ヘルメットをかぶろう
未分類 - 2015年08月08日 (土)

馬に乗るときにかぶるヘルメットの重要性が、世界的にも再認識されています。
2011年の六月十一日は、「国際的にヘルメットの大切さを認識する日」(International Helmet Awareness Day)に定められ、世界中で様々な会議やシンポジウムが開催されました。そして米国でも、Riders4Helmetsというグループが主催する「ヘルメットの安全性に関するシンポジウム」が、七月末にケンタッキーで催されることになっています。
もちろんこれまでも障害飛越や野外走行における騎乗時には、ヘルメット着用が義務付けられていました。しかし、昨年、馬場馬術のオリンピック選手であったコートニー・キングさんが、ヘルメットをかぶらずに騎乗しているときに落馬して重傷を負った事件をきっかけに、ドレッサージュ競技における騎乗時にも、ヘルメットの着用を推奨する動きが高まってきました。そして、昨月末にパリで行われた国際馬術連盟(FEI)の会合では、競技出場時および直前の待機馬場以外におけるヘルメットの着用を義務付けるルールが、2012年から施行されることになりました。このような、乗馬競技における広範的なヘルメット義務化の流れは、これから世界各国に広がっていくのかもしれません。
日本のホースマンの中にも、「俺は絶対に落馬しないからヘルメットなんて要らない」という考え方を持つ方もいらっしゃるという印象があります。そして、時には、「ノーヘルで馬に乗るのがカッコいい」という風潮もあるような気がします。勿論、自己責任という裁量の範囲内であれば、ヘルメットをかぶらないという自由も尊重されるべきだとは思います。しかし、例えば自動車を運転する場合にも、「私は絶対に事故らないから保険なんて要らない」という論理立ては、必ずしも適切ではありません。また、どんな上手な騎乗者でも、もし人馬転すれば必ず命の危険が及ぶ(その結果、家族や友達が悲しむ)ことを思えば、世界的な趨勢という理由だけでなく、乗馬というスポーツにおける一つの規律ごととして、ヘルメット着用に常に取り組むべきではないでしょうか。
ヘルメットが騎乗者の命を守るのに極めて重要であることは、多くの医学的研究によって証明されているので、このような世界的な気運を機に、馬に乗る全てのライダーが例外なくヘルメットをかぶるように努め、重大な事故が減っていくことを願わずにはいられません。
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・野外障害における落馬リスクの解析
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関連リンク:
Riders4Helmets website.
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