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馬の文献:篩骨血腫(Conti et al. 2003)

「馬の進行性篩骨血腫の診断と治療」
Conti MB, Marchesi MC, Rueca F, Puccetti M. Diagnosis and treatment of progressive ethmoidal haematoma (PEH) in horses. Vet Res Commun. 2003; 27 Suppl 1: 739-743.

この研究論文では、進行性篩骨血腫(Progressive ethmoidal hematoma)に対する有用な治療法を検討するため、内視鏡検査(Endoscopy)およびレントゲン検査(Radiography)によって篩骨血腫の推定診断(Presumptive diagnosis)が下され、ホルマリン病巣内注射(Intralesional injections of formalin)による化学焼烙治療(Chemical ablation therapy)が応用された四頭の患馬における、医療記録(Medical records)の解析が行われました。

この研究では、起立位手術(Standing surgery)において鎮静(Sedation)および保定(Restraint)が施された後、鼻孔(Nostril)または円鋸孔(Trephine hole)から副鼻腔内に進展させた内視鏡の生検チャンネルを通過させるように、先端に針の着いたチューブを挿入して血腫病変を穿刺することで、4%ホルマリンが病巣内注入されました。各病巣には、穿刺部から溶液が漏れてくるまで、ホルマリン注入が続けられましたが、正確な注入量は報告されていませんでした。

結果としては、四頭の症例における病巣内への一回のホルマリン注入によって、鼻汁排出(Nasal discharge)の臨床症状の改善が見られ、三回または四回のホルマリン注入によって、血腫病変の完全な線維性退縮(Complete fibrotic reduction)が達成されました。そして、血腫の再発(Recurrence)を起こした馬は一頭もなく、四頭のうち三頭は、騎乗使役に復帰できた事が報告されています。

このため、進行性篩骨血腫の罹患馬に対しては、内視鏡検査を介した(Trans-endoscopic)ホルマリンの病巣内注射によって、充分な病変治癒と良好な予後が達成され、運動復帰を果たす馬の割合が比較的に高いことが示唆されました。これは、進行性篩骨血腫へのホルマリン化学的焼烙によって、全身麻酔(General anesthesia)を要することなく血腫が治療でき、かつ、再発率(Recurrence rate)を低く抑えられるという、過去の文献の所見とも合致していました(Schumacher et al. Vet Surg. 1998;27:175, Marriott et al. Aust Vet J. 1999;77:371)。

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