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2024年01月のエントリー一覧

  • 野外走行の総合馬における不整脈

    話題 - 2024/01/31

    一般的に、突然死(サドンデス)とは、健康な生活を営んでいた個体が急に死亡する現象を指します。幸いにも、ヒトでも動物でも、極めて稀な事象ではありますが、治療は間に合わないため、如何に未然に防ぐかが鍵となります。このため、馬の突然死においても、その病因の特定、および、発生に寄与する危険因子を解明して、突然死の予防を図ることが重要になってきます。ここでは、総合馬術での野外走行(Cross-country phase of eve...

  • 馬の長期的なキャスト装着における合併症

    話題 - 2024/01/30

    馬のキャスト固定は、外固定法の一つで、骨折の保存療法のほか、肢軸異常の矯正や重度皮膚欠損を治療する目的で、比較的頻繁に実施されますが、合併症も一定確率で起こり得ることが知られています。ここでは、長期的なキャスト装着によって、馬の運動器に生じる生理学的影響について評価した知見を紹介します。下記の論文は、米国のコロラド州立大学の馬整形外科研究センターでの研究で、八頭の健常馬を用いて、八週間にわたるキャ...

  • 馬の下痢症による致死率と蹄葉炎の発症率

    話題 - 2024/01/28

    一般的に、馬の下痢症は、入院治療の主要な要因の一つであり、深刻な脱水や敗血症(SIRS)を起こして斃死したり、蹄葉炎を続発して予後不良を呈する症例も多いと言えます。ただ、実際の診療の場面になると、馬の下痢症の原因となる病原体は、五割以上の症例で特定されないことも報告されています。ここでは、馬の下痢症の病原体による致死率、および、蹄葉炎の発症率を比較した知見を紹介します。下記の研究では、六カ国(米国、英...

  • 馬の輸送におけるホースマンの怪我

    話題 - 2024/01/27

    馬という動物にとって、馬運車での輸送はストレスの多い行為であるため、怯えたり興奮することで、人馬の事故や怪我に繋がる可能性もあります。ここでは、馬の輸送におけるホースマンの怪我について調査した知見を紹介します。下記の研究では、ニュージーランドのマッセ―大学の獣医病院において、一頭以上の馬を所有するホースマン(1,067人)に対して聞き取り調査が行なわれ、馬の輸送に関連したヒトの怪我の発生状況の調査、およ...

  • 馬の文献:蜂窩織炎(Markel et al. 1986)

    文献 - 2024/01/26

    「競走馬でのコアグラーゼ陽性スタフィロコッカス属菌による蜂窩織炎:1975~1984年の九症例」Markel MD, Wheat JD, Jang SS. Cellulitis associated with coagulase-positive staphylococci in racehorses: nine cases (1975-1984). J Am Vet Med Assoc. 1986 Dec 15;189(12):1600-3.この症例論文では、馬の蜂窩織炎に対する治療効果や予後を検証するため、米国のカリフォルニア大学デービス校の獣医病院において、1975~1984年に...

  • 若齢馬の後膝の骨軟骨症と将来の競走能力

    話題 - 2024/01/24

    若齢馬の病気を診療するときには、成馬になったときのパフォーマンスへの影響も考慮する必要があります。一般的に、馬での後膝の骨軟骨症(Stifle osteochondrosis)では、内顆のボーンシスト、および、外側/内側滑車の離断性骨軟骨炎(OCD)の病態を取りますが、この二つでは、治療法や予後に差異があります。ここでは、若齢馬の大腿膝蓋関節のOCDにおける病態把握と、将来の競走能力への影響を評価した知見を紹介します。下記の...

  • 馬の経鼻チューブ処置のための教育用模型

    話題 - 2024/01/23

    一般的に、馬は、嘔吐が殆ど出来ない動物であるため、経鼻チューブで胃へとアクセスすることは、馬の消化器疾患の診察において非常に重要になります。しかし、馬の飼養頭数の多い欧米諸国の獣医大学ですら、卒業前の獣医学生が、実馬を使って経鼻チューブ処置の練習をするのは難しいと言われています。何故なら、経鼻チューブを挿入する作業では、鼻腔・食道・胃の粘膜に負担を掛けるだけでなく、稀にではありますが、手技のミスか...

  • 馬はペアで放牧すると安眠できる?

    馬の飼養管理 - 2024/01/21

    一般的に、馬は立ったまま休息できる動物ですが、レム睡眠(Rapid-eye movement [REM] sleep)をするためには横たわる必要があると言われています。そして、レム睡眠という深い休息時間を十分に取ることが、競技・競走能力の向上、穏やかな気性の維持、および、ウェルフェアに則した飼養管理のために重要であると言われています。ここでは、馬がレム睡眠する時間を増やすため、横たわって休息する時間を増加できる放牧管理法を検証...

  • 馬の腹水検査における好中球細胞外トラップ

    話題 - 2024/01/20

    腹水検査は、疝痛などの馬の腸管疾患での診断法の一つとして実施されており、罹患臓器のすぐ傍にある体液の性状を評価できる点で、多様な腹腔内病態の有無や重篤度を診断する一助になると言われています。ここでは、腹水検査および滑液検査において、好中球細胞外トラップ(Neutrophil extracellular trap: NET)を視認することで、細菌性の炎症病態を診断する手法を検証した知見を紹介します。下記の研究では、豪州のチャールズ・...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Hinnigan et al. 2014)

    文献 - 2024/01/19

    「馬の外側底側神経深部肢の麻酔は近位中足部疼痛を特異的に診断できるか?」Hinnigan G, Milner P, Talbot A, Singer E. Is anaesthesia of the deep branch of the lateral plantar nerve specific for the diagnosis of proximal metatarsal pain in the horse? Vet Comp Orthop Traumatol. 2014;27(5):351-7.この研究論文では、馬の繋靭帯における診断法の信頼性を検証するため、後肢跛行を呈した20頭の症例馬に対して、外側底...

  • 馬のヘルペス脳炎に対するヤヌスキナーゼ阻害薬

    話題 - 2024/01/17

    一般的に、馬ヘルペスウイルス(Equine herpesvirus: EHV)は、馬鼻肺炎の原因ウイルスで、呼吸器症状や流産を起こします。また、一型ウイルス(EHV-1)では、馬ヘルペス脳炎(Equine herpesvirus myeloencephalopathy)と呼ばれる、致死率の高い神経症状を呈することがあり、近年では、この疾患が欧州諸国でエピデミックを起こしたことで、馬の獣医療における重要性が高まってきました。通常、ヘルペスウイルスが中枢神経に感染・...

  • 馬の角膜潰瘍に対する大腿筋膜移植術

    話題 - 2024/01/16

    競走馬に好発する潰瘍性角膜炎(Ulcerative keratitis)は、眼疾患全体の約半数を占めており、重篤になった場合には視力障害の原因となり、長期的な休養と治療が必要になってきます。また、日本国内の競馬では、失明馬の出走が制限されているため、経済的な側面から見ても、角膜潰瘍を適切に治療して視力を維持することが重要であると言えます[1]。一般的に、点眼療法に不応性を示した潰瘍性角膜炎に対しては、潰瘍が深刻な深さに...

  • 切歯の無い馬における給餌法

    馬の飼養管理 - 2024/01/14

    一般的に、ウマ破歯細胞性歯再吸収及びセメント質肥大症(EOTRH: Equine odontoclastic tooth resorption and hypercementosis)は、特に15歳以上の高齢馬にとって厄介な病気になります。この歯科病が初めて報告されたのは2008年でしたが、おそらくEOTRHはそれ以前から存在していた筈です。ただし、直近の10年間で、馬の歯科ケアの重要性が高まるにつれて、獣医師たちはこの病気に気付くようになってきました。EOTRHの病態としては...

  • 子馬のロドコッカス肺炎に対する遺伝子ワクチン

    話題 - 2024/01/13

    子馬に発症するロドコッカス肺炎(Rhodococcal pneumonia)は、ロドコッカス菌(Rhodococcus equi)によって起こる深刻な呼吸器感染症であり、土壌病として特定牧場で多発することが多く、将来的な馬の競走/競技能力の低下にも繋がることから[1,2]、その予防対策が重要な疾患であると言えます。そのためには、初乳の適切な摂取によって移行免疫を獲得させることが第一ですが、ロドコッカス菌の免疫原になりうるリポ蛋白質(VapA)...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Plevin et al. 2014)

    文献 - 2024/01/12

    「若齢サラブレッド競走馬のレース成績に対する付着部繋靭帯炎の影響」Plevin S, McLellan J. The effect of insertional suspensory branch desmitis on racing performance in juvenile Thoroughbred racehorses. Equine Vet J. 2014 Jul;46(4):451-7. この症例論文では、馬の繋靭帯炎による競走成績への影響を検証するため、米国のフロリダ州において、2007~2010年にかけて、平地レースに使役された896頭のサラブレッド競走馬...

  • 山羊を同居させると馬のサク癖が減る?

    馬の飼養管理 - 2024/01/10

    サク癖は、馬用語で「グイッポ」とも呼ばれ、固定された物体を前歯で咥えて、それを支点にして頭頚部を屈曲させながら空気を飲み込むような動作を指します。古典的には、馬が覚える悪癖だと片付けられてきましたが、近年の研究では、人間の精神医学でいう強迫性障害(Obsessive-compulsive disorder)によく似た「心の病気」であることが分かってきています。ここでは、山羊と同居させる飼養管理法(Housed with a goat)による、...

  • 馬の角膜潰瘍に対する多血小板血漿療法

    話題 - 2024/01/09

    競走馬に好発する潰瘍性角膜炎(Ulcerative keratitis)は、眼疾患全体の約半数を占めており、重篤になった場合には視力障害の原因となり、長期的な休養と治療が必要になってきます。また、日本国内の競馬では、失明馬の出走が制限されているため、経済的な側面から見ても、角膜潰瘍を適切に治療して視力を維持することが重要であると言えます[1]。一方、近年のヒト医療では、広義の再生医療の一つとして、症例馬自身の血液から血...

  • 治療が嫌いな馬には「正の強化」

    馬の飼養管理 - 2024/01/07

    ヒトの医者に比べて、馬の獣医は大変な仕事だとも言えます。何故なら、ストレスを感じた「患者」(馬)から、噛みつく、頭部を振り回す、蹴りが飛んでくる、などの攻撃を受けるため、深刻な怪我の危険に曝されることになるからです。歴史的には、獣医師、その助手、および、馬の取り扱いの担当者は、診療を安全に進めるため、諸々の保定方法(ロープ、チェーンリード、鼻捻棒など)を使って馬を制御することに頼ってきました。しか...

  • オゾン化自己血液療法による馬の抗酸化作用

    話題 - 2024/01/06

    一般的に、成馬の重度疝痛(内毒素血症)や子馬の敗血症では、過剰生成された活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)によって、血管内皮の損傷や血管透過性の亢進を生じて、多臓器不全を続発することが知られています。そして、ROSに対する馬体の防御機構には、酵素系としてはグルタチオンペルオキシダーゼ、非酵素系としてはビタミンCやビタミンEが挙げられます。一方で、近年のヒト医療の論文では、オゾン化自己血液療法(O...

  • 馬の文献:繋靭帯炎(Guasco et al. 2013)

    文献 - 2024/01/05

    「馬の近位繋靭帯炎による跛行を良化させるための外側掌側神経深部枝の切除術」Guasco PG, Kelly G, Schumacher J, Henry RW. Excision of the deep branch of the lateral palmar nerve of horses to resolve lameness caused by proximal suspensory desmitis. Vet Surg. 2013 Apr;42(3):296-301.この症例論文では、馬の繋靭帯炎に対する外科的療法の治療効果を検証するため、アイルランドの馬の二次病院において、2010〜2011年...

  • 馬の切腱術における最小侵襲性手法

    話題 - 2024/01/03

    馬の蹄葉炎の外科的治療では、深屈腱の切断術(切腱術)が行なわれますが、一般的には、全身麻酔を避けて、立位でのフィールド手術として実施されます。このため、下記の研究では、フィールド手術としての侵襲性を抑えるために、エコー誘導を介した最小侵襲性の術式が検証されています。参考文献:Lalanne C, Bonilla AG. Minimally invasive ultrasound-assisted cutting thread tenotomy of the deep digital flexor tendon in h...

  • 馬の角膜潰瘍に対する自家血漿療法

    話題 - 2024/01/02

    競走馬に好発する潰瘍性角膜炎(Ulcerative keratitis)は、眼疾患全体の約半数を占めており、重篤になった場合には視力障害の原因となり、長期的な休養と治療が必要になってきます。また、日本国内の競馬では、失明馬の出走が制限されているため、経済的な側面から見ても、角膜潰瘍を適切に治療して視力を維持することが重要であると言えます[1]。一般的に、潰瘍性角膜炎の進行には、コラゲナーゼによって角膜実質が溶解すること...

  • Happy New Year 2024

    未分類 - 2024/01/01

    明けましておめでとう御座います。このブログでは、今年も、馬の医療や健康管理に関する情報発信に取り組んでいきます。至らない部分もありますし、微力では御座いますが、馬達とホースマンの皆様、そして、日本の馬社会のお役に立てば嬉しく思います。トピックの御要望については、下記のメールまでお願いします。今年一年、皆様の健康と幸せをお祈りしております。石原章和Happy new year.In this blog, I will continue to intr...

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Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: アラフィフ
住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
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質問、御意見、記事の要望等は下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

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