄葉炎の発生状況を調査した知見を紹介します。この研究では、米国のコロラド州立大学の馬病院において、2000~2009年にかけて、半肢ギプス、全...

  • 馬のキャスト固定での合併症

    話題 - 2023/01/01

    馬のキャスト固定は、外固定法の一つで、骨折の保存療法のほか、肢軸異常の矯正や重度皮膚欠損を治療する目的で、比較的頻繁に実施されますが、合併症も一定確率で起こり得ることが知られています。ここでは、馬の四肢に用いられる半肢または全肢キャストにおける、合併症の発生状況を調査した知見を紹介します。この研究では、米国の四箇所の獣医大学病院において、1996~2007年にかけて、半肢/全肢キャストで治療された398頭の症...

  • 馬の腰萎での剖検と発症素因

    話題 - 2022/12/31

    馬の腰萎では、原因疾患を生前に確定診断できない症例も多く、剖検によって病態を精査すると共に、発症素因を解明して可能な予防対策を取ることが必要となります。下記の研究では、米国のUCデービスの獣医大学病院において、2005~2017年にかけて、剖検が実施された2,861頭の症例馬(うち腰萎馬は316頭)の医療記録の回顧的調査、および、オッズ比(OR)の算出による発症素因の解析が行なわれました。参考文献:Hales EN, Aleman M...

  • 姿勢動揺による馬の腰萎の診断

    話題 - 2022/12/31

    馬の神経症状(いわゆる腰萎)は、その有無や重篤度を主観的に評価するのが難しく、神経器疾患の早期診断を困難にする場合も多いことが知られています。ここでは、姿勢動揺(Postural sway)を計測する手法を評価した知見を紹介します。この研究では、六頭の健常馬を圧迫センサー板のうえに駐立させて、重心安定性を測定することで姿勢動揺の評価が行なわれました。参考文献:Clayton HM, Bialski DE, Lanovaz JL, Mullineaux DR. ...

  • 歩様解析による馬の腰萎の診断

    話題 - 2022/12/30

    馬の神経症状(いわゆる腰萎)は、その有無や重篤度を主観的に評価するのが難しく、神経器疾患の早期診断を困難にする場合も多いことが知られています。ここでは、運動学的歩様解析(Kinematic gait analysis)の手法を用いて、腰萎馬と健常馬の鑑別診断をするという知見を紹介します。この研究では、米国のミズーリ大学の馬病院において、神経症状を呈した腰萎馬12頭と健常馬12頭を歩様解析して、馬体の複数箇所の位置不確実性を...

  • 目隠しが馬の腰萎症状に及ぼす影響

    話題 - 2022/12/30

    馬の神経症状(いわゆる腰萎)は、その有無や重篤度を主観的に評価するのが難しく、神経器疾患の早期診断を困難にする場合も多いことが知られています。ここでは、馬に目隠しをすることで腰萎症状を鮮明にして、主観的な歩様検査の信頼性を上げるという知見を紹介します。この研究では、英国の王立獣医大学において、軽度から中程度の腰萎症状を呈している神経器疾患の罹患馬21頭を用いて、常歩時の歩様解析で腰萎症状を定量化しな...

  • 馬の衝撃波治療での創傷治癒向上

    話題 - 2022/12/29

    体外衝撃波治療(Extracorporeal shock wave therapy)は、もともと結石などの硬い物質を破砕する目的で使用されてきましたが、近年、腱靭帯組織の除痛や組織修復の効果があると言われるようになり、馬の運動器疾患等に対しても適応されています[1-3]。さらに、馬の皮膚の創傷部に衝撃波を当てることで、創傷治癒を促進できるという報告もあり[4,5]、そのメカニズムを検討した知見も示されています。下記の研究では、14頭の健常馬...

  • 馬の衝撃波治療とPRP治療の併用

    話題 - 2022/12/29

    体外衝撃波治療(Extracorporeal shock wave therapy)は、もともと結石などの硬い物質を破砕する目的で使用されてきましたが、近年、腱靭帯組織の除痛や組織修復の効果があると言われるようになり、馬の運動器疾患等に対しても適応されています[1-3]。一方、馬の腱靭帯疾患に対しては、多血小板血漿(Platelet-rich plasma: PRP)を病巣内投与して、成長因子を局所的に作用させる治療法も実施されており、衝撃波とPRPを併用した場...

  • 馬の衝撃波治療での鎮痛作用

    話題 - 2022/12/28

    体外衝撃波治療(Extracorporeal shock wave therapy)は、もともと結石などの硬い物質を破砕する目的で使用されてきましたが、近年、腱靭帯組織の除痛や組織修復の効果があると言われるようになり、馬の運動器疾患等に対しても適応されています[1-3]。一方で、衝撃波治療を施した部位では、痛みを感じる神経線維を変性させたり、痛みの伝達物質を枯渇させることで、好ましくない鎮痛作用を及ぼしてしまうという懸念もあります。こ...

  • 馬の滑膜感染の関節鏡での予後指標

    話題 - 2022/12/27

    関節鏡手術は、馬の無菌手術のなかで、最も頻繁に実施されるものの一つで、OCDや小片骨折の摘出の他にも、多様な関節疾患の治療に適応されています。ここでは、滑膜感染を起こした214頭の症例(六ヶ月齢以上)での関節鏡の治療成績、および、オッズ比(OR)の算出による予後指標に関する知見を紹介します。参考文献:Milner PI, Bardell DA, Warner L, Packer MJ, Senior JM, Singer ER, Archer DC. Factors associated with survi...

  • 蹄骨の裏側の骨片での関節鏡

    話題 - 2022/12/27

    関節鏡手術は、馬の無菌手術のなかで、最も頻繁に実施されるものの一つで、OCDや小片骨折の摘出の他にも、多様な関節疾患の治療に適応されています。ここでは、蹄骨の裏側(掌側または底側)に骨軟骨片を発生した四頭の跛行馬に対して、関節鏡手術を実施した知見を紹介します。参考文献:Lloyd KA, Smith MR, Whitton RC, Stent AW, Steel CM. Osteochondral fragmentation of the palmarolateral/plantarolateral aspect of the d...

  • 馬の蹄関節での関節鏡の長期的予後

    話題 - 2022/12/26

    関節鏡手術は、馬の無菌手術のなかで、最も頻繁に実施されるものの一つで、OCDや小片骨折の摘出の他にも、多様な関節疾患の治療に適応されています。ここでは、馬の蹄関節での関節鏡手術における、病態の傾向と長期的予後を評価した知見を紹介します。この研究では、米国のテキサス州の馬病院にて、2012~2017年にかけて、蹄関節の変性関節疾患の治療のために、関節鏡手術が実施された10頭の跛行馬における医療記録の回顧的解析が...

  • 馬の脛骨の顆間隆起骨折での関節鏡

    話題 - 2022/12/26

    関節鏡手術は、馬の無菌手術のなかで、最も頻繁に実施されるものの一つで、OCDや小片骨折の摘出の他にも、多様な関節疾患の治療に適応されています。ここでは、馬の脛骨の顆間隆起骨折での関節鏡治療を評価した知見を紹介します。この研究では、米英の九ヶ所の馬病院において、2004~2016年にかけて、脛骨の顆間隆起骨折の治療のために関節鏡が実施された21頭の跛行馬における医療記録の回顧的解析が行なわれました。参考文献:Rub...

  • 馬の後膝での関節鏡の長期的予後

    話題 - 2022/12/25

    関節鏡手術は、馬の無菌手術のなかで、最も頻繁に実施されるものの一つで、OCDや小片骨折の摘出の他にも、多様な関節疾患の治療に適応されています。ここでは、馬の後膝での関節鏡手術における長期的予後を評価した知見を紹介します。この研究では、米国のペンシルバニア大学の馬病院にて、1993~2006年にかけて、膝関節の変性関節疾患、半月板損傷、関節内軟部組織の損傷を治療するため、関節鏡手術が実施された44頭の跛行馬にお...

≪前のページ≪   1ページ/4ページ   ≫次のページ≫

プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: 40代
住所: 茨城県
職業: 獣医師・獣医学博士
叩けよ、さらば開かれん!

取り上げて欲しいトピックがあれば下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

最新記事

ブログメニュー

サイト内タグ一覧

推薦図書

FC2カウンター

関連サイト

リンク

カレンダー

02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

馬獣医療機器

月別アーカイブ

お断わり

20130414_Blog_Message_Pict1.jpg
このサイトに掲載されているイラスト、画像、文章は、すべて管理主自身が作成したもの、もしくは、著作権フリーの素材リンクから転載したものです。

カテゴリ

ホースケア用品

全記事表示リンク

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
45位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
5位
アクセスランキングを見る>>

FC2ブログランキング

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

検索フォーム

関連サイト

QRコード

QR