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馬の病気:乳頭腫

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乳頭腫(Papillomas, Warts)について。

乳頭腫ウイルス(Papilloma virus)の感染によって上皮性良性腫瘍(Epithelial benign tumor)を生じる疾患で、二歳齢以下の若馬に好発することが一般的で、また、乳頭腫ウイルスはサルコイド(Sarcoid)の発症に関与することが知られています。乳頭腫の病変は、通常は鼻先や上唇などに起こり(稀に眼瞼、生殖器、遠位肢、etc)、直径0.2~2cmの白色~灰色の突起状腫瘤(White to gray protruding mass)として認められます。

馬における乳頭腫は、3~12ヶ月で自然治癒(Spontaneous regression)を示すことが一般的で、治療を要することは殆どありませんが、大型の腫瘤が認められた場合には冷凍手術(Cryosurgery)による病変切除を行うことで、他の小型病変の退縮を促す作用が期待できることが示唆されています。また、慢性経過を示した患馬においては、免疫抑制濃度(Immunosuppressive dosage)におけるコルチコステロイド療法(Prednisolone, Dexamethasone, etc)が応用される場合もあります。

ショーホース等の症例において、速やかな病変部位の改善を要したり、乳頭腫の再発予防が望まれる場合には、切除した乳頭腫組織を不活化して、粗製自家ワクチン(Crude autogenous vaccine)として皮内注射(Intradermal injection)する手法が用いられる事もあります。飼養環境内に複数の若馬がいる場合には、乳頭腫の拡散を防ぐため、ブラシや馬具などを消毒したり、飼養馬間での共用を中止することが推奨されています。

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