2013年05月のエントリー一覧
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馬の病気:直腸脱
馬の消化器病 - 2013/05/07直腸脱(Rectal prolapse)について。 直腸が肛門から逸脱を起こす疾患で、雄馬よりも牝馬に好発し、下痢(Diarrhea)、難産(Dystocia)、腸内寄生虫(Intestinal parasitism)、直腸炎(Proctitis)、直腸腫瘍(Rectal tumor)などの、裏急後重(Tenesmus)や腹圧上昇(Elevated intraabdominal pressure)を起こす病態、もしくは呼吸器疾患に起因する慢性咳嗽(Chronic coughing)などが素因として挙げられています。 直腸脱の...
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馬の病気:直腸裂傷
馬の消化器病 - 2013/05/06直腸裂傷(Rectal tear)について。 馬の直腸裂傷は、不適切な直腸検査(Inadequate rectal examination)に起因して発症することが最も多く、馬臨床医における医療過誤訴訟(Malpractice suits)の主要原因の一つとなっています。また、難産(Dystocia)、直腸血栓症(Rectal thrombosis)、砂疝(Sand impaction)等も病因として挙げられており、浣腸(Enema)による過度の内圧上昇(Excessive luminal pressure)や、鉗子を用い...
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馬の病気:腹膜炎
馬の消化器病 - 2013/05/05腹膜炎(Peritonitis)について。 馬における腹膜炎は、重篤な消化器疾患から二次性に発症することが一般的で、腸捻転、絞扼、重積、逸脱(Intestinal volvulus, strangulation, intussusception, or prolapse)などに伴う腸管虚血(Intestinal ischemia)、胃および腸管穿孔(Gastric/Intestinal perforation)、十二指腸近位空腸炎(Duodenitis-proximal jejunitis)などに続発する病態が知られています。また、分娩時の子宮外傷...
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馬の病気:胎便貯留
馬の消化器病 - 2013/05/04胎便貯留(Meconium retention)について。 新生児の腸管内に存在する胎便(Meconium)は、胎児期の腺性分泌物(Glandular secretion)、脱落細胞(Sloughed cells)、嚥下された羊水(Swallowed amniotic fluid)などから構成され、正常個体では生後48時間以内に排出されることが一般的です。胎便貯留の病因としては、初乳摂取不全(Failure to ingest colostrum)や発育不足(Dysmaturity)などが挙げられ、雌の新生児(Fillies...
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馬の病気:糞石症
馬の消化器病 - 2013/05/03糞石症(Fecalithiasis)について。 濃縮した糞塊(Inspissated feces)によって生じた糞石(Fecaliths)に起因して、小結腸の通過障害(Small colon obstruction)を起こす疾患で、ポニーやミニチュアホースに好発することが知られています。糞石症の病因としては、粗飼料の品質低下(Poor-quality roughage)、歯科疾患による咀嚼不全(Poor mastication due to dental diseases)、飲水量の減少(Reduced water intake)などが...
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馬の病気:小結腸便秘
馬の消化器病 - 2013/05/02小結腸便秘(Small colon impaction)について。 硬化した糞便によって小結腸の通過障害(Small colon obstruction)を生じる疾患で、サルモネラ感染に起因する大腸炎(Enteritis)、咀嚼不全(Poor mastication)、飲水不足(Decreased water intake)、腸内寄生虫(Intestinal parasite)、運動不足などが病因として挙げられています。また、有茎性脂肪腫(Pedunculated lipoma)による小結腸絞扼(Small colon strangulation)...
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馬の病気:腸結石症
馬の消化器病 - 2013/05/01腸結石症(Enterolithiasis)について。 結腸内に形成された結石(Enteroliths)に伴って、腸管の通過障害(Intestinal obstruction)を起こす疾患で、殆どの症例において、結石はストルバイト(Magnesium ammonium phospate)で構成されます。馬の腸結石症は、アラビアン、モルガン、サドルブレッドなどの品種に好発し、四歳以上の馬(特に十五歳以上の高齢馬)に発症が多いことが知られています。米国では、マグネシウム含量の高...