馬の病気:馬モルビリウイルス肺炎
馬の感染症 - 2015年11月01日 (日)

馬モルビリウイルス肺炎(Morbillivirus pneumonia)について。
馬モルビリウイルス肺炎の原因は、ニパウイルスと命名されており、パラミクソウイルス科、ヘニパウイルス属の新型ウイルスになります。このウイルスによる馬の感染は、1994年にオーストラリアで流行し、また、豚の感染が1998年にマレーシアで確認されました。ニパウイルス感染は、不顕性感染(Subclinical infection)しているコウモリの尿に触れることで起こり、馬から馬または馬からヒトへの感染も、尿を介して伝播すると考えられています。ヒトに対する致死性が極めて高いため、日本では届出伝染病に指定されています。
馬モルビリウイルス肺炎の症状は、出血性肺炎(Hemorrhagic pneumonia)、急性の呼吸困難(Acute dyspnea)、突発性の神経症状(Neurologic signs)などが見られ、高い致死率(Mortality rate)を示します。ヒトに感染した場合には、インフルエンザ様の呼吸器症状、出血性肺炎、髄膜炎(Meningitis)などが認められます。
馬モルビリウイルス肺炎の診断では、ELISA法による抗体価測定(Antibody titer measurement)や、RT-PCR法によるウイルス学的診断(Virological diagnosis)が可能です。馬モルビリウイルス肺炎の特定的な治療法はありません。
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