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カテゴリ:馬の神経器病のエントリー一覧

  • 馬の病気:ウエストナイル脳炎

    馬の神経器病 - 2015/08/06

    ウエストナイル脳炎(West nile encephalitis)について。フラビウイルス属のウエストナイルウイルス(West nile virus)の感染によって脳炎を引き起こす疾患で、米国では1999年に東海岸に上陸し、2005年までに本土全州に感染が拡大したことが報告されています。終宿主(Dead-end host)である馬および人への感染は、蓄積宿主(Reservoir host)である鳥類から蚊の吸血を介して起こり、四季のある地方では9~10月に最も多く発症が...

  • 馬の病気:破傷風

    馬の神経器病 - 2015/08/06

    破傷風(Tetanus)について。嫌気性グラム陽性菌(Anaerobic gram-positive bacterium)である破傷風菌(Clostridium tetani)の産生する外毒素(Exotoxins)によって神経症状を呈する疾患で、一般に個体単位での発症を示しますが、流行性(Outbreak)の発現も報告されています。馬の破傷風では、土壌中に生息するC. tetaniが、蹄または軟部組織の創傷部から侵入することで発症する場合が殆どで、壊死組織(Necrotic tissue)、随...

  • 馬の病気:化膿性髄膜炎

    馬の神経器病 - 2015/08/06

    化膿性髄膜炎(Suppurative meningitis)について。細菌感染が直接性または血行性に頭蓋冠(Calvarium)へと波及して、神経症状を呈する疾患です。原因疾患としては、頭蓋骨骨折(Skull fracture)、副鼻腔炎(Sinusitis)、篩板骨折(Cribriform plate fracture)などが挙げられ、篩骨血腫(Ethmoid hematoma)の外科的切除や、不適当な円鋸孔形成(Improper placement of trephination holes)等から医原性に発症する事もありま...

  • 馬の病気:脳脊髄線虫感染症

    馬の神経器病 - 2015/08/06

    脳脊髄線虫感染症(Cerebrospinal nematodiasis)について。脳脊髄組織への寄生虫の迷入(Migration)によって神経症状を呈する疾患で、害虫性脳脊髄炎(Verminous encephalomyelitis)とも呼ばれます。原因となる寄生虫としては、普通円虫(Strongylus vulgaris)、キスジウシバエ(Hypoderma lineatum)、ウシバエ(Hypoderma bovis)、Halicephalobus gingivalis(旧名:Micronema deletrix)、Draschia megastoma、馬糸状虫(S...

  • 馬の病気:ホーナー症候群

    馬の神経器病 - 2015/08/05

    ホーナー症候群(Honor's syndrome)について。眼球交感神経の経路(Ocular sympathetic pathway)が阻害されることによって神経症状を起こす疾患です。この経路は中脳被蓋(Mesecephalic tectum)に起始し、下行軸索(Descending axon)は第一~第三胸脊髄(First to third thoracic spinal cord)の部位において腹側脊髄神経(Ventral spinal nerve)として抜け出したあと頭側へ反転し、頚胸神経節(Cervicothoracic ganglia)と...

  • 馬の病気:馬自律神経異常症

    馬の神経器病 - 2015/08/05

    馬自律神経異常症(Equine dysautonomia)について。腸管運動性(Gut motility)の減退をきたす疾患で、一般にグラスシックネス(Grass sickness)と呼ばれます。原因としてはクロストリジウム菌(Clostridium perfringens type C)の産生する神経毒素(Neurotoxin)の関与が示唆されていますが、病因論は未だにはっきりとは解明されていません。牧草地での放牧が危険因子(Risk factor)となる可能性も示されていますが、牧草との...

  • 馬の病気:小脳アビオトロフィー

    馬の神経器病 - 2015/08/05

    小脳アビオトロフィー(Cerebellar abiotrophy)について。小脳の進行性変性(Progressive degeneration)に起因する神経症状を呈する疾患で、アラビアン純血種または混血種に多く見られますが、他の品種(Gotland pony, Oldenburg)での発症も報告されています。小脳低形成(Cerebellar hypoplasia)という診断名が用いられる場合もありますが、退行性変化は出生後に生じるため(Postnatal degeneration)、小脳の細胞活力衰微(...

  • 馬の病気:脊髄損傷

    馬の神経器病 - 2015/08/04

    脊髄損傷(Spinal cord trauma)について。脊髄損傷は外傷による椎骨骨折(Vertebral fracture)に起因して起こる場合が殆どで、第一頚椎(C1)、第十二胸椎(T12)、第五腰椎(L5)に発症が多いことが報告されています。急性期の脊髄損傷は、Shearing forceによる神経線維断裂(Nerve fiber tear)、出血(Hemorrhage)、骨折片の衝突(Fracture fragment impingement)などによって起こります。一方で、慢性期の脊髄損傷は、カル...

  • 馬の病気:ヘッドシェイキング

    馬の神経器病 - 2015/08/04

    ヘッドシェイキング(Head shaking)について。頭部を激しく左右または上下に振る仕草を呈する疾患で、安静時に見られる症例もありますが、多くは運動開始のしばらくあとに観察されます。一般に春から初夏にかけて症状発現が多いことが知られており、多くの羅患馬は毎年同時期に発症を示します。特にショーホースやドレッサージュホースにおいては、ショーでの評価や競技成績に直接的に影響を及ぼすため、深刻な疾患となりえます。...

  • 馬の病気:馬運動ニューロン疾患

    馬の神経器病 - 2015/08/04

    馬運動ニューロン疾患(Equine motor neuron disease)について。成馬に見られる後天性の神経変性病(Acquired neurodegenerative disease)で(平均発症年齢は9歳)、人間に起こる筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis:いわゆるルー・ゲーリック病)に類似した疾患である事が知られています。病因としては、ビタミンE欠乏症(Vitamin E deficiency)によって、自動酸化促進物質(Prooxidant)などによる酸化的スト...

  • 馬の病気:馬多発神経炎

    馬の神経器病 - 2015/08/03

    馬多発神経炎(Polyneuritis equi)について。第二および第三腰椎の脊髄神経根(=馬尾:Cauda equina)と脳神経(Cranial nerve)の損傷による神経症状を呈する疾患です。通常は、全ての脊髄神経根が(重篤度に差はあれど)異常を起こすため、伝統的な馬尾神経炎(Cauda equina neuritis)という病名は適当でないという警鐘が鳴らされています。馬多発神経炎の原因としては、自己免疫性病因(Autoimmune etiology)、全身性感染症...

  • 馬の病気:ボツリヌス症

    馬の神経器病 - 2015/08/03

    ボツリヌス症(Botulism)について。Clostridium botulinumの産生する神経毒(Neurotoxin)によって、進行性筋虚弱(Progressive muscle weakness)を起こす疾患で、ボツリヌス菌タイプBが最も頻繁に関与しますが、タイプA、C、Dによる症例も報告されています。子馬では通常、胞子摂取(Spores ingestion)によって中毒感染性ボツリヌス症(Toxicoinfectious botulism)(いわゆる振盪子馬症候群:Shaker foal syndrome)を起こし...

  • 馬の病気:橈骨神経麻痺

    馬の神経器病 - 2015/08/03

    橈骨神経麻痺(Radial nerve paralysis)について。橈骨神経(Radial nerve)は前肢の伸筋郡を支配する末梢神経(Peripheral nerve)で、肘関節(Elbow joint)の外側を通過する部位で損傷を受け易いことが知られています。橈骨神経麻痺は外傷(転倒、蹴傷、etc)または横臥位(Lateral recumbency)による長時間にわたる全身麻酔(Prolonged general anesthesia)などによって引き起こされ、上腕三頭筋(Triceps brachii muscle)...

  • 馬の病気:肩甲上神経麻痺

    馬の神経器病 - 2015/08/02

    肩甲上神経麻痺(Suprascapular nerve paralysis)について。肩甲上神経の損傷に起因して、棘上筋(Supraspinatus muscle)と棘下筋(Infraspinatus muscle)の萎縮(Atrophy)、および、肩関節の不安定性(Shoulder joint instability)を起こす疾患です。伝統的には、肩に圧迫を受けやすい牽引馬(Draft horse)に多く発症が見られましたが、現在では肩部への外傷によって起こる事が一般的です。肩甲上神経は、第六~七頚椎間に...

  • 馬の病気:馬ヘルペス脊髄脳症

    馬の神経器病 - 2015/08/02

    馬ヘルペス脊髄脳症(Equine herpes myeloencephalopathy)について。一型馬ヘルペスウイルス(Equine herpes virus type-1: EHV-1)感染に起因する神経症状を呈する疾患ですが、EHV-1は繁殖障害(Reproductive disorders)や呼吸器疾患(Respiratory disease)としての病態がより一般的です。四型馬ヘルペスウイルスは主に呼吸器病原体ですが、極めて稀に神経病の原因となる場合もあります。神経症状は神経線維そのもののウイルス...

  • 馬の病気:前庭疾患

    馬の神経器病 - 2015/08/02

    前庭疾患(Vestibular disease)について。前庭は平衡維持(Balance maintenance)と重力に対する反射配向性(Reflex orientation to gravity)をつかさどる器官で、内耳神経(Vestibulocochlear nerve: 8th cranial nerve)および、受容体である膜性迷路(Membranous labyrinth)の内部にある蝸牛(Cochlea)、球形嚢(Saccule)、卵形嚢(Utricle)、三半規管(Three semicircular canals)などから構成されています。蝸牛が聴覚...

  • 馬の病気:変性脊髄脳炎

    馬の神経器病 - 2015/08/01

    馬変性脊髄脳炎(Equine degenerative myeloencephalitis: EDM)について。脊髄の退行性疾患(Degenerative disorder)で、六ヶ月齢以下の子馬に多く見られ、ビタミンE欠乏症(Vitamin E deficiency)に起因すると考えられています。病因論としては、ビタミン吸収不全などの遺伝性素因(Genetic predisposition)を持つ個体が、環境性酸化体(Environmental oxidants)に曝露し、ビタミンEをはじめとする抗酸化体(Antioxidants)...

  • 馬の病気:頚椎狭窄性脊髄症

    馬の神経器病 - 2015/08/01

    頚椎狭窄性脊髄症(Cervical stenotic myelopathy: CSM)について。頚椎管の狭窄による脊髄圧迫に起因して神経症状を呈する疾患で、ウォブラー症候群(Wobbler syndrome)とも呼ばれます。頚部を屈曲・伸展した時のみに脊髄圧迫を生じる頚椎不安定症(Cervical vertebral instability: CVI)と、頚部の屈伸度に関わらず脊髄圧迫を生じる頚椎静的狭窄症(Cervical static stenosis: CSS)の病態に分類されます。1~3才齢の若馬に...

  • 馬の病気:原虫性脊髄脳炎

    馬の神経器病 - 2015/08/01

    馬原虫性脊髄脳炎(Equine protozoal myeloencephalitis: EPM)について。肉胞子虫(Sarcocystis neurona)や他の原虫類(Neospora hughesi、Toxoplasma gondii等)の感染によって脊髄脳炎を呈する疾病で、北米において最も多く見られる馬の神経症状の原因です。S. neuronaは終宿主のオポッサムと、他の中間宿主(猫、アルマジロ、スカンク等)のあいだで生活環を形成し、馬は異常宿主(Aberrant host)であるため、馬から馬への感...

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プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: 40代
住所: 茨城県
職業: 獣医師・獣医学博士
叩けよ、さらば開かれん!

取り上げて欲しいトピックがあれば下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

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