乗馬クラブでの新型コロナ対策
日常 - 2020年05月14日 (木)

全米馬臨床医協会(American Association of Equine Practitioners: AAEP)では、乗馬クラブにおける新型コロナウイルス感染症の予防対策の指針を示しています(下記リンク参照)。
このなかでは、まず乗馬クラブへの立ち入りを必要な人員に限定すること(馬主、厩務員、調教師、装蹄師、獣医師)、乗馬クラブ内では人と人との距離を6フィート(約1.8メートル)以上は取ること、そして、勿論ですが、新型コロナの感染者や濃厚接触者は立入禁止とすること、などが挙げられています。また、馬に乗りに来る馬主や会員は予約制にして、乗馬クラブ内にいる人数を10名以内に抑えることも推奨されています。
また、乗馬クラブにいるときの行動としては、不必要に物に触らないこと、器具や用具の貸し借りをしないこと、馬具は毎日きれいに手入れすること、複数人が触る可能性のある場所を小まめに消毒すること(馬場のゲート、曳き縄を結ぶナスカン、馬房掃除の道具、ボロを運ぶ一輪車等)などが挙げられています。また、馬場のなかにある横木などは、特定のトレーナーのみが移動することや、馬の手入れ道具や馬具を共用しないことも推奨されています。
そして、新型コロナウイルスが、馬にも感染するリスクがゼロではないことを考慮して、馬に触れる前には手洗いをして、60%以上のアルコールで手指を消毒すること(20秒以上)も重要であると言えます。さらに、馬が接触する可能性のある箇所(飼い桶、水桶、馬房トビラ等)についても、十分に消毒をすることが推奨されています。これには、馬のブラシやタオル、馬着なども含まれると言えると思います。
乗馬以外のスポーツでは、社会的距離政策のなかで、活動が自粛されているものもあります。しかし、乗馬においては、馬の運動量および衛生環境を維持していくため、適切な対策を取りながら、活動を続けていく必要があります。日本の農林水産省からも、畜産事業者への指針という形で、馬関連施設における感染予防の対策も示されており、当然ながら、AAEPの指針と共通する手法も推奨されています(下記リンク参照)。
新型コロナの感染者数が、日本の100倍以上の米国では、乗馬クラブにおける感染対策も比較的厳しい基準であるという印象があります。ただ、日米の違いに関わらず、馬関連施設でのクラスター予防のために、厳重な防疫対策を徹底していくことが大切なのではないでしょうか。
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関連リンク:
Preventing the Spread of COVID-19 in Equestrian Facilities. American Association of Equine Practitioners.
畜産事業者に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン(農林水産省)