fc2ブログ
RSS

2024年02月のエントリー一覧

  • 暖房した馬場での運動による馬の暑熱順応

    話題 - 2024/02/28

    一般的に、馬は暑熱に弱い動物であることが知られており、1992年のバルセロナ五輪に参加した競技馬が、暑さによる健康問題を生じたことから、暑熱順応(Heat acclimation)の重要性が認識されるようになりました[1]。そのような暑さ対策は、国際的な乗馬競技だけでなく、近年、地球温暖化によって夏季の気温上昇の傾向にある日本においても、競技馬のウェルフェア向上のために有益であると言えます。ここでは、2021年の東京五輪に...

  • 馬の変性脊髄脳炎における酸化ストレスマーカー

    話題 - 2024/02/27

    一般的に、馬における変性脊髄脳炎(Degenerative myeloencephalitis: DM)では、ビタミンEなどの抗酸化体が欠乏することで、活性酸素による脳脊髄組織の変性を生じることが病因として挙げられています。ただ、腰萎等の神経症状を発現した段階では、血中ビタミンE濃度は正常値に戻っていることが多いことから、類似の症状を起こす他の神経器疾患(頚椎狭窄性脊髄症[CVSM]や原虫性脊髄脳炎[EPM])との鑑別診断が難しいことが知られ...

  • 馬の分娩日の予測

    馬の飼養管理 - 2024/02/25

    馬の繁殖シーズンに入ると、子馬の出産に立ち会いたいと考えているホースマンの方も多いかもしれません。馬の妊娠期間は約340日(おおよそ11ヶ月)ですが、実際には、これより数週間も前後することは起こり得ますので、色々な手法を駆使して、馬の分娩日を予測するのが有用になります。ここでは、そのような手法に関して、基本的なものを解説した知見を紹介します。参考資料:Heather Smith Thomas. How to Predict Foaling: The H...

  • 馬の背部痛に対する衝撃波治療

    話題 - 2024/02/24

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断が難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています。ここでは、衝撃波治療による馬の背部痛への効能について、基礎的なデータを示した知見を紹介します。下記の研究では、拡散型体外衝撃波療法(Radial Extracorporeal Shock Wave Therapy: rESWT)による馬の背部痛への治療効果を検証するため、健常なサ...

  • 馬の文献:仙腸関節亜脱臼(Jeffcott et al. 1985)

    文献 - 2024/02/23

    「競技馬の慢性プアパフォーマンスの原因となる仙腸部病変」Jeffcott LB, Dalin G, Ekman S, Olsson SE. Sacroiliac lesions as a cause of chronic poor performance in competitive horses. Equine Vet J. 1985 Mar;17(2):111-8.この症例論文では、馬の仙腸関節疾患の病態把握のため、慢性のプアパフォーマンスを呈して、仙腸部の疼痛が示唆された11頭の乗馬競技馬における剖検が実施されました。結果としては、全頭で仙腸部に病...

  • 有棘縫合糸による馬の直腸裂傷の縫合

    話題 - 2024/02/21

    一般的に、馬の直腸裂傷(Rectal tear)は、直腸検査や繁殖関連事故(交配や難産)によって発症し、憩室や蜂窩織炎(直腸の尾側部)、もしくは、感染性腹膜炎を続発することから(直腸の頭側部)、極めて深刻な疾患であることが知られています。直腸裂傷の病態は、粘膜/粘膜下層のみの裂傷(グレード1)、筋層のみの裂傷(グレード2)、奨膜層のみ無傷の裂傷(グレード3)、腸壁全層の裂傷(グレード4)に類別されますが、特に...

  • 馬の息労におけるデジタル聴診装置

    話題 - 2024/02/20

    高齢馬においては、ヒトの喘息に類似した呼吸器病が起こることがあり、これを、回帰性気道閉塞(いわゆる息労:Recurrent airway obstruction)と呼んでいます。一般的に、馬の息労を検査する際には、胸部の聴診による異常肺音(笛声音、捻髪音、ラッセル音、粗造呼吸音)の聴取が行なわれます。しかし、ヒトの耳による聴診で診断を下すには限界があり、その要因として、異常肺音が常に出ている訳ではないこと、異常肺音の種類分け...

  • デキサメサゾンを打った馬での予防接種の効能

    馬の飼養管理 - 2024/02/18

    一般的に、馬に対するデキサメサゾン(コルチコステロイド)の投与は、抗炎症作用および免疫抑制作用を要する疾患に適応されており、これには、息労(回帰性気道閉塞)、アレルギー性皮膚炎、炎症性腸疾患、リンパ肉腫等が含まれます。一方、ヒト医療では、米国のCDCより、インフルエンザや新型コロナの予防接種の前後には、免疫抑制剤の投与に留意することが提唱されています[1]。馬においても、デキサメサゾンの単回投与により、...

  • 馬の背部痛に対する高強度レーザー治療

    話題 - 2024/02/17

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断が難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています。ここでは、レーザー治療による馬の背部痛への効能について、基礎的なデータを示した知見を紹介します。下記の研究では、高強度レーザー療法(High Intensity Laser Therapy: HILT)による馬の背部痛への治療効果を検証するため、背部痛の臨床症状を呈...

  • 馬の文献:蜂窩織炎(Fjordbakk et al. 2008)

    文献 - 2024/02/16

    「63頭の馬に発症した四肢蜂窩織炎の臨床的特徴の回顧的解析」Fjordbakk CT, Arroyo LG, Hewson J. Retrospective study of the clinical features of limb cellulitis in 63 horses. Vet Rec. 2008 Feb 23;162(8):233-6.この症例論文では、馬の蜂窩織炎の診断、治療、予後について検証するため、カナダのゲルフ大学の獣医病院にて、1994~2005年にかけて、四肢の蜂窩織炎を発症して搬入された63頭の馬における、医療記録の回顧的...

  • 子馬のロドコッカス肺炎での高度免疫血漿の効能

    話題 - 2024/02/14

    子馬に発症するロドコッカス肺炎(Rhodococcal pneumonia)は、ロドコッカス菌(Rhodococcus equi)によって起こる深刻な呼吸器感染症であり、土壌病として特定牧場で多発することが多く、将来的な馬の競走/競技能力の低下にも繋がることから、その予防対策が重要な疾患であると言えます。そのためには、初乳の適切な摂取によって移行免疫を獲得させることが第一ですが、ロドコッカス菌の免疫原になりうるリポ蛋白質(VapA)に対す...

  • 馬の開腹術での長期的予後と馬主満足度

    話題 - 2024/02/13

    馬の疝痛治療での開腹術は、侵襲性や合併症の危険も大きく、施術を判断する際には、術後にパフォーマンスを維持できるか否かも、重要な判断要因であると言えます。そこで、下記の研究では、疝痛馬の開腹術後における長期的な予後、および、馬主の満足度を評価するため、米国のワシントン州立大学の獣医病院にて、2014〜2021年にかけて、消化器疾患の治療のために開腹術が実施された馬における、退院後の一年間以上にわたる経過追跡...

  • フリーバーン厩舎では馬の疝痛が少ない?

    馬の飼養管理 - 2024/02/11

    一般的に、馬の飼養形態の一つであるフリーバーン厩舎(Active open barn)では、馬同士の社会的交流や自由運動の機会が得られることから、馬のウェルフェアの向上に繋がる、という考え方があります。一方で、馬主や飼養管理者にとっては、馬同士の交錯や喧騒から怪我のリスクが増える、という懸念もあると言えます。ここでは、フリーバーン厩舎において、疝痛や跛行などの馬の健康問題が起こる頻度や状況を調査した知見を紹介しま...

  • 馬の背部痛での診断法と治療法の現状

    話題 - 2024/02/10

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断が難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています(棘突起衝突等の一部の疾患を除き)。ここでは、馬の背部痛における診断法や治療法の現状を調査した知見を紹介します。下記の研究は、2022年に米国で実施された調査研究であり、全米馬獣医師協会、および、全米獣医スポーツ医学リハビリ協会の会員(97...

  • 馬の文献:蜂窩織炎(Adam et al. 2007)

    文献 - 2024/02/09

    「馬の原発性および続発性の四肢蜂窩織炎:2000~2006年の44症例」Adam EN, Southwood LL. Primary and secondary limb cellulitis in horses: 44 cases (2000-2006). J Am Vet Med Assoc. 2007 Dec 1;231(11):1696-703.この症例論文では、馬の蜂窩織炎の診断、治療、予後について検証するため、米国のペンシルバニア大学の獣医病院にて、2000~2006年にかけて、四肢の蜂窩織炎の治療のために入院した44頭の馬における、医療記録の...

  • 馬の股関節炎

    話題 - 2024/02/07

    馬の股関節炎(股関節の変性関節疾患:Coxofemoral joint osteoarthritis)は、稀に見られる後肢跛行の原因疾患です。ここでは、ドイツのハノーバー大学の獣医病院において、2002~2023年にかけて、股関節炎を呈した24頭の馬に関する症例集積研究を紹介します。参考文献:Sauer FJ, Hellige M, Beineke A, Geburek F. Osteoarthritis of the coxofemoral joint in 24 horses: Evaluation of radiography, ultrasonography, intra-a...

  • 馬の滑膜侵襲における通常X線検査の有用性

    話題 - 2024/02/06

    一般的に、馬が四肢に外傷を負ったときに、滑膜組織(関節、腱鞘、滑液嚢など)に侵襲が及んでしまうと、難治性の細菌性滑膜炎を続発して、予後不良になる危険性が高いことが知られています。このため、特に関節や腱鞘に近い箇所に切り傷を負った馬においては、その外傷が滑膜侵襲を伴っているか否かを、初診の段階で確定診断しておくのが極めて重要となります。たとえ、見た目が小さなキズでも、それが深部に及んで、関節腔や腱鞘...

  • 疝痛の獣医療での地域差:インドネシア

    話題 - 2024/02/04

    馬の疝痛では、各地域で飼養されている馬の品種や年齢、用途、飼養形態などの要因に起因して、発症状況や医療ケアの方針に関して地域差が生まれると考えられます。そして、どの要因が、どのような地域差に繋がるのかを知ることで、海外の知見を日本での馬の獣医療に応用する際に、どのエビデンスを重視するか、または、重視するべきではないのかを推測するのに役立つと言えます。ここでは、東南アジアのインドネシアにおける、馬の...

  • 健常馬での腰椎病変の発生状況

    話題 - 2024/02/03

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断を実施するのが難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています(棘突起衝突等の一部の疾患を除き)。ここでは、馬の腰椎における、骨組織病変の多様性を調査した知見を紹介します。下記の研究では、イタリアのペルージャ大学の獣医病院にて、40頭の健常馬の屠体を用いて(腰臀部に異常の無かった馬)、...

  • 馬の文献:蜂窩織炎(Farstvedt et al. 2004)

    文献 - 2024/02/02

    「二頭の馬に発症した仮性結核症による顔面の蜂窩織炎と脂肪織炎の治療」Farstvedt EG, Hendrickson DA, Dickenson CE, Spier SJ. Treatment of suppurative facial cellulitis and panniculitis caused by Corynebacterium pseudotuberculosis in two horses. J Am Vet Med Assoc. 2004 Apr 1;224(7):1139-42.この症例論文では、蜂窩織炎の一つの病態として、仮性結核症(Corynebacterium pseudotuberculosis)による顔面の蜂窩織...

≪前のページ≪   1ページ/1ページ   ≫次のページ≫

プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: アラフィフ
住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
叩けよ、さらば開かれん!

質問、御意見、記事の要望等は下記まで
E-mail: rowdyponies@gmail.com

最新記事

ブログメニュー

馬の話題カテゴリー

馬の病気の話題
・蹄葉炎, 切腱術
・ナビキュラー症候群
・蹄病一般, 装蹄
・腱靭帯疾患
・背部/腰部/仙腸部疾患
・プアパフォーマンス
・消化器疾患一般
・胃潰瘍
・虚血再灌流障害
・呼吸器の医療
・神経疾患, 神経学検査
・クッシング病
・繁殖疾患と繁殖学
・皮膚病の医療
・眼科疾患, 眼科治療
・歯科疾患, 歯科治療
・寄生虫病
・高齢馬の医療
・子馬の病気や管理法
・子馬/若齢馬の長期的影響
・突然死
・症例シリーズ

馬の医療の話題
・疝痛の検査
・経鼻チューブ
・腹水検査
・疝痛の予防
・疝痛の手術判断と予後予測
・開腹術の手技や合併症
・疝痛の外科的処置
・疝痛の獣医療での地域差
・跛行検査, 画像診断
・関節鏡
・去勢, 泌尿生殖器
・抗生物質
・局所肢灌流
・COX-2限定阻害薬
・破骨細胞抑制剤
・ショックウェーブ
・パーグ治療
・馬のハンドリング, 投薬
・バイオマーカー
・麻酔
・整形外科
・キャスト, ピンキャスト
・再生医療
・先端医療
・良い死(Euthanasia)
・馬の獣医療一般

馬の一般的話題
・馬の飼養管理一般
・飼養管理での病気/怪我の予防
・馬学一般
・ウマ社会の話題
・獣医学一般, 日常
・馬の飼料
・跛行と運動
・調馬索
・サク癖
・馬の行動学や悪癖
・ハミや馬具
・輸送
・怪我や事故の予防,対処法
・ホースマンの怪我と事故
・競馬での事故死や骨折
・馬とヒト, 伝染病, 馬動物学

馬の診療シリーズ

サイト内タグ一覧

FC2カウンター

リンク

カレンダー

01 | 2024/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 - -

推薦図書

月別アーカイブ

お断わり

20130414_Blog_Message_Pict1.jpg
このサイトに掲載されているイラスト、画像、文章は、すべて管理主自身が作成したもの、もしくは、著作権フリーの素材リンクから転載したものです。

カテゴリ

全記事表示リンク

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
27位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
2位
アクセスランキングを見る>>

FC2ブログランキング

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

検索フォーム

QRコード

QR