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ハダシの馬が金メダル

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ハダシで金メダルを取った障害飛越馬が話題になりました。

昨年の東京オリンピックの障害飛越では、スウェーデンが団体で金メダルを獲りましたが、そのうちの2頭(オールイン号とキングエドワード号)は、ハダシつまり裸蹄(Barefoot)で競技に参加しました。FEI獣医局長のゴーラム・エイカーストーム氏は、もし裸蹄がその馬に合っていて、正しい管理と環境を伴うのであれば、裸蹄で競技に参加することは好ましいことだ、と述べています。勿論、他の諸外国でも、裸蹄の競技馬はいますが、近年で最も成功を収めたのがスウェーデンだと言われています。

スウェーデンの研究者は、馬を裸蹄にする際の芸術的な技を解析して、競技馬を裸蹄に移行させるプロトコルを確立させてきました。その中で、エイカーストーム氏は、スウェーデン動物愛護のメンバーとして、不適切な裸蹄への削切によって生じる危険性について調査をしました。その結果、誤った裸蹄の手技によって馬への弊害を生じて、訴訟になった事象も見つかっています。エイカーストーム氏は、裸蹄は全ての馬に行なって良い訳ではなく、多くの要素が絡み複雑だ、という警鐘を鳴らしています。

参考資料:
Mendik ND. Back to Barefoot: Managing Horses Sans Shoes. The Horse, Jun1, 2022.
Leste-Lasserre C. The Barefoot Equine Athlete: Big Shoes To Fill? The Horse: Apr20, 2022.



馬を裸蹄にする利点と欠点

馬を裸蹄にすることの利点としては、踏着時に蹄壁がしなるように形状を変えて、地面反力を分散することが挙げられています。また、経験則としては、裸蹄によって冠関節への捻転不可が軽減されて、軟部組織の損傷が減るとも言われています。通常、蹄鉄を装着された蹄では、荷重を支えるのは蹄壁が主となるのに対して、裸蹄では、蹄底や蹄叉や跖枕などに荷重が分散されます。骨への影響を考えると、蹄壁に吊られた状態よりも、蹄底から圧迫を受けるほうが、蹄骨や舟状骨の強度や硬度が維持されやすいと考えられています。また、装鉄された蹄では、釘が設置されている蹄側部では、蹄壁の拡張が起こりにくいのに対して、裸蹄では、蹄壁全体が拡張することが可能となり、衝撃吸収や血流循環の向上が期待できるとも言われています。

その一方で、裸蹄にすることの欠点も指摘されています。たとえば、蹄叉や跖枕が健常でない馬では、掌側支持機能の不足から衝撃吸収がうまく出来ず、蹄に悪影響を与えることに繋がります。加えて、馬場の砂の性状が適切で、十分に踏着を支持しないのであれば蹄鉄やブーツを着けるべきであり、特に、濡れた芝では裸蹄は危険であり、競技能力を低下させる事もあると言われています。

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馬を裸蹄にする手法

裸蹄にすると、蹄が自然に摩耗するため、蹄の管理は低頻度になると思われるかもしれませんが、実際はその逆で、蹄鉄を装着された蹄と比べて、より頻繁に蹄の状態や形状を評価する必要があり、削切も四週間おきに必要となります。もしそうしなければ、蹄の形状や構造が変化してしまい、様々な故障や怪我の要因となってしまいます。

馬を裸蹄にしていくためには、諸条件に恵まれる必要があります。まず、装蹄師が裸蹄にする削切についてスキルと知識を持つことが大切で、飼養管理者も、数ヶ月以上を要する過渡期において、僅かな歩様異常を見逃さないことも重要となります。また、遺伝子素因として、十分な強度の蹄を持つべきであり、健常な蹄を維持する飼養管理を行なうことも必須と言えます。

裸蹄を維持するためには、足場の状態も大切な要素です。馬場などの運動スペースにおける砂の組成は、小石などが少なく、蹄を刷り減らさないものが求められます。また、厩舎(馬房、通路、洗蹄馬など)の床面に関しても、アスファルトやセメント等の硬い素材では、蹄や痛みや違和感を生み出してしまいます。場合によっては、裸蹄であっても、一時的にブーツを履かせるなどして、蹄を保護する必要が出てくると言われています。

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馬を裸蹄にするときに重要なこと

一般的に、舎飼いされる馬の蹄は、糞尿に曝露されて虚弱になることが多いため、そのような蹄を守るために蹄鉄は用いられます。つまり、裸蹄は自然な馬の状態であるから、馬にとって良いという理論は成り立ちません。また、裸蹄にすることは、ホースマンの信念やこだわりで実施するものではありませんので、それが馬に合っていないと判断された場合には、速やかに蹄鉄を装着してあげるという謙虚さも大事になってくるのかもしれません。

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