馬の病気:若年性アラビアン白斑症
馬の皮膚病 - 2015年09月01日 (火)

若年性アラビアン白斑症(Juvenile Arabian leukoderma)について。
メラニン損失に起因する色素脱失(Depigmentation)を生じる病態で、アラビアン退色症候群(Arabian fading syndrome)または桃色症候群(Pinky syndrome)と呼ばれる事もあります。若年性アラビアン白斑症は、六ヶ月齢~二歳齢のアラブ馬に発症し、遺伝性素因の関与が示唆されています。白斑病変は、眼周囲組織(Periocular tissue)、鼻口部(Muzzle)、外陰部(Genitalia)、会陰部(Perineum)、鼠径部(Inguinal region)などに頻繁に発現し、永続性に経過する事もあれば、徐々に減退する場合もあります。
アラブ馬以外に見られる同様の病態は、尋常性白斑症(Vitiligo)と呼ばれ、特発性色素脱失(Idiopathic depigmentation)に起因すると考えられています。白斑症の治療法は報告されておらず、ショーホース等における美容状の問題(Cosmetic diminish)を除けば、罹患馬の健康や競技能力に異常を及ぼすことはありません。
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