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馬の肝臓内腫瘤での鑑別診断

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超音波検査(Ultrasonography)による肝臓内腫瘤(Intrahepatic mass)の鑑別診断例です。

下記写真の上部は、胆石症(Cholelithiasis)における超音波検査像で、高反響性腫瘤(Hyperechoic mass)とその後方に発生した音響性シャドー(Acoustic shadow)が認められ、多くの症例において、肝腫大(Hepatomegaly)、胆管拡張(Bile duct dilation)、肝臓実質のエコー輝度上昇(Increased echogenicity of hepatic parenchyma)、拡張した肝内胆管が並走する肝内門脈枝と共に平行線状に描出される所見(いわゆるParallel channel sign)などが認められます。

下記写真の中央部は、肝膿瘍(Hepatic abscess)における超音波検査像で、膿瘍嚢内に形成された類軟骨(Chondroids)が、胆石に類似した高反響性腫瘤とその後方の音響性シャドーとして観察されます。この場合には、胆管拡張やParallel channel signが認められず、また、腫瘤を取り囲む嚢胞壁の不規則性(Irregularity)や、複数の腫瘤が同一の嚢胞内に見られる所見などで、胆石症との鑑別診断が行われます。

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上記写真の下部は、脂質代謝異常(Hepatic lipidosis)および異栄養性石灰化(Dystrophic calcification)における超音波検査像で、石灰化を起こした胆管の内腔(Affected bile duct cavity)が明瞭に観察できない症例が多いため、この病変部位が胆石に近似した高反響性腫瘤&音響性シャドーとして認められる場合があります。この場合には、胆石症を示唆する、胆管拡張、Parallel channel sign、肝腫大、肝臓実質のエコー輝度上昇などが見られず、また、患馬のプロファイルとして、品種(ポニーに好発)、年齢(15歳以上の高齢馬に好発)、季節性(2~5月に好発)などによって、胆石症との鑑別診断が可能な場合もあります。

Photo courtesy of Reimer JM. Atlas of Equine Ultrasonography. Mosby, St Louis, Missouri (ISBN: 0815121466).




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