馬は人類最高の友
馬の飼養管理 - 2015年08月13日 (木)

よく人類最高の友人は「犬」だと言われますが、本当の意味での最高の友は「馬」であると思います。
犬は多少雑な扱いをしても、次の瞬間には尻尾を振って寄ってきますが、馬は日々の絶えまぬスキンシップによってのみ信頼関係を構築することができ、ただ一度の乱暴な仕打ちによって一生心を開いてくれないこともあります。だから人間同士の信頼関係や友人関係に通ずるものがあり、本当の意味での人類の「友」と言えるのではないでしょうか。さらに人間の長い歴史を見ても、馬は、人間と一緒に畑を耕し、人間と一緒に狩りに出掛け、そして人間と一緒に戦場で生死を賭けて戦った唯一の動物なのです。
アメリカでは子供が望む最高の誕生日プレゼントは、おもちゃでもテレビゲームでもなくてポニーなのだそうですが、それもやはり幼年期に動物に触れながら人間同士の絆を学ぶうえで、犬よりも馬のほうが優れているからなのかもしれません。国土の狭い日本では、誕生日にポニーを贈ったり、裏庭で馬を飼うなどというのはなかなか難しいのかもしれませんが、少年犯罪が増加する近年の日本社会を見るにつけ、馬という人類最大の友人から我々が享受できるものが、まだまだたくさんあるのではないかと考えさせられる次第です。
日本でも最近障害者乗馬は発達してきましたが、それ以外の分野でも例えば小中学校の授業の一環として乗馬を実施したり、少年犯罪者の更正プログラムに馬の管理という項目を取り入れるなど、色々な面で馬と人間の距離を近づける方法があるのではないかと思います。また、日本人の趣味も多様化し、休暇の過ごし方もゴルフ・温泉・海外旅行などの月並みなものだけでなく、乗馬クラブに通って家族で馬に乗るというライフスタイルもある事が、徐々に社会に知られていっているように見受けられます。
今の日本では「馬」と言えば「競馬=ギャンブル」、そして「乗馬=お金持ちのスポーツ」というのが大きな二つの分野ですが、いつか馬という生き物が「家族」として受け入れられ、犬猫よりももっと深い愛情関係を築ける対象になると同時に、人生を幸せにしてくれるライフパートナーになっていけば、日本の馬社会ももっと発展していくのではないかと願っています。
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