ハダシは蹄の健康に良い?
未分類 - 2015年08月09日 (日)

馬をハダシ(Barefoot)にすることによる蹄形への効能が評価されています。
Natalie DeFee Mendik, MA. Study: Barefoot Trimming Shows Positive Effects. The Horse News: January 3rd, 2013. Article #31149.
この研究では、七頭の実験馬に対して、以下のような装蹄法が実施されました:(1)蹄鉄なし(Barefooted)、(2)蹄底を平坦にする(Leveled the hoof to the live sole)、(3)蹄踵を低くする(Lowered the heels)、(4)蹄尖を短縮する(Beveled the toe)、(5)蹄側壁の辺縁を丸く削る(Rounded the peripheral wall)、(6)蹄叉および蹄叉角は削切しない(The sole, frog, and bars were left intact)。この結果、蹄底、蹄叉、蹄叉角の箇所が、体重負荷の機能(Weight-bearing function)を担うことになり、荷重を広範囲に分散させるだけでなく、固有受容体入力(Proprioceptive input)を提供することが出来ると推測されています。
そして、このような装蹄法が六週間ごとに実施された蹄では、十六ヶ月後までには、蹄踵が掌側および底側へと移動(Palmar/Plantar migration of the heels)して、体重の支持距離の延長(Increased support length)および蹄踵角度の増加が生じていました。このため、蹄叉や蹄叉角への荷重を促す装蹄法によって、体重負荷面積(Increased weight-bearing area)が増えていく傾向が認められ、これによって、アンダーランヒール等の異常蹄形(Abnormal hoof conformation)を矯正する効果が期待できる、という考察がなされています。その一方で、そのような効能が見られるまでには、時には一年以上もの長期間を要する場合がある、という提唱がなされています。
本来、自然な環境の中で暮らしている野生馬は、蹄鉄を着けなくてもナチュラルな蹄形で維持している事を考えれば、家畜化された馬においても、蹄を「ハダシ」という自然な状態に置くことで、健康な蹄形へと回復していく効果を促せるのかもしれません。
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関連リンク:
Clayton HM, Gray S, Kaiser LJ, Bowker RM. Effects of barefoot trimming on hoof morphology. Aust Vet J. 2011; 89(8): 305-311.
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