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新型コロナの抗体検査について

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新型コロナウイルス感染の抗体検査はどこまで有用なのでしょうか。

新型コロナの感染を防ぐための社会的距離政策が続くなか、パンデミックによる被害と、世界恐慌による被害を、いかにバランス良く制御していくかが課題となっています。そこで、血中の抗体を測定して無症状の感染者の動向を調査することで、最適なタイミングで経済活動を再開できるという期待があります。また、抗体検査によって、新型コロナに対する免疫抵抗を獲得していることが確認できれば、経済活動の再開の一助になるかもしれません。

世界保健機構(WHO)は、抗体の存在が、新型コロナの再感染を完全に防げるかどうかは分からないと発表しています。しかし、これは多くのウイルス疾患でも同様ですし、新型コロナはHIVやヘルペスのように、ウイルスが体内に一生残ってしまう訳ではなさそうですので、新型コロナに対する抗体を持つ人は、一定の抵抗力を獲得していると考えるのが妥当なのかなと感じます。もし、抗体がまったく無力なら、ワクチン開発もあまり意味がないという見方になるのかもしれません。

しかしながら、現状の抗体検査の信頼性については、まだまだ不安要素があると言われています。すでに諸外国では、新型コロナの抗体を測定できる複数種類のキットが販売されていますが、その中には、感度や特異度が十分に高くないものもあると言われています。特に問題となるのが感度(=新型コロナの感染者を、キチンと陽性と判定できる確率)であり、もし抗体検査によって多数の偽陰性が出てしまうと、それらの人々から感染が広がってしまうと危惧されます。現在、イギリスで開発されている新たな検査キットは、かなり高い感度や特異度が達成されるのではと伝えられていますので、成果が期待されるのではないかと思います。

また、現段階で実施されている抗体検査では、新型コロナの抗体保持率はまだ一割から二割程度であり、ウイルス感染が自然終息すると考えられている集団免疫状態(抗体保持率が六割から七割)には至っていないと推測されます。そういう意味では、外出自粛などの感染拡大を防ぐ方策は、今後も根気強く続けていくべきなのかもしれません。

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Author:Rowdy Pony
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