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馬の文献:末節骨骨折(Selberg et al. 2011)

「MRI検査で蹄軟骨硬化と診断された22頭の馬における末節骨骨折と関連軟部組織と骨組織の異常」
Selberg K, Werpy N. Fractures of the distal phalanx and associated soft tissue and osseous abnormalities in 22 horses with ossified sclerotic ungual cartilages diagnosed with magnetic resonance imaging. Vet Radiol Ultrasound. 2011; 52(4): 394-401.

この症例論文では、MRI検査(Magnetic resonance imaging)によって蹄軟骨の骨性硬化(Ossified sclerotic ungual cartilages)と診断された22頭の馬における、末節骨骨折(Distal phalanx fracture)とそれに関連する軟部組織や骨組織の異常所見(Associated soft tissue and osseous abnormalities)が報告されています。

結果としては、22頭の23前肢蹄には、全てに非関節性骨折(Non-articular fracture)が認められ、またその全てにおいて、蹄軟骨が骨性硬化しており、蹄軟骨に近接する靭帯と軟部組織が罹患していました。そして、硬化した蹄軟骨の根元から起こった骨折線が、末節骨へと伸びていた事から、生物力学的原因(Biomechanical cause)またはストレスの焦点(Focal stress point)が示唆されました。

このため、蹄軟骨硬化を伴う末節骨骨折においては、同じ側の靭帯異常(Ipsilateral desmopathy)が併発している事から、これらが骨折に発現に関与していると仮説されています。また、蹄軟骨に関連した靭帯構造(Ligamentous structures associated with the ungual cartilages)では、信号強度の変化(Altered signal intensity)と肥大(Enlargement)が見られ、これらが跛行(Lameness)に寄与している可能性も指摘されています。

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