馬の病気:披裂喉頭蓋ヒダ軸側偏位
馬の呼吸器病 - 2015年07月27日 (月)

披裂喉頭蓋ヒダ軸側偏位(Axial deviation of aryepiglottic folds)について。
披裂軟骨(Arytenoid cartilage)の外側ヒダが両側性に気道中心側へ逸脱する疾患で、殆どが両側性(Bilateral)に発症します。罹患馬は、上部気道の動的部分閉塞(Dynamic partial upper respiratory tract obstruction)を引き起こして、運動不耐性(Exercise intolerance)や呼吸雑音(Respiratory noise)などの症状を呈します。
通常、安静時には観察されず、最大強度の運動(Maximal exercise)の際に発現する病態であるため、トレッドミルまたはダイナミック内視鏡機器を用いての運動時の内視鏡検査(Endoscopic examination during exercise)で、披裂喉頭蓋ヒダが軸側に偏位するのを確認することが必要です。治療は、経口腔もしくは喉頭切開術(Laryngotomy)によって、披裂喉頭蓋ヒダを外科的に切除することが必要で、レーザー手術の応用も報告されています。
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