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電磁波馬着で馬の背筋痛を改善

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近年の研究では、電磁波を出す馬着を用いることで、運動神経制御や脊椎柔軟性を向上させて、馬の背筋痛を緩和できることが示されており、炎症や硬化などの副作用も無いと言われています。

参考資料:
Christa Leste-Lasserre, MA. Bio-Electromagnetic Blanket Can Help Horses With Back Pain. The Horse, Article, Back and Spine, Horse Care, Pain Management, Sports Medicine, Tack: Jan 31, 2023.

先端技術を応用したこの馬着は、馬の獣医師に対して、クスリに頼らない生物学的な解決法を与えており、臀部や鞍装着箇所の疼痛を減少できると言われています。この理由から、米国のコロラド州立大学のメリサ・キング獣医師は、電磁波馬着を間違いなくお勧めすると述べています。

背筋痛は、乗用馬によく見られる問題で、その原因としては、鞍装着の不備、虚弱な腹筋、背筋の過緊張、跛行や骨疾患から併発する病態などが挙げられています。しかし、その有病率の高さにも関わらず、原因の特定が困難な場合が多く、それにも増して、治療も難しいと言われています。

関連リンク:BEMER Equine Therapy for Horses. What You Should Know.
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近年、ヒト医療での成功例を見るかぎり、電磁波馬着は、馬の背筋痛にも有効な治療法であると考えられています。この手法では、馬着内にあるコイルに電流が流れ電磁波が生成されることで、生体電磁エネルギー制御が作用して、馬の背筋内に、発熱を伴うことなく、低波長の治療電流を与えることが出来ると考えられています。

キング獣医師たちの研究では、八頭のウエスタン競技馬の背部〜臀部に対して、電磁波馬着による治療が、一日2回(5〜15分間/回)で三日連続で実施されました。この馬たちは、週に4〜5日騎乗されていて、背部の筋痛や硬化の症状を示しており、軽度(グレード1以下)の跛行も呈していました。そして、治療の期間中や前後には、背中の圧痛の検査、血液検査での筋酵素測定、および、歩様解析が行なわれました。

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結果としては、電磁波馬着による治療中および治療の24時間後において、筋圧迫時の痛みに対する閾値が有意に上昇しており、骨や筋肉の部位での疼痛が減退していることが分かりました。また、治療を受けた馬たちは、可動域を試される運動メニューにおいても、脊椎の柔軟性が明瞭に向上していました。

キング獣医師の研究チームは、最近発表された論文の中で、脊椎の柔軟性は可動域の増加に繋がり、運動神経制御を増強し、筋力強化に効果的であると提唱しています。そして、(効能のメカニズムは正確には分からないものの)、背部の微細循環が潜在的に向上することで、組織環流の増加や酸素化、筋痙攣の減少、緊張緩和、鎮痛などの効能が期待されると言われています。

更に、歩様解析のデータを見ると、電磁波馬着によって、固有受容器(馬体の位置や動きを無意識に認識する機能)も増強して、その結果、姿勢制御の向上にも寄与すると考えられています。加えて、治療を受けた馬たちは、三日目以降には、15分間の加療後に頭部を低く下げる仕草を示しており、馬体がリラックスしたことも示唆されています。

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一方で、電磁波馬着による治療で期待されていた、地面反力の増加や、慣性センサーデータへの有意な影響は認められていませんでした。ただ、この治療では、四肢の荷重や動作、血中の筋酵素には、悪影響を及ぼしていないことは間違いないと考察されています。

この研究の結果から、電磁波馬着による治療が、背筋痛に有用である可能性が示唆されており、追加研究を行なっていくことの有益性があると述べられています。そして、馬のリハビリ療法の専門家にとっては、この新治療における効能を、エビデンスに基づいて推薦していける、という提唱もなされています。

Photo courtesy of BEMER Group.

参考文献:
King MR, Seabaugh KA, Frisbie DD. Effects of a Bio-Electromagnetic Energy Regulation Blanket on Thoracolumbar Epaxial Muscle Pain in Horses. J Equine Vet Sci. 2022 Apr;111:103867.

関連記事:
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