無観客競馬では人気馬が勝つ?
未分類 - 2020年04月30日 (木)

無観客での競馬は、馬やファンに影響を与えているようです。
新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、経済活動の自粛が続くなか、競馬も無観客で開催される時世になっています。大勢の入場客がいないことで、出走する馬たちにも影響が出てているようです。馬は繊細で臆病な気性であり、五感のうち聴覚に最も頼っている動物です。通常開催の競馬においては、パドックや走行中に馬の耳に入る歓声や怒号によって、馬が興奮したり入れ込むといった影響が出ます。その結果、レース中に馬との折り合いがつかなくなったり、心拍数の不必要な増加から体力を損耗する場合があります。
無観客競馬ではこのような要素が排除されることから、能力の高い馬が本来の力を発揮しやすくなることから、人気馬が勝てる確率が高くなると考えられます。勿論、人気馬が惨敗する理由には、レース日までの調整の不備や故障なども挙げられますが、レース当日の馬の心理的な不調もひとつの要因になりえると考えられます。データを見ると、無観客競馬が始まって以降、人気馬が予想通りに勝つレースが比較的に多い傾向が示されており、ある意味では、勝ち馬の予想をやり易くなる面があると思われます。
一方で、無観客競馬が始まってからは、前例が無いほど万馬券が頻発する日も散見されており、これは無観客での競馬が、ファンにも少なからず影響を与えた結果なのかもしれません。前述のように、馬が本来の能力を発揮しやすい無観客競馬において、人気の高い馬に投票が集中すれば、そのぶん、前評判の低い馬へのオッズは高騰して、数字上、万馬券が生まれやすい状況が生まれやすくなります。また、外出自粛によって自宅で娯楽を楽しむようになり、競馬歴の浅いファンが競馬に参加する割合が増えると、人気のある有名馬への投票が更に増すのかもしれません。
それに加えて、ファンがパドック等に出向いて、間近でレース直前の馬の様子を観察して、馬の不調を直接的に見極める等の要素が取り除かれると、どうしても、レースまでのデータを頼りにした勝ち馬予想となり、万馬券の発生につながる可能性もあります。さらに、無観客ではなかった時点での競走成績に基づいて、無観客レースの予想をする場合には、予想外の馬が勝ってしまうケースも出てくるかもしれません(音に敏感で能力を発揮できなかった馬や、いわゆる、メンタルの弱い馬など)。
このように、無観客競馬になることで、勝ち馬の予想が容易になる側面と、逆に難しくなる側面があると言えます。しかし、通常開催の競馬でも、天候や馬場状態などが競走成績に影響しやすい馬もいましたし、それを加味して予想をするのが競馬の楽しみ方のひとつであったと言えます。そう考えれば、無観客競馬においても、無観客だからこそ能力を発揮する馬がいるのかどうかに関するデータに着目して、それもレース予想の要素のひとつにしていくことで、競馬がより面白くなっていく可能性があるのだと思います。
武豊騎手はオフィシャルサイトにて、「長い戦いになるのかもしれませんが、私たちは競馬ができることをなによりの幸せと感じて、週末の貴重な娯楽としての競馬に全力を注ぎます。競馬が皆さんに希望を与えられる存在となるように、今週も頑張ってまいります」と述べられています。競馬はギャンブルの一つではありますが、野球やサッカーと同じように、レクリエーションとして人々に余暇の楽しみを提供し、人生を豊かにしていける産業です。このような時世においても、この産業を維持・発展させていく努力が大切だと思います。
新型コロナのパンデミックが一日も早く終息して、競馬開催のみならず、全ての社会活動が平常に帰する日が来ることを心から切望する毎日です。
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