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馬の文献:喉頭片麻痺(Schumacher et al. 2000)

「馬の反回神経障害の治療のための新型喉頭形成術の体外試験」
Schumacher J, Wilson AM, Pardoe C, Easter JL. In vitro evaluation of a novel prosthesis for laryngoplasty of horses with recurrent laryngeal neuropathy. Equine Vet J. 2000; 32(1): 43-46.

この研究論文では、馬の反回神経障害(Recurrent laryngeal neuropathy)に有用な外科的療法を検討するため、十五頭の健常馬から採取した喉頭組織を用いて、片側にはポリエステル糸による喉頭形成術(Laryngoplasty)、もう片側には金属ケーブルとワッシャーによる喉頭形成術を施し、それぞれのインプラントの生物力学的試験(Biomechanical testing)が行われました。

結果としては、ポリエステル糸による喉頭形成術では、全ての検体がインプラントの破損を生じて、平均強度は56ニュートンであったことが示されました。一方、金属ケーブルによる喉頭形成術では、四割の検体がインプラントの破損を生じて(平均強度:220ニュートン)、残りの六割の検体が披裂軟骨剥離(Avulsion of arytenoid cartilage)(平均強度:206ニュートン)および筋突起裂傷(Muscular process toring)(平均強度:357ニュートン)を生じたことが報告されています。このため、反回神経障害の罹患馬に対しては、金属ケーブルとワッシャーを用いての喉頭形成術によって、より強度の高い気道内径増加(Increasing airway inner diameter)が達成できることが示唆されました。

一般的に、馬の喉頭形成術が破損する場合には、喉頭軟骨の損失(Failure of laryngeal cartilage)、特に披裂軟骨筋突起の損傷が原因であることが示されています。つまり、軟骨よりも強度の高いインプラントを用いることの必要性および有意性(Necessity/Significance)は明確ではなく、今回の研究で示された金属ケーブルインプラントの強度の高さが、喉頭形成術の治療効果に直接的に寄与するか否かは、実際の臨床症例への応用と治療成績の検討を要する、という考察がなされています。

一般的に、糸を用いての喉頭形成術では、糸の結び目をキツク締める過程で、筋突起にノコギリのように動作(Sawing action)して軟骨裂傷を誘発する、という仮説がなされています。一方、今回の研究で使用された金属ケーブルのインプラントでは、ケーブルがワッシャーの内側を滑るように動くため、ケーブルをキツク締める過程で軟骨を傷付けにくい、という利点が指摘されています。また、糸を用いた喉頭形成術では、結び目を絞め過ぎる(Over-tightening)ことで、インプラントの部分的損失(Partial failure)を起こす危険性が高まると推測されており、金属ケーブルを用いた喉頭形成術では、安全性を確保するための許容範囲(Margin of safety)が大きい、という利点も挙げられています。

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