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2024年03月のエントリー一覧

  • 馬のクロストリディウム大腸炎

    話題 - 2024/03/31

    馬におけるクロストリディウム・ディフィシル感染症(Clostridioides difficile infection)は、大腸炎の重要な病因の一つであることが知られており(俗名:X大腸炎)、北米の論文では、致死率は37%に及ぶことが報告されています[1]。ここでは、日本の複数のサラブレッド飼養施設において、2010~2021年にかけて、クロストリディウム大腸炎を呈した34頭の馬に関する症例集積研究を紹介します。参考文献:Uchida-Fujii E, Niwa H, S...

  • 馬の条虫における駆虫剤抵抗性の前兆

    話題 - 2024/03/30

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています。ここでは、馬の条虫(主にAnoplocephala perfoliata)において、駆虫剤への抵抗性が起こり始めているという知見を紹介します。参考文献:Nielsen MK. Apparent trea...

  • 馬の文献:仙腸関節亜脱臼(Gorgas et al. 2009)

    文献 - 2024/03/29

    「歩様異常やプアパフォーマンスを呈した馬における仙腸関節部のシンチグラフィー及びX線画像所見」Gorgas D, Luder P, Lang J, Doherr MG, Ueltschi G, Kircher P. Scintigraphic and radiographic appearance of the sacroiliac region in horses with gait abnormalities or poor performance. Vet Radiol Ultrasound. 2009 Mar-Apr;50(2):208-14.この症例論文では、馬の仙腸関節疾患における診断法の有用性を検証するため、ス...

  • 馬の管骨外顆骨折での螺子配列の影響

    話題 - 2024/03/27

    馬における管骨の外顆骨折(Lateral condylar fracture)は、競走馬の運動器に起こる重篤損傷の約三割を占めており、螺子固定術によって骨片安定化が達成されない場合には、球節の変性関節疾患を続発して予後不良になることが知られています[1,2]。ここでは、管骨外顆骨折に対するラグスクリュー固定術(Lag-screw fixation)での、螺子配列の影響について評価した知見を紹介します。下記の研究では、18本の馬の屠体肢に管骨の外顆...

  • 乗用馬のプアパフォーマンスでの運動中の内視鏡

    話題 - 2024/03/26

    一般的に、馬のプアパフォーマンスでは、運動器系や心脈管系のほか、呼吸器系の疾患に起因する症例が多いことが知られています。そのようなケースでは、上部気道を内診できる内視鏡検査が行なわれており、特に、近年では、馬の頭部に装着させながら撮影する、運動中の内視鏡検査(Overground endoscopy)が広く用いられるようになってきました。そこで、下記の研究では、カナダのカルガリー大学の獣医病院において(2014〜2022年)...

  • 馬の購入前検査でX線読影するときの多様性

    話題 - 2024/03/24

    ホースマンにとって、馬を購入することは、新たなライフパートナーに出会う楽しみの瞬間であると同時に、その後の飼養管理にコミットしていく意味では、慎重を期さなければいけないタイミングでもあります。このため、その馬の健康状態を適正にチェックするため、獣医師による購入前検査(Pre-purchase examination)が実施されることが一般的です。ここでは、購入前のX線検査における画像の読影に関して、獣医師のあいだの多様性...

  • 駆虫剤への抵抗性に関する馬の飼養管理者の認識

    話題 - 2024/03/23

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています。ここでは、豪州のサラブレッドの飼養管理者に対して、馬の寄生虫疾患や駆虫法、および、駆虫剤への抵抗性などに関して、聞き取り調査および回答の解析を行なった知...

  • 馬の文献:仙腸関節亜脱臼(Cousty et al. 2008)

    文献 - 2024/03/22

    「エコー誘導による馬の仙腸関節周囲注射法:屠体での検証」Cousty M, Rossier Y, David F. Ultrasound-guided periarticular injections of the sacroiliac region in horses: a cadaveric study. Equine Vet J. 2008 Mar;40(2):160-6.この研究論文では、馬の仙腸関節疾患における診断麻酔や注射療法の手法を確立させるため、14頭の馬の屠体腰臀部を用いて、エコー誘導を介した仙腸関節周囲への注射法が試験されました。この研究...

  • 英国の馬における抗生物質投与の推移

    話題 - 2024/03/20

    近年のヒト医療では、抗生物質への耐性を獲得した細菌(Bacterial antimicrobial resistance)が深刻な問題になってきています。このため、2019年には、耐性菌による死者数が世界で495万人に上っており[1]、この数は、2050年には年間1,000万人に達すると予測されています[2]。第二次世界大戦での死者が、六年間で約五千万人であったことを考えると、ある意味では、耐性菌によるヒトの感染症は、戦争よりも大きな人類の脅威になりう...

  • 若齢な競走馬での鼻出血の病態と影響

    話題 - 2024/03/19

    競走馬の鼻出血は、その多くが肺からの出血で起こり、運動中に血圧が上がることと、呼吸増加で肺胞の内圧が下がることが相まって出血に至ることから、運動誘発性肺出血(EIPH: Exercise-induced pulmonary hemorrhage)という病名で呼ばれます。馬がEIPHを起こすと、肺組織の線維化および換気機能低下を続発するのみならず、長期間の出走停止となるため、医学的にも経済的にもダメージの大きい疾患であると言えます。ここでは、若...

  • 疝痛馬の血液ガス/電解質による開腹術の予後判定

    話題 - 2024/03/17

    馬の疝痛においては、その多くが内科的治療によって回復しますが、開腹術などの外科的治療を要するような重度の症例では、手術適応を早期判断したり、手術が選択肢で無いときには、アグレッシブな保存療法を初期段階で開始することが重要となります。このため、外科的疝痛の診断指標や、予後判定のための指標を確立させることが、馬の疝痛を診察する際に有益であると言えます。ここでは、疝痛馬の血液ガスや電解質の測定値によって...

  • スウェーデンでの馬の選択的駆虫法

    話題 - 2024/03/16

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています[1]。ここでは、先進的な馬の駆虫方針が実践されているスウェーデンにおいて、馬の円虫に対する駆虫剤の抵抗性を調査した知見を紹介します。参考文献:Alm YH, Osterm...

  • 馬の文献:仙腸関節亜脱臼(Engels et al. 2004)

    文献 - 2024/03/15

    「馬の仙腸関節周囲への注射手技の開発と検証」Engeli E, Haussler KK, Erb HN. Development and validation of a periarticular injection technique of the sacroiliac joint in horses. Equine Vet J. 2004 May;36(4):324-30.この研究論文では、馬の仙腸関節疾患における診断麻酔の手技を確立させるため、26頭の実馬及び屠体腰臀部を用いて、内側アプローチによる仙腸関節への注射が試みられました。この際、注射した染色液が、...

  • 馬の浅屈腱炎での幹細胞治療とリハビリ療法の比較

    話題 - 2024/03/13

    一般的に、馬の腱や靭帯は、治癒スピードの遅い組織であることが知られており、競走馬に好発する屈腱炎においても、長期間の休養を要することが報告されています。一方、近年の獣医学では、運動器疾患に対する再生医療の臨床応用が進んでおり、間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cells: MSC)の局所投与を介して、組織の再生過程を促進する療法が試みられています。そこで、下記の研究では、豪州の馬病院において、2005〜2016年にか...

  • 関節鏡による馬の頚椎の骨片摘出

    話題 - 2024/03/12

    一般的に、関節鏡手術(Arthroscopic surgery)は、馬の無菌手術のなかで、最も頻繁に実施されるものの一つで、OCDや小片骨折の摘出の他にも、多様な関節疾患の治療に適応されています。ここでは、馬の頚椎の関節突起間関節(Cervical articular process joint)での関節鏡治療を評価した知見を紹介します。この研究では、ドイツのベルリン大学の獣医病院において、頚椎関節突起間関節の骨片形成の治療のために関節鏡が実施された...

  • 敗血症の新生子馬での好中球リンパ球比率

    話題 - 2024/03/10

    ヒト医療に小児科があるのと同様に、子馬の病気に対する獣医療では、成馬とは異なる知識と技術が必要になります。ここでは、敗血症を起こした新生子馬における、好中球数とリンパ球数の比率(Neutrophil to lymphocyte ratio: NLR)について調査した知見を紹介します。近年、ヒトの感染症や炎症性疾患においては、NLR値による鑑別診断や予後予測が有用であることが示されています。この研究では、米国のオハイオ州立大学、ルッド&...

  • 馬の円虫における複数ラクトン系駆虫剤への抵抗性

    話題 - 2024/03/09

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています[1]。ここでは、英国での調査において、複数のラクトン系駆虫剤に抵抗性を示す馬の円虫が確認された、という知見を紹介します。参考文献:Bull KE, Allen KJ, Hodgkin...

  • 馬の文献:仙腸関節亜脱臼(Dyson et al. 2003)

    文献 - 2024/03/08

    「仙腸関節領域の疼痛:74頭の症例馬の臨床診断」Dyson S, Murray R. Pain associated with the sacroiliac joint region: a clinical study of 74 horses. Equine Vet J. 2003 May;35(3):240-5.この症例論文では、馬の仙腸関節疾患の診断法を確立させるため、英国の二次馬病院において、1997~2002年にかけて、仙腸関節領域の疼痛を呈した74頭の馬における、医療記録の回顧的解析が実施されました。この研究では、仙腸関節痛を呈...

  • 若齢馬の「種子骨炎」による長期的な影響

    話題 - 2024/03/06

    若齢馬の病気を診療するときには、成馬になったときのパフォーマンスへの影響も考慮する必要があります。一般的に、馬の近位種子骨のX線画像における脈管溝の増加や骨形状の不整は、いわゆる「種子骨炎(Sesamoiditis)」という用語で呼ばれており、その臨床的な有意性や、将来的な競走能力への影響については論議があります。ここでは、馬の「種子骨炎」における新たなグレード分類法と、長期的な競走成績との関連性を調査した知...

  • 馬の蹄葉炎への鎮痛剤はインスリンにも有益

    話題 - 2024/03/05

    一般的に、クッシング病の罹患馬においては、インスリン調節異常(Insulin dysregulation: ID)を引き起こし、高インスリン血症関連性の蹄葉炎(Hyperinsulinemia-associated laminitis)を併発することが多いことから、長期的な疼痛管理のために、フェニルブタゾン等の非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)の投与が必要となります。一方で、ヒトの医療では、糖尿病患者へのNSAID投与によって、膵臓の活動亢進が起こり、インスリン調節...

  • 馬の寄生虫での駆虫剤抵抗性の発生状況

    話題 - 2024/03/03

    近年では、多くの寄生虫が駆虫剤抵抗性(Anthelmintic resistance)を持つことが世界的な問題になってきており、ヒトと動物の双方における医療の観点から、駆虫剤の責任ある使用(駆虫剤スチュワードシップ:Anthelmintic Stewardship)の重要性も提唱されています[1]。ここでは、馬の寄生虫(特に円虫や回虫)における駆虫剤への抵抗性に関して、世界的な発生状況を解説した知見を紹介します。参考文献:Nielsen MK. Anthelmintic...

  • 馬の背部痛と後肢跛行に対する整体治療の効能

    話題 - 2024/03/02

    一般的に、馬の背部痛(Back pain)は、診断麻酔や画像診断が難しく、有用な注射療法や外科的治療が少ないことから、難治性や回帰性の経過を示す病態が多いことが知られています。ここでは、整体治療による馬の体躯痛、および、前後肢の跛行への効能について検証した知見を紹介します。下記の研究では、前後肢の跛行と体躯痛を呈したポロ競技馬、または、後肢跛行と体躯痛を呈したクォーターホース競技馬(計20頭)に対して、整体...

  • 馬の文献:仙腸関節亜脱臼(Tomlinson et al. 2003)

    文献 - 2024/03/01

    「近位後肢跛行を呈した20症例に見られた仙腸部のエコー画像的異常所見」Tomlinson JE, Sage AM, Turner TA. Ultrasonographic abnormalities detected in the sacroiliac area in twenty cases of upper hindlimb lameness. Equine Vet J. 2003 Jan;35(1):48-54.この症例論文では、馬の仙腸関節疾患におけるエコー検査の有用性を評価するため、米国のミネソタ大学の獣医病院において、1998~2006年にかけて、仙腸部病態に起因する...

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プロフィール

Rowdy Pony

Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
性別: 男性
年齢: アラフィフ
住所: 北関東
職業: 獣医師・獣医学博士
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