馬の病気:馬ウイルス性動脈炎
馬の感染症 - 2015年10月31日 (土)

馬ウイルス性動脈炎(Equine viral arteritis)について。
馬ウイルス性動脈炎は、日本では届出伝染病に指定されており、日本には存在しないことが確かめられています。馬ウイルス性動脈炎の原因ウイルスは、アルテリウイルス属に分類されており、生殖器感染(Genital infection)や呼吸器感染(Respiratory infection)によって流行することが知られています。
馬ウイルス性動脈炎の症状は多様で、発熱(Fever)、沈鬱(Depression)、食欲不振(Poor appetite)、鼻汁排出(Nasal discharge)、流涙(Epiphora)、結膜炎(Conjunctivitis)、眼瞼浮腫(Eyelid edema)、下顎リンパ節腫大(Mandibular lymph node enlargement)、後肢遠位部の浮腫(Distal hindlimb edema)、頚部から肩部の発疹(Exanthema)、陰嚢や包皮の腫脹(Scrotal and prepuce swelling)などが認められます。また、妊娠牝馬では流産(Abortion)が見られ、子馬の死亡例も報告されています。
馬ウイルス性動脈炎の診断では、中和試験(Neutralization test)による血清診断(Serodiagnosis)が一般的に用いられています。また、血液や尿、精液、流産材料などからウイルスを分離して、酵素抗体法(Immunoenzyme technique)やPCR法による診断も試みられています。
馬ウイルス性動脈炎には、特別な治療法はありません。清浄国である日本では、ウイルス侵入を阻止することが重要で、また、侵入した場合に早期発見できるよう、ワクチンの接種は行われていませんが、流行が起きた場合に対処できるよう、不活化ワクチンが備蓄されています。
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