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新型コロナの感染状況の比較

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日本における新型コロナウイルス感染症は、私たちが深刻に悩んでいるよりは軽度なのかもしれません。

私自身は米国に友人が多いため、米国の新型コロナの感染状況が気になることも多いのですが、日本よりかなり重篤な状況になっているような気がします。上グラフは、新型コロナの新規感染者の数を、日本と諸外国で比較したもので、曜日による検査件数のバラつきを考慮して、一週間ごとの感染者数を合計した数値を出し、また、各国の人口の違いを補正するため、人口10万人当たりの数値として表しています。なお、この値が50人以上になったときには(上グラフ内の点線)、諸外国の基準では緊急事態宣言が発令されて、ロックダウン等の政策が取られることが一般的であるようです。

このグラフを見ると、三月中旬に感染爆発が起こったイタリア(紫色ライン)では、一度は点線を上回ってしまいましたが、ロックダウン政策を取ったことで、現在では日本と同様のレベルまで、感染者数が減ってきているのが分かります。一方、四月初旬に感染爆発が起こった米国(青色ライン)では、点線を上回ったあとにロックダウンを実施したものの、感染者数は横ばいか少し減少傾向を示しただけでした。その後、経済活動の再開を余儀なくされた結果、六月中旬から再び感染爆発が生じてしまいました。さらに、四月下旬に感染爆発が起こりはじめたブラジル(緑色ライン)では、行政による休業補償が難しいことから、欧米諸国のようなロックダウンが実施できず、結果として、米国に匹敵するレベルまで感染者数が増加してしまいました。

これらの国々と比較した場合、日本(赤色ライン)における新型コロナの感染者数は、極めて低いレベルで推移して、一度も基線から大きく上がっていくことなく、微妙に増減しているだけのようにも見えます。点線で示されている基準(新規感染者50人/人口10万人当たり/一週間ごと)を、日本の人口である1.26億人に換算すると、一日当たり約9,000人の新規感染者が出たら緊急事態宣言という事になります。つまり、私たちが普段のニュースで、一日当たり三桁の感染者数に一喜一憂していることは、それほど重要な事ではないのではないでしょうか。もしかすると、日本には新型コロナの感染の波は一度も押し寄せていなくて、いわば海面のうねり程度に、僅かな増減を繰り返しているだけなのかもしれません。少なくとも、日本における新型コロナの感染対策は、世界的に見れば大成功していると言えると思います。

もちろん、日本でも油断は出来ません。日本での感染者数が少ないのは、いわゆるファクターXのような未知の要素が好影響を与えているのかもしれませんし、日本でのPCR検査数がもっと増えれば、判明する感染者数も増加するのかもしれません。また、イタリアや米国での感染爆発の動向を見ても分かるとおり、感染者数が対数的に増え始めると、ほんの2~3週間で点線を上回ってしまうことが読み取れます。ですので、日本においても、感染者が1,500~2,000人/日の規模で一週間続くようなときには(新規感染者数が約10人/人口10万人当たり/一週間ごと)、緊急事態宣言などの適宜の対応を迅速に取る必要であると思います。

その一方で、諸外国に比較すると、日本の感染拡大はかなり限定的であることを踏まえて、経済・社会活動を慎重に再開させていって、新型コロナと賢く共存していく方策(いわゆる“Withコロナ”)を探っていっても良いのかもしれません。私たちは、日々のニュースの数字を冷静に判断して、新型コロナを正しく恐れることが大切な時代に来ているのではないでしょうか。

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Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
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