馬の文献:息労(Cornelisse et al. 2004)
文献 - 2022年09月26日 (月)
「回帰性気道閉塞の罹患馬に対するデキサメサゾンの経口投与および経静脈投与による治療効果」
Cornelisse CJ, Robinson NE, Berney CE, Kobe CA, Boruta DT, Derksen FJ. Efficacy of oral and intravenous dexamethasone in horses with recurrent airway obstruction. Equine Vet J. 2004; 36(5): 426-430.
この研究では、馬の回帰性気道閉塞(Recurrent airway obstruction)(息労:Heaves)に対する有用な治療法を検討するため、十二頭の回帰性気道閉塞の罹患馬を用いて、乾草給餌および藁敷料に曝露することで呼吸器症状を誘発(Induction of respiratory signs)してから、デキサメサゾンの経口投与(Oral administration)および経静脈投与(Intra-venous administration)を実施して、肺機能(Lung function)の評価が行われました。
結果としては、デキサメサゾンの経静脈投与では、投与後の二時間から肺機能の改善(四~六時間後にピークを示した)が認められたのに対して、デキサメサゾンの経口投与では、投与後の六時間から肺機能の改善(二十四時間後にピークを示した)が認められました。このため、回帰性気道閉塞の罹患馬に対するコルチコステロイド療法では、経静脈投与のほうが経口投与に比べて、より迅速な治療効果の発現(Quicker onset of treatment effect)が期待できることが示唆されました。
この研究では、デキサメサゾンを給餌前に経口投与した場合には、給餌後に二倍の濃度を経口投与した場合と、同程度の治療効果が示されました。このため、回帰性気道閉塞の罹患馬に対して、コルチコステロイドの経口投与が選択される際には、出来るだけ空腹時に投薬することによって、生物学的利用率(Bioavailability)を向上できると考えられました。
この研究では、デキサメサゾンの経静脈投与において、四~六時間後に肺機能の改善効果のピークが見られましたが、その後のアトロピン投与においては胸膜緊張最大変化(Maximal change in pleural pressure)の向上が示されたことから(=気管支痙攣は残っていた)、デキサメサゾン投与では充分な気管支拡張作用(Bronchodilation effect)は達成されていなかった事が示唆されました。
この研究では、デキサメサゾンの経口投与では、肺機能の改善効果が投与後の72時間にわたって認められましたが、このような持続的な効能(Prolonged efficacy)は、臨床所見としては探知できないレベルであるという知見が示されています(Robinson et al. EVJ. 2000;32:393)。一方、デキサメサゾンの経静脈投与においても、重篤な症状悪化(Severe exacerbation)を示している回帰性気道閉塞の罹患馬に対しては、“容認できるレベル”の改善効果(Acceptable improvement)が投与から24時間にわたって誘導できる、という提唱がなされています。
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結果としては、デキサメサゾンの経静脈投与では、投与後の二時間から肺機能の改善(四~六時間後にピークを示した)が認められたのに対して、デキサメサゾンの経口投与では、投与後の六時間から肺機能の改善(二十四時間後にピークを示した)が認められました。このため、回帰性気道閉塞の罹患馬に対するコルチコステロイド療法では、経静脈投与のほうが経口投与に比べて、より迅速な治療効果の発現(Quicker onset of treatment effect)が期待できることが示唆されました。
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