2023年06月のエントリー一覧
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馬の文献:飛節内腫(Dechant et al. 2003)
文献 - 2023/06/30「馬の遠位飛節の骨関節炎に対する遠位足根関節固定術のための三穴ドリル法の応用:1990〜1999年の54症例」Dechant JE, Baxter GM, Southwood LL, Crawford WH, Jackman BR, Stashak TS, Trotter GW, Hendrickson DA. Use of a three-drill-tract technique for arthrodesis of the distal tarsal joints in horses with distal tarsal osteoarthritis: 54 cases (1990-1999). J Am Vet Med Assoc. 2003 Dec 15;223(12):1800-5. こ...
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電磁波馬着で馬の背筋痛を改善
馬の飼養管理 - 2023/06/28近年の研究では、電磁波を出す馬着を用いることで、運動神経制御や脊椎柔軟性を向上させて、馬の背筋痛を緩和できることが示されており、炎症や硬化などの副作用も無いと言われています。参考資料:Christa Leste-Lasserre, MA. Bio-Electromagnetic Blanket Can Help Horses With Back Pain. The Horse, Article, Back and Spine, Horse Care, Pain Management, Sports Medicine, Tack: Jan 31, 2023. 先端技術を応用したこの馬着...
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馬の開腹術での抗生物質投与の傾向
話題 - 2023/06/26一般的に、馬は細菌感染に弱い動物であることが知られており、疝痛の開腹術においては、術創感染や腹膜炎を抑えるため、術前および術中の抗生物質投与が重要な要素を占めています。ここでは、馬の開腹術での抗生物質投与に関して、米国の内科および外科の専門医資格を持った113名の獣医師に対して、聞き取り調査を行なった知見を紹介します。参考文献:Rockow M, Griffenhagen G, Landolt G, Hendrickson D, Pezzanite L. Current ...
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疝痛の獣医療での地域差:ノルウェー
話題 - 2023/06/24馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、北欧のノルウェーにおける、馬の疝痛の獣...
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馬の文献:飛節内腫(Adkins et al. 2001)
文献 - 2023/06/23「骨関節炎を呈した17頭の馬に対する遠位足根関節の外科的関節固定術」Adkins AR, Yovich JV, Steel CM. Surgical arthrodesis of distal tarsal joints in 17 horses clinically affected with osteoarthritis. Aust Vet J. 2001 Jan;79(1):26-9. この研究では、馬の飛節内腫に対する外科的治療の効能を評価するため、豪州のマードック大学の獣医病院において、遠位足根関節の骨関節炎を呈した17頭の馬に対して、ドリル穿孔による...
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馬に給餌するオイルの種類
馬の飼養管理 - 2023/06/21ホースマンの中には、毛艶や肉付きの向上を目的として、飼料へのオイル添加を試みる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、馬に給餌するオイルについて解説した知見を紹介します。参考資料:Clair Thunes, PhD. Choosing the Right Type of Oil for Your Horse. The Horse, Article, Commentary, Equine Nutrition FAQs, Feeding Fats, Nutrition, Nutrition Basics: May 29th, 2023.一般的に、馬にオイルを給餌することで、...
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馬獣医としての仕事と趣味のバランス
未分類 - 2023/06/19米国のテキサス州のジャスティン・ハイ獣医師は、リアタ馬病院のオーナーであると同時に、家庭の良きパパでもあり、また、トライアスロンの選手でもあります。ハイ獣医師は、肉体的にも精神的にも過酷なスポーツのトレーニングに、人生の多くの時間を費やしており、アイアンマン競技にも参加しています。参考資料:Jennifer Selvig, DVM. Can Equine Practitioners Also Be Elite Athletes? The Horse, 2022 AAEP Veterinarian Wel...
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疝痛で獣医を呼ぶときの判断基準
話題 - 2023/06/17馬の消化器疾患(疝痛)は、ホースマンが獣医師に緊急連絡する理由の第一位となっています。そして、疝痛の原因疾患の中には、早期治療が重要なものも多いことから、ホースマンが、馬が疝痛を起こしているかを見分け、その疝痛がどれほど深刻であるかを正しく判断することが重要となってきます。ここでは、ホースマンが疝痛馬に遭遇したときに、どのような状況で獣医師に連絡するかの判断基準を調査した知見を紹介します。この研究...
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馬の文献:飛節内腫(Axelsson et al. 2001)
文献 - 2023/06/16「アイスランドホースの飛節遠位の変性関節疾患による後肢跛行の危険因子」Axelsson M, Bjornsdottir S, Eksell P, Haggstrom J, Sigurdsson H, Carlsten J. Risk factors associated with hindlimb lameness and degenerative joint disease in the distal tarsus of Icelandic horses. Equine Vet J. 2001 Jan;33(1):84-90. この症例論文では、馬の飛節内腫の原因を解明するため、飛節遠位の変性関節疾患(DJD)に起因する後肢跛...
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高齢馬での便秘疝の予防対策
馬の飼養管理 - 2023/06/14馬の疝痛のなかでも、最も多い原因疾患は便秘疝だと言われており、通常これは、大結腸の食滞を指しています。ここでは、三十歳近い高齢馬に起こった便秘疝に関して、その再発予防のための対策を述べた知見を紹介します。参考資料:Clair Thunes, PhD. Preventing Impaction Colic Recurrence: Our equine nutritionist offers feeding advice to minimize the risk of impaction colic in senior horses. The Horse, Article, Coli...
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馬の外傷にバンテージを巻くべきか?
馬の飼養管理 - 2023/06/12ホースマンにとって、馬が外傷を負ったときに、バンテージを巻くかどうかは迷いどころかもしれません(特にキズが浅い場合には)。ここでは、馬の外傷にバンテージを巻くべきかについて解説した知見を紹介します。参考資料:Christa Leste-Lasserre, MA. Managing Horse Wounds: To Bandage or Not to Bandage? The Horse, Article, Horse Care, Injuries & Wounds, Lameness, Lower Limb, Wound Management: Mar 23rd, 2023. 参考...
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ホースマンが疝痛を判断する指標
話題 - 2023/06/10馬の消化器疾患(疝痛)は、ホースマンが獣医師に緊急連絡する理由の第一位となっています。そして、疝痛の原因疾患の中には、早期治療が重要なものも多いことから、ホースマンが、馬が疝痛を起こしているかを見分け、その疝痛がどれほど深刻であるかを正しく判断することが重要となってきます。ここでは、ホースマンが疝痛症状を判断するときの傾向を調査した知見を紹介します。この研究では、英国のノッティンガム大学のもので、...
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馬の文献:離断性骨軟骨炎(Clarke et al. 2015)
文献 - 2023/06/09「若齢サラブレッドの膝関節や飛節の離断性骨軟骨炎の治療」Clarke KL, Reardon R, Russell T. Treatment of osteochondrosis dissecans in the stifle and tarsus of juvenile thoroughbred horses. Vet Surg. 2015 Apr;44(3):297-303. この症例論文では、馬の離断性骨軟骨炎(OCD)の外科的治療の効能を評価するため、2002~2008年にかけて、豪州の馬病院において、膝関節(37頭)または飛節(35頭)にOCD病変を発症して、X線検...
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馬のクッシング病の薬物療法での長期的効能
馬の飼養管理 - 2023/06/07馬のクッシング病は、下垂体中葉機能異常(PPID: Pituitary pars intermedia dysfunction)のことを指しています。近年、ウマの寿命の伸びに比例して、高齢馬のクッシング病も増えており、その薬物療法に関するエビデンスも示されています。ここでは、馬のクッシング病に対する治療薬の効き目を、長期的に評価した知見を紹介します。参考資料:Christa Leste-Lasserre, MA. Pergolide Study Shows Long-Term Improvement in PPID H...
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馬の疝痛での電話トリアージ
話題 - 2023/06/05馬の疝痛は、消化器疾患による腹痛症状を指しており、現代でも、馬の死亡率の第一位を占めています。そして、腸捻転や腸変位など、生死に関わる重篤な病態では、緊急の開腹術を要することが一般的です。このため、疝痛馬への対応を判断するときには、正確な診断名を確定することよりも、その疝痛が早急な手術を要するのか、それとも、保存療法を選択してジックリ経過を見て構わないのか、という見分けが重要になってきます。一般的...
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馬の文献:離断性骨軟骨炎(McCoy et al. 2015)
文献 - 2023/06/04「スタンダードブレッドのトロッターとペイサーでの飛節骨軟骨症の早期外科的介入における短期的及び長期的な競走能力」McCoy AM, Ralston SL, McCue ME. Short- and long-term racing performance of Standardbred pacers and trotters after early surgical intervention for tarsal osteochondrosis. Equine Vet J. 2015 Jul;47(4):438-44. この症例論文では、馬の骨軟骨症(OC)に対する外科的治療の有効性を評価するため、200...
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健康な肢でも運動後に水冷すべきか?
馬の飼養管理 - 2023/06/02乗用馬の騎乗後には、冷水を掛けたり、氷冷ブーツの装着などで肢を冷やす措置がよく行なわれています。しかし、怪我や故障をした肢を、治療する目的で冷やす以外にも、問題の起きていない健康な肢でも冷やすべきか?というのは自然な疑問だと言えます。ここでは、運動後の水冷が、怪我や故障の予防になるのかを解説した知見を紹介します。参考資料:Matt Leshaw, DVM. Can Cold Therapy Safeguard Sport Horses From Injury? Shoul...