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2023年12月のエントリー一覧

  • 子馬が怪我しやすい放牧のやり方

    馬の飼養管理 - 2023/12/31

    秋季から冬季に入ると、乳離れも完了して、子馬を放牧飼養している牧場が多いかもしれません。ただ、子馬の放牧のやり方によっては、怪我や運動器の疾患を誘発してしまう危険性があります。そこで、下記の研究では、子馬の放牧方針と怪我の関係性を検証するため、英国の六箇所の繁殖牧場において、子馬の誕生から退厩までの飼養管理記録と、その間の怪我や故障の発生状況が調査されて、ハザード比(HR)の算出による危険因子の評価...

  • セレン投与による馬の抗酸化作用

    話題 - 2023/12/30

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。このうち、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)等の抗酸化酵...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Ramzan et al. 2013)

    文献 - 2023/12/29

    「馬の脚部繋靭帯における不症候性のエコー画像上の異常所見:60頭のサラブレッド競走馬の調査」Ramzan PH, Palmer L, Dallas RS, Shepherd MC. Subclinical ultrasonographic abnormalities of the suspensory ligament branch of the athletic horse: A survey of 60 Thoroughbred racehorses. Equine Vet J. 2013 Mar;45(2):159-63.この症例論文では、馬の繋靭帯炎におけるエコー検査の診断能を向上させるため、米国のケンタッ...

  • 疝痛馬の開腹術後に起こる大腸炎の危険因子

    話題 - 2023/12/27

    一般的に、馬という動物は、開腹術での予後が悪くなりやすいことが知られており、その要因となる術後合併症としては、術創感染、イレウス、内毒素血症、静脈炎、腹膜炎、下痢症、および、大腸炎が挙げられています。また、馬が二次病院で術後入院しているときに起こる大腸炎(Post-operative colitis)は、その発症率が9〜13%に達して[1]、生存率の低下と治療費の高騰に繋がることが知られています。ここでは、疝痛馬の開腹術のあ...

  • 乗用馬の腱鞘炎に対する腱鞘鏡手術

    話題 - 2023/12/26

    一般的に、非感染性の腱鞘炎(Non-septic tenosynovitis)は、腱鞘と呼ばれる、腱組織を包んでいる袋状の滑膜組織に、細菌感染を伴わない炎症を生じる病態を指し、馬の球節〜繋ぎの後面にある指屈筋腱鞘(Digital flexor tendon sheath)に好発することが知られています。この疾患では、腱鞘壁そのものの損傷のほか、深屈腱炎、屈腱袖の裂傷、輪状靭帯炎、および、浅屈腱炎を伴うことが多く、このうち、前者2つにおいては、乗用馬...

  • オイルによる冬場での馬の体重維持

    馬の飼養管理 - 2023/12/24

    一般的に、冬には馬の食欲が減り、筋肉量も落ちることが多いため、春の競技/競走シーズンに向けて、体重維持に苦心されているホースマンもいらっしゃるかもしれません。そして、冬場の飼養管理としては、乾草や濃厚飼料に併行して、飼料にオイルを加えることで、摂食物の容積をあまり変えずにカロリー量を増やすことも一案になります。ここでは、飼料へのオイル添加によって、冬季における馬の体重を維持することに関する知見を紹...

  • 高濃度ビタミンC療法による馬の抗酸化作用

    話題 - 2023/12/23

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。このうち、ビタミンC(アスコルビン酸)は、ROSスカベンジャ...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Garrett et al. 2013)

    文献 - 2023/12/22

    「サラブレッドの近位種子骨炎と脚部繋靭帯炎に対する種子骨付着部への多血小板/白血球血漿の注射療法」Garrett KS, Bramlage LR, Spike-Pierce DL, Cohen ND. Injection of platelet- and leukocyte-rich plasma at the junction of the proximal sesamoid bone and the suspensory ligament branch for treatment of yearling Thoroughbreds with proximal sesamoid bone inflammation and associated suspensory ligament branc...

  • 湿らせた乾草による馬の息労への影響

    馬の飼養管理 - 2023/12/20

    高齢馬においては、ヒトの喘息に類似した呼吸器病が起こることがあり、これを、回帰性気道閉塞(いわゆる息労:Recurrent airway obstruction)と呼んでいます。馬の息労は、舎飼いされている個体に好発し、ホコリや厩舎ダストに対するアレルギー反応が病因になると考えられています。このため、息労の治療に際しては、抗炎症剤や気管支拡張剤などの薬物療法に併行して、吸引されるアレルゲンを少なくする飼養管理が重要だと言われ...

  • 馬の浅屈腱炎における弾性率測定

    話題 - 2023/12/19

    一般的に、競走馬に好発する浅屈腱炎(Superficial digital flexor tendinitis)は、腱組織の微細損傷が蓄積することで、重篤な腱線維の断裂に至ることで発症すると考えられています。しかし、馬の腱疾患の診断に汎用される超音波検査では、どうしても屈腱炎の病態が過小評価されるため、初期の病変を早期発見するには感度が十分ではないケースがあることが知られています。このため、今回は、音響放射力インパルスによる弾性率測...

  • 冬場に馬の飲水量を維持させるには

    馬の飼養管理 - 2023/12/17

    冬季になり、愛馬の飲水量が減ってくることに不安を抱いているホースマンの皆様も多いかもしれません。馬が飲水不足になると、体調不良になったり、疝痛を引き起こすこともあるからです。ここでは、冬場において馬に飲水させる方法について解説した知見を紹介します。参考文献:Managing Your Horse’s Water Intake in Cold Weather (The Horse. Dec 8th, 2023) 基本的に、馬には六つの異なる栄養素が必要です。これには、炭水化物...

  • 馬の子宮内膜炎に対するオゾン療法

    話題 - 2023/12/16

    一般的に、オゾンガスは、3つの酸素原子からなる同素体で、腐食性の高い有毒な気体ですが、その酸化作用によって、細胞膜の糖蛋白や糖脂質を標的とすることで、食品の殺菌目的に使用されています[1]。また、獣医療の領域では、牛の乳房炎における殺菌処置として応用されているほか[2]、オゾンが細菌のバイオフィルムを撹乱することから[3]、馬の子宮内膜炎での治療効果があるという報告もあります[4]。そこで、下記の研究では、ド...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Castelijns et al. 2011)

    文献 - 2023/12/15

    「馬の繋靭帯損傷の治療のための濾過処置血小板濃縮液の評価」Castelijns G, Crawford A, Schaffer J, Ortolano GA, Beauregard T, Smith RK. Evaluation of a filter-prepared platelet concentrate for the treatment of suspensory branch injuries in horses. Vet Comp Orthop Traumatol. 2011;24(5):363-9. この症例論文では、馬の繋靭帯炎に対する自家血小板の注射療法の治療効果を検証するため、繋靭帯損傷を発症した11頭の...

  • ヒトの糖尿病薬による馬のクッシング病の治療

    話題 - 2023/12/13

    一般的に、馬のクッシング病(正式名:下垂体中葉機能不全[PPID])に対する内科的療法としては、過剰分泌されたACTHの作用を緩和させる薬剤と、高インスリン血症(Hyperinsulinemia)を制御する薬剤の二種類が適応されます。このうち、前者にはペルゴリド(ドパミン作動薬)やシプロヘプタジン(セロトニン拮抗薬)が含まれ、後者にはメトフォルミン(糖尿病薬)やピオグリタゾン(血糖降下薬)が含まれますが、後者に関しては、馬...

  • 競走馬の浅屈腱炎におけるエコー検査での予後判定

    話題 - 2023/12/11

    競走馬に発症する浅屈腱炎(Superficial digital flexor tendinitis)は、治癒に長期間の休養を要すること、および、騎乗復帰後の再発率が高いことから、経済的損失の大きい疾患であると言えます。このため、浅屈腱炎が発症した時点で、レース復帰できるか否かを正確に予測することで、治療か転用かの判断を下すことが重要になってきます。そこで、下記の研究では、2003〜2014年にかけて、前肢の浅屈腱炎を発症した香港の競走馬469...

  • イーロス(EOTRH)の有病率と病因論

    話題 - 2023/12/09

    近年、馬の獣医学で提唱されている歯科疾患として、ウマ破歯細胞性歯再吸収及びセメント質肥大症(EOTRH: Equine odontoclastic tooth resorption and hypercementosis)という病気があります。臨床的に認識されてから、まだ二十年程度の疾患であるため、未解明な要素もありますが、ここでは、EOTRHの有病率と既往歴から病因の解明を試みた知見を紹介します。下記の研究では、ドイツで飼養されている154頭のアイスランド種の馬(15...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Toth et al. 2008)

    文献 - 2023/12/08

    「近位繋靭帯炎の跛行に伴う外側底側神経深部枝の圧迫損傷」Toth F, Schumacher J, Schramme M, Holder T, Adair HS, Donnell RL. Compressive damage to the deep branch of the lateral plantar nerve associated with lameness caused by proximal suspensory desmitis. Vet Surg. 2008 Jun;37(4):328-35.この症例論文では、馬の繋靭帯炎の病態に関する知見を深化させるため、米国のテネシー大学の獣医病院にて、2003〜2006年に...

  • 馬の舟状骨の嚢胞に対するドリル掻爬術

    話題 - 2023/12/06

    馬の舟状骨症候群(Navicular syndrome:ナビキュラー病)は、乗用馬の前肢に好発し、慢性進行性の蹄踵疼痛を起こす疾患です。この症候群は、舟状骨そのものに退行性変化を起こす場合だけでなく、舟状骨の周囲にある軟部組織(舟嚢、深屈腱、舟状骨繋靭帯、不対靭帯)の炎症や変性を起こす場合が含まれます。ここでは、舟状骨症候群のなかでも、舟状骨に嚢胞様病変を生じた際の治療法として、ドリル穿孔による嚢胞組織の掻爬術を応...

  • 馬の虚血再灌流障害でのデクスメデトミジン点滴

    話題 - 2023/12/04

    馬の小腸の絞扼性疾患(空腸捻転や有茎性脂肪腫、網嚢孔捕捉など)では、絞扼を整復して虚血していた箇所に血流を回復させると、その再灌流が原因で組織損傷が起こってしまうという現象が知られており、また、その際に流出する炎症性物質によって、他の部位の腸管が通過障害(術後イレウス)を続発したり、全身の多臓器が損傷を受けるという危険性が指摘されています。ここでは、そのような虚血再灌流障害(Ischemia-reperfusion i...

  • イーロス(EOTRH)のX線診断

    話題 - 2023/12/02

    近年、馬の獣医学で提唱されている歯科疾患として、ウマ破歯細胞性歯再吸収及びセメント質肥大症(EOTRH: Equine odontoclastic tooth resorption and hypercementosis)という病気があります。臨床的に認識されてから、まだ二十年程度の疾患であるため、未解明な要素もありますが、ここでは、EOTRHのX線診断に関する知見を紹介します。なお、EOTRHという病名の略号は、英語圏では「イーロス[“E-roth”]」と発音されているようです...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Waselau et al. 2008)

    文献 - 2023/12/01

    「スタンダードブレッド競走馬の体部繋靭帯炎に対する多血小板血漿の病巣内注射と運動管理療法」Waselau M, Sutter WW, Genovese RL, Bertone AL. Intralesional injection of platelet-rich plasma followed by controlled exercise for treatment of midbody suspensory ligament desmitis in Standardbred racehorses. J Am Vet Med Assoc. 2008 May 15;232(10):1515-20.この症例論文では、馬の繋靭帯炎に対する多血小板血漿(P...

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プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: アラフィフ
住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
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