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新型コロナには遺伝子ワクチン

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新型コロナウイルスのパンデミックは、ワクチン開発技術の歴史的な転換をもたらすのかもしれません。

新型コロナの感染拡大が続くなか、ワクチン開発によるパンデミック終息を切望する声も聞かれます。ただ、通常は五年から十年も掛かるワクチン開発が、新型コロナではたった半年程度で実用化されようとしているのはナゼなのでしょうか。それは、いま開発されているワクチンが、従来の鶏卵法で作成される不活化ワクチンではなく、遺伝子組み換え技術を使って作成された「遺伝子ワクチン」だからです。

例を挙げると、モデルナ社(米)やキュアバク社(独)が開発しているmRNAワクチン、ファイザー社(米)が開発している脂質ナノ粒子ワクチン、イノヴィオ社(米)や大阪大学(日)が開発しているDNAワクチン、アストラゼネカ社(英)やジョンソン&ジョンソン社(米)が開発しているアデノウイルスワクチン、サノフィ社(仏)が開発しているバキュロウイルスワクチン、田辺三菱製薬(日)が開発しているウイルス様粒子ワクチン、などがあります。

これらの遺伝子ワクチンは、核酸やウイルス等を介して私たちの細胞のなかに遺伝子を送り込み、その遺伝子を転写・翻訳した私たちの細胞が、新型コロナのスパイク蛋白を合成します。そして、そのスパイク蛋白の存在を免疫細胞が探知して、新型コロナの侵入であると認識することで、抗体生成や細胞性免疫が誘導されて、新型コロナに対する抵抗性を得るという仕組みになっています。

遺伝子ワクチンの最大のメリットは、短期間でワクチンを量産できるという点です。これまでは、鶏卵の内部でウイルスを増殖させて、それを薬品で不活化させてワクチン抗原として用いていましたので、ワクチンの製造に6~12ヶ月もの長期間を要していました。一方で、遺伝子ワクチンの成分である核酸やウイルス粒子は、短い期間(1~2ヶ月)で大量に増幅することが出来ますので、今回のようなパンデミックにおいては、迅速に多量のワクチンを提供できることになります。

しかし、遺伝子ワクチンにもデメリットはあります。たとえば、RNAワクチンは、成分が不安定であること、DNAワクチンは、遺伝子発現効率が低いこと、と言ったデメリットが知られています。また、アデノウイルスワクチンは、アデノウイルスそのものに対する抗体もできるので、再度投与した場合には効果がない、などの欠点が挙げられています。その他、本来は増殖能を持たないワクチン用ウイルスが、接種されたヒトの体内で増殖してしまう副作用も報告されています。

そして、何よりも不安なことは、そもそもこの「遺伝子ワクチン」というものは、大規模なヒトの感染症における実用化事例が過去に無いという点です。これまでは、古典的な鶏卵法でも、時間を掛ければ必要数のワクチンを製造できていましたので、わざわざ有効性や安全性が未知数な遺伝子ワクチンを使うことは殆どありませんでした。また、遺伝子組み換え技術を使ったワクチンというだけで、私たち注射される側の心情的に許容されてこなかった、という面もあるのだそうです。

今回の新型コロナのように、たまたま(?)、感染力の強いウイルスが世界中に広まって、迅速にワクチン開発する必要性が高まったことで、遺伝子ワクチンという新技術が活躍する場がもたらされた、というのも皮肉な気がします。もしも、新型コロナを遺伝子ワクチンで抑え込むことが出来れば、人類は感染症に対する新たな武器を手にすることになり、将来的に、新型コロナよりも更に死亡率の高い病気がパンデミックを起こしても、それを短期間で素早く封じ込めることが出来るようなるのかもしれません。

ただ、少しうがった見方をすると、何だか遺伝子ワクチンの新技術を世界的に試験してみたい思惑が先にあって、そのためには、「短期間でワクチンを作って欲しい!」と世界中の人たちに切望してもらう状況が必要でしたので、あえて、それほど病原性の高くないウイルスを、さも非常に危険であるかのように煽ってきたのでは?、という疑念も持たされてしまいます。

いずれにしても、私たちワクチンを接種される側としては、いま開発されている新型コロナのワクチンが、過去に実用化された実績の乏しい遺伝子ワクチンの技術を使ったものであることを認識して、安全性に対する十分な検証を行ったり、健康リスクを鑑みて本当に接種する必要があるのか否かを熟考することを忘れるべきではないと思います。感染拡大への恐怖から思考停止に陥り、不安要素の大きなワクチンに飛びついてしまうべきではないと感じます。

少なくとも、政府が数憶回分もの数のワクチンを国費で確保して、あたかも、国民全員がワクチンを接種するのが当たり前だ、という空気を作ってしまうことに対しては、警鐘が鳴らされるべきではないでしょうか。

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Author:Rowdy Pony
名前: 石原章和
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年齢: 40代
住所: 神奈川県
職業: 獣医師・獣医学博士
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