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2022年08月のエントリー一覧

  • 馬のサク癖と疝痛は関係している?

    馬の飼養管理 - 2022/08/31

    馬のサク癖の原因ホースマンの中には、自馬のサク癖にどう対処すべきか?という疑問を持っている方もいらっしゃるようです。サク癖は、Cribbingまたはグイッポと呼ばれ、前歯で固定された物体を咥えて、それを支点にして頭頸を屈曲させながら空気を飲み込む動作を指します。サク癖する馬の割合は、2~10%になるとも言われています。馬のサク癖は、単なる「クセ」ではなく、人間で言うところの強迫性障害(Obsessive-compulsive dis...

  • 馬の反復トレーニングは3回まで?

    馬の飼養管理 - 2022/08/31

    馬のトレーニングでの反復練習に関する知見が発表されています。ドイツのギーセン大学の研究者は、馬の反復トレーニングについて研究しています。一般的に、ホースマンが馬をトレーニングする時に、同じ動作を何回反復させるかに関しては、トレーナーが感覚的に判断することが多いそうですが、同研究者によると、反復トレーニングの回数が多すぎれば、時間のロスになるだけでなく、馬が退屈してしまう結果になると述べています。こ...

  • 馬の文献:息労(Derksen et al. 1999)

    文献 - 2022/08/30

    「回帰性気道閉塞の罹患馬に対する気管支拡張薬としての噴霧化アルブテロール」Derksen FJ, Olszewski MA, Robinson NE, Berney C, Hakala JE, Matson CJ, Ruth DT. Aerosolized albuterol sulfate used as a bronchodilator in horses with recurrent airway obstruction. Am J Vet Res. 1999; 60(6): 689-693.この研究では、馬の回帰性気道閉塞(Recurrent airway obstruction)(息労:Heaves)に対する有用な治療法を検討する...

  • 馬の疝痛は立位でオペできる?

    話題 - 2022/08/30

    馬の消化器疾患の外科的治療では、全身麻酔下での正中開腹術が行なわれることが一般的ですが、限定された状況においては、立位での開腹術も実施されています(上写真は腹腔鏡手術の写真です)。近年の研究では、消化器疾患に対する膁部切開術が実施された37頭の症例馬における、医療記録の回顧的調査が行なわれました[1]。その結果、退院した馬の割合を短期の生存と定義した場合、立位での開腹術における短期生存率は54%(20/37頭...

  • 馬の腎脾間隙は閉鎖すべきか?

    話題 - 2022/08/29

    馬の腎脾間隙を外科的に閉鎖して、結腸が捕捉されるのを予防することについて、現時点での知見の総括です。馬の結腸左背方変位は、結腸が脾臓と左側腹壁のあいだを背側方向へ変位する病気のことを指し、左側結腸が脾臓と腎臓(左腎)の隙間において、腎脾間靭帯の上に引っ掛かってしまった状態を腎脾間捕捉と呼んでいます(下図A)。結腸左背方変位が発症するメカニズムは不明ですが、腹側結腸の蠕動不全とガス貯留から、脾臓と左...

  • 馬の網嚢孔は閉鎖すべきか?

    話題 - 2022/08/29

    馬の網嚢孔を外科的に閉鎖して、小腸絞扼を予防することについて、現時点での知見の総括です。そもそも、網嚢孔とは、腹腔の天井部分(背側)にスリット状に空いた隙間のことを指しており、右背側腹腔から網嚢への連絡孔となっています。網嚢孔の背側境界は、肝臓尾状突起(Caudate process of liver)や尾側大静脈(Caudal vena cava)から成り、腹側境界は、肝十二指腸靭帯(Hepatoduodenal ligament)・門脈(Portal vein)・膵...

  • 馬の結腸の吻合術

    診療 - 2022/08/28

    馬の結腸の切除および吻合術のまとめです。あくまで概要解説ですので、詳細な手技は成書や論文をご確認ください。馬の結腸の切除・吻合術は、結腸捻転で虚血性壊死した腸管の除去のために実施されることが一般的です。捻転を整復した後は、結腸テーブル上で骨盤曲切開術を行ない、腸内容物を排出しますが、結腸内に水を残し過ぎないよう注意します。結腸の切除は盲腸結腸ヒダの位置(もしくはそれより骨盤曲側)で行なうので、腸管...

  • 馬の結腸の切開術

    診療 - 2022/08/28

    馬の結腸の切開術のまとめです。あくまで概要解説ですので、詳細な手技は成書や論文をご確認ください。馬の結腸切開術は、大結腸の内容物を排出するために実施される処置です。適応症としては、結腸食滞が大量かつ硬化している場合に、それを遊離および排出させるために行なわれるほか、結腸捻転で虚血性壊死した箇所の結腸を切除・吻合するときに、結腸内容を空っぽにしておくために実施されます。また、結腸内の結石や砂を摘出し...

  • 馬の空回腸と盲結腸の吻合術

    診療 - 2022/08/28

    馬における空回腸と盲結腸の吻合術のまとめです。あくまで概要解説ですので、詳細な手技は成書や論文をご確認ください。馬の空回腸を盲腸または結腸に吻合する治療法は、空腸、回腸、盲腸の何れか(または複数)が、絞扼による壊死、または機能不全を呈した場合に、正常な部位同士を吻合して、空腸または盲腸の異常部位を切除もしくは迂回する目的で実施されます。具体的な術式としては、①空腸盲腸吻合、②回腸盲腸吻合、③回腸結腸...

  • 馬の空腸の吻合術

    診療 - 2022/08/27

    馬の空腸の切除および吻合術のまとめです。あくまで概要解説ですので、詳細な手技は成書や論文をご確認ください。一般的に、馬の小腸における外科的疾患は絞扼性となることが多く、虚血性壊死した部位を切除および吻合することになります。小腸の吻合では、大腸と比べて、術後に内腔狭窄したときの弊害が大きく、また、縫合部が癒着してしまうと、腸管が折れ曲がって通過障害となる危険性が高いという特徴があります。このため、内...

  • 馬の開腹術と腹腔探索

    診療 - 2022/08/27

    馬の開腹術と腹腔探索のまとめです。あくまで概要解説ですので、詳細な手技は成書や論文をご確認ください。馬の開腹術は、全身麻酔下での背臥位で実施されることが一般的です。剃毛する範囲は、胸骨と肋骨端、および、左右鼠径部までの領域となります(上図左)。手術の開始時には、執刀医が馬の左側に、サブオペが馬の右側に立ちます(上図中)。ドレーピングでは、腹底全面をアイオバンで覆ったのち、通常の正中開腹術では、頭側...

  • 馬の文献:息労(Rush et al. 1998c)

    文献 - 2022/08/27

    「回帰性気道閉塞の罹患馬に対するベクロメタゾンジプロピオネートおよびデキサメサゾンの噴霧的および非経口的投与後における副腎皮質機能の変化」Rush BR, Worster AA, Flaminio MJ, Matson CJ, Hakala JE. Alteration in adrenocortical function in horses with recurrent airway obstruction after aerosol and parenteral administration of beclomethasone dipropionate and dexamethasone, respectively. Am J Vet Res. 19...

  • 書評:馬の愛情表現とは

    未分類 - 2022/08/26

    ホースマンにお勧めの本を紹介します。以下は、この本の要点の抜粋です。参考資料:What Horses Really Want. Horse Illustrated, Horse Books: Jan14, 2022.馬は、人間の下僕ではなく、友人になりたいと思っています。馬は、友人である人間のために考えるのです。その結果、馬は、私たちの指示に従わなかったり、指示していないことを実行したりしますが、それはとても良いことです。なぜなら、そのような行動は、馬が人間をパー...

  • 子馬をロープで眠らせる方法

    馬の飼養管理 - 2022/08/26

    子馬に対するロープ圧迫による傾寝法参考文献:Toth B, Aleman M, Brosnan RJ, Dickinson PJ, Conley AJ, Stanley SD, Nogradi N, Williams CD, Madigan JE. Evaluation of squeeze-induced somnolence in neonatal foals. Am J Vet Res. 2012 Dec;73(12):1881-9.子馬の獣医的処置に際しては、その子馬の気性や性格が難しい場合には、保定に多くの人手を要したり、獣医師や子馬自身に怪我の危険が伴う事もあります。そのようなケー...

  • 歩様解析で見えたピアッフェの凄さ

    馬の飼養管理 - 2022/08/25

    馬のピアッフェの歩様解析ピアッフェ(Piaffe)とは、上級レベルの馬場馬術で実施される歩法で、斜対肢を同時に挙上させ、前進することなくリズミカルに跳ねる動きを指します。いわば、収縮速歩やパッサージュから更に収縮を強め、その場で速歩をしているような歩様になります。これは、かなり難易度の高い歩法であり、強靭さと安定性、自得姿勢(Self-carriage:馬が自分でバランスとリズムを維持する状態)を要することから、こ...

  • 放牧は腱や靭帯を強くする?

    馬の飼養管理 - 2022/08/25

    馬の腱靭帯疾患について馬の下肢における腱靭帯疾患は、跛行の原因として重要であり、休養理由の13~18%、引退原因の33%を占めるという調査結果もあります。しかし、馬を放牧させる時間を増やすというシンプルな飼養管理の工夫によって、このような腱靭帯の病気を減らせるという研究結果が示されています。参考資料:Alexandra Beckstett, The Horse Managing Editor. Turnout Time Can Reduce Horses’ Risk of Soft Tissue Injury...

  • 蹄踵の低い馬への装蹄療法

    馬の飼養管理 - 2022/08/24

    蹄踵の低さについてホースマンの中には、蹄踵の低い馬を管理していくのに苦労されている方も多いようです。特に、乗馬に転用された直後の競走馬においては、蹄踵がかなり低い形状の蹄が多いと言われています。一般的には、馬に起こる慢性跛行の三分の一以上は、実は蹄踵に原因があるとも言われており、ローヒール(蹄踵が低い状態)およびアンダーランヒール(蹄尖角度よりも蹄踵角度のほうが小さい状態)などの蹄踵の異常は、とて...

  • 馬の高齢出産では子馬の競走成績が落ちる?

    話題 - 2022/08/24

    高齢の繁殖牝馬から生まれた子馬は、競走馬としてのレース成績が低くなるのでしょうか?この研究論文では、サラブレッドの繁殖牝馬の年齢と、生まれた子馬の競走成績に相関があるかを検討するため、2001~2010年に生まれてJRA登録されたサラブレッド17,885頭を対象にして、牝馬と種牡馬の年齢や平均獲得賞金指数、および、その子馬の勝利数との関連性が解析されました。参考文献:Sota Inoue. Influence of broodmare aging on its...

  • 馬の開腹術にはハチミツで感染予防

    話題 - 2022/08/23

    馬の開腹術における創口感染率は、2.7~39%と様々で、縫合箇所に抗生物質を用いることで創口感染を抑えることもあります。近年、ハチミツの持つ高浸透圧と低pHが、細菌増殖を抑えることが判明し、ガンマ線滅菌された医療グレード蜂蜜(MGH: Medical grade honey)を局所的に使用することで感染制御できることが、ヒト医療の領域で示されています。また、馬の外傷縫合の部位においても、MGHを外科的整復箇所に用いることで、細菌感...

  • 馬の文献:息労(Rush et al. 1998b)

    文献 - 2022/08/23

    「回帰性気道閉塞の罹患馬に対するベクロメタゾンジプロピオネートおよびデキサメサゾンの噴霧的および非経口的投与後における肺機能」Rush BR, Raub ES, Rhoads WS, Flaminio MJ, Matson CJ, Hakala JE, Gillespie JR. Pulmonary function in horses with recurrent airway obstruction after aerosol and parenteral administration of beclomethasone dipropionate and dexamethasone, respectively. Am J Vet Res. 1998; 59(8)...

  • 釘を踏んでも抜かないで!

    馬の飼養管理 - 2022/08/22

    馬を裏掘りしようと肢を上げさせたとき、もし、蹄底に釘が刺さっているのを見つけたら、どう対処するのが正しいでしょうか?正解は、「釘を抜かずに獣医師を呼ぶ」です。ホースマンの直感としては、速やかに釘を抜去して、消毒処置などを施したくなると思います。しかし、一番大切なことは、釘の先端がどこまで深く刺さっていて、蹄内部のどの構造物に達しているかを見極めることになります。何故なら、釘の刺さり方によっては、か...

  • 乾草を先に与えて疝痛予防

    馬の飼養管理 - 2022/08/22

    ホースマンの中には、自馬が頻繁に疝痛を起こすことにお悩みの方もいらっしゃるようです。馬の疝痛とは、消化器疾患によって疼痛反応を示している状態を指す用語で(症状名であり診断名ではない)、現在でも、馬の死亡原因の第一位は疝痛だとも言われます。軽度疝痛を繰り返す馬においては、胃潰瘍や寄生虫感染など、潜在的要因を持つケースもありますが、消化管の蠕動機能の低下が起きていて(加齢、疲労、季節性、子馬のときの寄...

  • 裏にある骨片は腱鞘越しに摘出

    話題 - 2022/08/21

    中間手根骨の掌側部骨折について馬の手根骨の骨折は、その殆どが背側面に生じますが、稀に掌側面にも起こることがあります。このうち、橈側手根骨や第三手根骨の掌側部骨折では、前腕手根関節または中間手根関節の掌側関節包に関節鏡でアプローチすることで、外科的摘出が可能であることが知られています。一方、中間手根骨の掌側部骨折は、関節鏡でアプローチするのが困難であると言われており、保存療法(骨片摘出せず休養させる...

  • 馬の顎関節炎を診療する難しさ

    話題 - 2022/08/21

    馬の顎関節炎を診療するときの留意点について専門家が警鐘を鳴らしています。顎関節は、下顎骨と側頭骨のあいだに形成され、口を開閉させる機能を担っている関節です。草食獣である馬にとって、顎関節は、一生のあいだに最も頻繁に動かす関節であり、顎関節に炎症を起こすと、咀嚼しながらエサをこぼす仕草(=Quidding)や食欲低下を呈します。また、ハミ付けを嫌悪したり、頭を挙上して激しく左右に振る動作(=ヘッドシェイキン...

  • 馬の蹄葉炎では蹄骨をプレート固定?

    話題 - 2022/08/21

    馬の蹄葉炎に対する新しい外科治療法が検討されています。馬の蹄葉炎は、背側蹄葉組織の変性によって、蹄骨が変位してしまう疾患です。急性期では、氷冷療法で蹄葉変性させる酵素活性を抑える内科療法が行なわれ、蹄骨変位に至った場合には、主に装蹄療法によって蹄骨の安定化が図られます。蹄葉炎が慢性化すると、切腱術で蹄骨への緊張を緩和しつつ、蹄骨角度の矯正(デローテーション)も施されます。残念ながら、蹄葉組織が広範...

  • 馬の軟腫:放置か治療かの見分け方

    馬の飼養管理 - 2022/08/20

    馬の軟腫について、放っておいても大丈夫なのか、それとも治療すべきか、という判断にお困りのホースマンも多いようです。一般的に、“軟腫”(英語名:Windpuffs)と呼ばれるのは、後肢の球節の後ろに、柔らかく盛り上がった腫れが生じている状態を指します。球節の後面には、2つの腱(深屈腱と浅屈腱)が走行しており、この部位では、腱が摩擦なく滑走できるように、潤滑液(腱鞘液)を含んだ袋(腱鞘包)に包まれています。軟腫...

  • ハンター競走馬の鼻出血の危険因子

    話題 - 2022/08/20

    馬の鼻出血について競走馬の鼻出血は、その多くが肺からの出血で起こり、運動中に血圧が上がることと、呼吸増加で肺胞の内圧が下がることが相まって出血に至ることから、運動誘発性肺出血(EIPH: Exercise-induced pulmonary hemorrhage)という病名で呼ばれます。競走馬におけるEIPHの発症率は、51~75%と様々です[1-4]。馬がEIPHを起こすと、肺組織の線維化および換気機能低下を続発するのみならず、長期間の出走停止となるため...

  • 馬の鎮痛剤は毎日飲ませても安全?

    馬の飼養管理 - 2022/08/19

    ホースマンのなかには、馬に鎮痛剤を毎日飲ませ続けても大丈夫なのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるようです。一般的に、馬の健康問題の八割は運動器疾患であり、そのうち、関節炎が占める割合が最も多いと言われています(飛節内腫、ナビキュラー病、リングボーン、膝関節炎、球節炎など)。このため、15歳以上の乗馬の競技馬において、慢性的な関節痛による跛行やプアパフォーマンスを呈する個体も多く、そのような関節...

  • 馬の文献:息労(Rush et al. 1998a)

    文献 - 2022/08/19

    「回帰性気道閉塞の罹患馬に対するベクロメタゾンジプロピオネートおよびデキサメサゾンの噴霧的および非経口的投与後における気管支肺胞洗浄液の細胞学的検査」Rush BR, Flaminio MJ, Matson CJ, Hakala JE, Shuman W. Cytologic evaluation of bronchoalveolar lavage fluid from horses with recurrent airway obstruction after aerosol and parenteral administration of beclomethasone dipropionate and dexamethasone, res...

  • 馬の開腹術での術前予測は当たる?

    話題 - 2022/08/18

    馬の疝痛に対して開腹術をするか否かの判断は、獣医師にとってもホースマンにとっても悩みどころだと言えます。一般的に、馬は他の家畜と比べて、消化器疾患での死亡率が高く、治療費も高額になり易いという特徴があります。また、開腹術が選択肢にあった場合でも、術前に確定診断が下せないため、手術適応かの判断が難しいというケースも多く見られます。このため、診断名ではなく、疝痛馬の臨床症状や検査所見から、開腹術後の予...

  • ハミが馬の口内に与える影響

    馬の飼養管理 - 2022/08/18

    ハミによる口内病態の調査ハミ(銜)は頭絡の一部として、馬の口内の歯槽間縁(切歯と臼歯の隙間)に設置されており、手綱を介してライダーの細かい扶助を馬に伝える役目を担っています。ヒトが馬に乗ることにおいて、ハミは鐙(アブミ)と並んで、歴史上も重要な発明の一つであると言えます。しかし、ハミは、敏感な口腔粘膜に作用させているため、ムチや拍車以上に、注意して使う必要のある馬具なのかもしれません。近年では、ハ...

  • 馬を夜間だけ放牧させるメリット

    馬の飼養管理 - 2022/08/18

    馬の夜間だけ放牧させることの利点について紹介されています。一般的に、厩舎飼いされている馬であっても、一定の時間を放牧場で過ごすことで、馬房で退屈する時間が減らせるため、気性や性格が温和になったり、サク癖や熊癖などの悪癖を予防できるというメリットがあります。また、牧草地に放すことが可能であれば、新鮮な青草を摂取させることが可能となって、ミネラルや電解質の不足を補って健康状態の向上につながるだけでなく...

  • 馬の治療蹄鉄によって血流障害?

    話題 - 2022/08/17

    馬の装蹄療法に用いられる蹄鉄の作用が調査されています。参考文献: Mieszkowska M, Adamiak Z, Holak P, Głodek J, Jastrzębska E, Wolińska K, Mieszkowski M. The Effect of Horse Shoeing with Egg Bar Shoes and Shoes with Wedge Pads on the Results of Thermal Imaging of the Equine Distal Limb. Animals (Basel). 2021 May 21;11(6):1479.この研究では、エッグバー蹄鉄、および、ヒールパッド(蹄踵を挙上させる楔形の...

  • 乗馬のDDSPはクスリで治せる

    馬の飼養管理 - 2022/08/17

    乗馬のDDSPについてDDSPとは、軟口蓋背方変位(Dorsal displacement of soft palate: DDSP)の略称で、特に、競走馬などの襲歩運動をする馬において問題となる上部気道疾患です。この病気では、本来は軟口蓋の上に乗っかっている喉頭蓋が、その下方に落ち込んでしまい、軟口蓋が気管の入り口を部分的に閉塞するため、呼吸器雑音や発咳、運動不耐性(プアパフォーマンス)を起こしてしまいます。このDDSPと、下部気道炎症とのあいだ...

  • 馬の飼養管理における7つの誤解

    馬の飼養管理 - 2022/08/16

    馬の飼養管理について、昔からホースマンのあいだで言われている通説がありますが、その中には勘違いや誤解も含まれているようです。今回は、そのような誤解を7つ紹介します。参考資料:Janicki KM. 7 Equine Nutrition Myths Busted. The Horse, Topics: Jan3, 2022.誤解1:馬は本能的に足りない栄養素を知っている馬が土や砂、コンクリの壁などを舐めていると、馬自身が体に不足している栄養素を感じていて、本能的にそれを補...

  • 盲導“馬”の普及と課題

    未分類 - 2022/08/16

    介助動物としてのミニチュアホースが話題になっています。一般的に、馬と言えば競走馬のレースや、乗馬の競技を思い浮かべますし、障害者のための介助動物といえば、盲導犬などのイヌを思い浮かべることが多いのかもしれません。しかし、2019年に、アメリカの運輸省は、盲導“馬”として使用されているミニチュアホースが、飛行機に搭乗することを許可すると発表しました。その結果、実際にミニチュアホースを連れて空の旅をエンジョ...

  • 馬の“ヘルペス禍”にはワクチンより行動制限?

    話題 - 2022/08/15

    馬の“ヘルペス禍”についてご存じのように、ヒト社会が“コロナ禍”に見舞われてから二年以上が経ち、ワクチンの普及に伴って、ようやく事態の沈静化に向かいつつあります。一方、欧州のウマ社会における“ヘルペス禍”は、一年半が経った現在も、未だに深刻なエピデミック(地域的大流行)が続いています。通常、馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)は、肺炎・流産・神経症状などを起こし、日本では馬鼻肺炎の病原体として繁殖地でのワク...

  • 馬の文献:喉嚢蓄膿症(Munoz et al. 2008)

    文献 - 2022/08/15

    「馬の喉嚢の外側区画に対する起立位手術での外科的アプローチ:忘れられていたガーム手技の改変」Munoz JA, Stephen J, Baptiste KE, Lepage OM. A surgical approach to the lateral compartment of the equine guttural pouch in the standing horse: modification of the forgotten "Garm technique". Vet J. 2008; 177(2): 260-265.この研究論文では、馬の喉嚢蓄膿症(Guttural pouch empyema)および類軟骨形成(Chondroid f...

  • 馬の救急箱に準備するものリスト

    馬の飼養管理 - 2022/08/14

    馬の救急箱について牧場や乗馬クラブでは、急な馬の怪我や病気に備えて、救急箱に色々な物品が準備されていると思います。ここでは、そのような救急箱に準備しておく物のリストの一例を紹介します。基本的に、海外の馬関連情報源を参照していますが(下記リンク)、日本において獣医師の処方が必要となる物品や薬品は別記又は省略しています。また、あくまで一つの例ですので、個々の牧場やクラブでの病気の発生状況を見て、必要な...

  • 高齢馬の飼養管理の基礎

    馬の飼養管理 - 2022/08/14

    自馬が高齢になりつつあるホースマンの中には、飼料に関する疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。近年の栄養学や獣医学、飼養管理に関する知見の蓄積によって、馬は高齢になっても活躍できる時代になってきました。しかし、栄養学の発展で分かってきたのは、高齢馬には特有のエサが必要という事だけでなく、給餌内容を変更するタイミングには個体差が大きいということです。つまり、高齢馬用のエサに変更する時期は、年...

  • 馬の繋皹での常在菌の役割

    馬の飼養管理 - 2022/08/13

    馬の繋皹がなかなか治らず苦労しているというホースマンの声を頂きました。繋皹は、馬の繋部の後面に起こる多因子性皮膚炎で、正角化過角化症(Orthokeratotic hyperkeratosis)の病態を取ることが知られています[1]。罹患部位は、肉芽腫性から葡萄状の病変となり、抗生物質や医療用シャンプーによる治療が行なわれますが、病変が難治性であったり、再発しやすいなど、飼養管理者を悩ませる病気です。ここでは、馬の繋皹における皮...

  • 馬を天国に送るという獣医師の責務

    診療 - 2022/08/13

    馬を天国に送るということは、獣医師にとってもホースマンにとっても辛い瞬間です。しかし、正しく安楽殺を実施することで、馬の福祉とウェルフェアに貢献できる一面もあります。昨今の日本でも、馬の安楽殺について関心が持たれる事象もありました。ここでは、馬の安楽殺に関する海外の知見をご紹介いたします。注意事項:本記事は、動物の安楽殺に関する内容を含みます。ご不快に感じられる記述もあるかもしれませんので、ご心配...

  • 熱射病の予防には競技前のクールダウン

    馬の飼養管理 - 2022/08/12

    馬の熱射病を予防する方策として、競技前のクールダウンが推奨されています。熱射病とは、暑熱や運動による体温上昇に、発汗による脱水が重なって、体温調節がうまく出来なくなり、深刻な健康障害をきたす病気を指します。馬においては、特に、総合馬術の野外走行競技においては、熱射病になる危険性が高いことが知られています。このため、この競技の開始前に馬体をクールダウンさせることで、熱射病の予防を図るという手法が提唱...

  • ハダシの馬が金メダル

    馬の飼養管理 - 2022/08/12

    ハダシで金メダルを取った障害飛越馬が話題になりました。昨年の東京オリンピックの障害飛越では、スウェーデンが団体で金メダルを獲りましたが、そのうちの2頭(オールイン号とキングエドワード号)は、ハダシつまり裸蹄(Barefoot)で競技に参加しました。FEI獣医局長のゴーラム・エイカーストーム氏は、もし裸蹄がその馬に合っていて、正しい管理と環境を伴うのであれば、裸蹄で競技に参加することは好ましいことだ、と述べて...

  • 馬のフレグモーネ治療:8つの秘訣

    馬の飼養管理 - 2022/08/11

    馬のフレグモーネについてフレグモーネとは、蜂窩織炎とも呼ばれ、皮下組織に広汎な細菌感染と腫脹を起こす疾患です。ホースマンが頻繁に目にする病気の一つで、平均では年間5頭以上も遭遇するという報告もあります。通常は見た目で診断がつき、治療としては、抗生剤(筋注または経口)および抗炎症剤(NSAID)の投与、水冷療法、曳き馬運動(腫れを減退させる)などが行なわれます。一般的に、抗生剤投与は五日間程で、腫れや跛行...

  • 馬の文献:喉嚢蓄膿症(Schaaf et al. 2006)

    文献 - 2022/08/11

    「広範囲にわたる喉嚢内の類軟骨形成に対する外科的療法が応用されたウォームブラッドの一症例」Schaaf KL, Kannegieter NJ, Lovell DK. Surgical treatment of extensive chondroid formation in the guttural pouch of a Warmblood horse. Aust Vet J. 2006; 84(8): 297-300.この研究論文では、喉嚢(Guttural pouch)の内部での、広範囲にわたる類軟骨形成(Extensive chondroid formation)に対する外科的療法(Surgical treat...

  • 馬の感電死:5つの予防対策

    馬の飼養管理 - 2022/08/10

    馬の感電死について馬はヒト以上に「感電死」(Electrocution)に気をつけた方が良いと言われています。十年程前の晩冬の或る日、英国のニューベリー競馬場で一つの事件が起きました。この日に出走予定だった2頭の競走馬が、レース前のパドックで曳かれていた時、急に地面に崩れ落ちて突然死しました。2頭の馬がほぼ同時に亡くなった事から、心臓麻痺や中毒とは考えられず、現場検証の結果、付近の電気回線から漏電が発生してお...

  • 馬の気性を落ち着かせるサプリ(2022年版)

    馬の飼養管理 - 2022/08/10

    馬の気性を落ち着かせるサプリメントに関して疑問を持たれているホースマンも多いのかもしれません。ここでは、そのようなサプリメントを比較して紹介します。馬の気性を落ち着かせ、性格を温和にする成分としては、マグネシウム、L-トリプトファン、ビタミンB1の3つが重要だと言われています。マグネシウムは神経伝達物質であるため、不足すると馬の性格が神経質で短気になると言われており、飼料中の含有量が低い場合も多いこと...

  • 馬の結腸の生存能検査

    話題 - 2022/08/09

    馬の結腸の生存能検査について馬の結腸捻転では、捻じれた箇所より遠位側に虚血性壊死を生じて、結腸の切除および吻合術が必要となるケースもあります。しかし、その際には、術中に腸管の生存能を判定して、切除吻合術を行うか否か、また、そのまま安楽死処置を選択するかを判断する必要があります。しかし、罹患部位の漿膜面の色、および、骨盤曲切開部の粘膜の色などに基づく腸管生存率は、約50%の信頼性しかないことが示されて...

  • 馬の腎脾間捕捉でのローリング法

    診療 - 2022/08/09

    腎脾間捕捉(Nephrosplenic entrapment)におけるローリング法について。大結腸左背方変位(Large colon left dorsal displacement)の罹患馬における腎脾間捕捉は、脾臓と左側腹膜の間に変位した大結腸が脾臓と腎臓の隙間に引っ掛かった状態を指します(上図A)。ローリング法では、フェニレフリン投与で脾臓を収縮させた後、右側横臥位(Right lateral recumbency:上図B)によって全身麻酔を導入します。その後、後肢を起重機で...

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Author:Rowdy Pony
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